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2017年616日放送 午後1000分~NHK-FM

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『私の願い事~沖縄の風』

原案:田名部生来、竹内美宥、山邊歩夢、西川怜

脚本:北阪昌人

★参考:ルミ、キャプテンブライアン

出演

田名部生来、竹内美宥、山邊歩夢、西川怜、山寺宏一

あらすじ

願い事が叶うことで有名なAKB神社。ここで山邊歩夢は明日の沖縄で行われるAKB美術コンペティション最終審査会での成功を祈る。当日、最終審査に残った山邊歩夢、田名部生来、西川怜、ミユリーナの4人は沖縄のとあるリゾートホテルのプライベートビーチに集められた。そこで審査委員長・月歩から言い渡された課題は「ここで見える風景を絵にする」こと。個性的な面々に心を乱され、画きたい風景が見つからない山邊。焦りつつ砂浜を歩く山邊の前に現れたのは…?

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、願い事がかなうことで有名なAKB神社。長い石段を登っているのは、山邊歩夢です。


山邊:ふ~。この階段、きついなあ。願い事は、簡単にかなわないってことかなあ。

SE 大きな鈴を鳴らし手を二回叩く

山邊:どうか、明日の沖縄での最終審査会、うまくいきますように!


ナレーション:この神社の神様は、モノマネが大好き。願い事のあとにモノマネをすると、御利益があるらしいと言われています。


山邊:え~と。モ、モノマネ・・・やったことないけど・・・。(何かモノマネを)


ナレーション:山邊歩夢がお願いした最終審査会とは、「明日(あす)の輝く美術家を発掘する審査会」略してAKB美術コンペティション。絵が得意な彼女は、この審査会に応募し、見事最終審査に残っていたのでした。最終審査は、沖縄県で行われます。制限時間内に、その場で絵を画くという審査。果たして、山邊歩夢は、優勝できるのでしょうか?


山邊:私、精一杯、力を出し切る!


ナレーション:沖縄に集まった、AKB美術コンペティションの最終に残ったひとたち。


田名部:滋賀県の近江八幡市から来ました、田名部といいます。

西川:東京都出身、西川です。苦手な食べ物は、タマネギ、にんじん、ネギとニラです。

ミユ:ワタシのナマエは、ミユリーナ・タケウチです。フランス、パリーでスタディ、してきました。「井の中のフロッグ、オーシャンを知らず」と言われないように、頑張ります!

山邊:山邊です。山邊歩夢と言います。えっと、絵を画くのが好きです。沖縄は、風が気持ちいいです。がんばります。


ナレーション:四人は、沖縄のとあるリゾートホテルのプライベートビーチに集められました。


月歩:ええ、私が、今回の、ええ、最終、ええ、審査委員長を、つとめます。便箋戸月歩(びんせんと・げっほ)です。ゲッホゲッホ。ええ、最終、ええ、審査ですが、何をやってもらうかと言いますと、ええ、今から三時間で、絵を画いてもらいます。ただし、このプライベートビーチから出てはいけません。この中で、ここで見える風景を、絵に、してもらいます。いいですね、画材は、ここにいろいろ用意しています。好きなものを使ってください。では、はじめ!ゲッホゲッホ。

山邊:ここで見えるもの・・・コバルトブルーの海、少し曇った空、白い砂浜、岩があって、緑もある。赤い屋根のホテル、あとは・・・。

ミユリーナ:oh、なんかこう、芸術的なパッションが、わいてこないわねえ。自分が、見ているものを画くだけじゃあ、ナッシング、なにも、できないワネ。

田名部:私は、やっぱり海かなあ、この海の色をどんなふうに見つけるかが勝負かな。

西川:私は、フルーツが好きだから、そうだ、フルーツを画こう。想像すればいいんだ、海の上に浮かんだ、パイナップル・・・。で、そのパイナップルに、鉛筆がささっていて・・・。ん? は~ペンパイナップルアップルペン!

山邊:ミユリーナさんは、世界的に活躍しているアーティストだ。着ているTシャツに「ひとり好き」って書いてある。きっとひとりが好きなんだな。田名部さんは、すごい姿勢でデッサンしてる。体が、めっちゃ柔らかい、なに、あのかっこう。そして西川さんは、ダンスを踊りながら、画いてる・・・。あのダンスは・・・ピコ太郎?


ナレーション:こうして四人は、それぞれ、絵を画きました。あまりに個性的な面々に、山邊歩夢は、心を乱されていました。


山邊:どうしたら、いいんだろう、ああ、見えない、画きたい風景が、見えない・・・。私は、砂浜を散歩した。

山邊:波はおだやかで、湿った風が私の髪を揺らす。大きく息を吸うと、なんだか懐かしい香りがした。

山邊:ん?

山邊:岩場で、カヌーを引っ張り上げているおばあさんがいた。私は駆け寄った。

山邊:どうしたんですか?

おばあさん:ああ、なんか、これ、ここに流れ着いちゃったみたいだから、片づけようと思ってさあ。

山邊:手伝います。

おばあさん:ああ、そうかい、いやあ、助かるよぉ。

山邊:よいっしょ、よいっしょ。

山邊:波にはばまれて、なかなかカヌーを陸にあげられなかった。

おばあさん:すまないねえ、手伝ってもらって。あんた時間がないんじゃないの?

山邊:いえ、大丈夫です。もう少しです。がんばりましょう。

おばあさん:ああ、ああ、ありがとねえ。

山邊:よいっしょ、ああ、やった!

おばあさん:ああ、よかったよかった。助かったよ。

山邊:おばあさんは、笑った。いい笑顔だった。私は、そのとき思った。この笑顔を画きたい。

山邊:私は、白いキャンバスいっぱいに、おばあさんの笑顔を画いた。

月歩:はい、三時間、経ちました。終了です! ゲッホゲッホ。そこで筆をおいてくださいねえ。はい。画いた絵はこちらで回収いたします。どうぞ、ホテルの部屋で休んでいてください。ええ、最終審査結果が出ましたら、およびしますんで。ゲッホゲッホ。

ミユリーナ:ワタシは、やっぱり、海をルックした。海のカラーに、何色も使った。

田名部:私は色をあまり使わなかった。鉛筆の線をあえて残す。色ではなく形で勝負したかった。

西川:そこにないもの、フルーツを想像して風景の中に置いてみた。私らしい、メルヘンな絵になったと思う。

山邊:私、山邊の絵は・・・風景画ではない。おばあさんの顔を大きく画いた、ただそれだけの絵。

月歩:さて、みなさん、審査結果が出ました。ええ、みなさん、どれも、素晴らしいです。最終審査に残るだけの実力を感じられる作品でした。私は、感動いたしました。ええ、その中で、今回、一等賞に輝いたのは・・・。山邊歩夢さん!

山邊:ええ? 私の絵が?

月歩:おばあさんの顔に、風景が見えましたよ。沖縄の海、風、匂いが、浮かんできましたよ。すばらしい!

ミユリーナ:オメデトウ。

田名部:すごいと思いました、山邊さん。

西川:そんな発想、私にはなかったです。

月歩:ええ、他のみなさんも素晴らしかったので、ええ、四人全員、海外への留学支援、したいと思います。ゲッホゲッホ。おめでとう!

山邊:私は、この喜びを、おばあさんに報告したくて、砂浜を駆けだした。

山邊:岩場に行ってみたけれど、そこにおばあさんの姿はなく・・・。

山邊:ただ、心地よい、風だけが吹いていた。

収録後のワンショット

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