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2017年62日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『あこがれの先生!』

原案:佐々木美玲、斎藤京子、高本彩花

脚本:北阪昌人

★参考:スプリング、六郎

出演

斎藤京子、高本彩花、佐々木美玲、山寺宏一

あらすじ

欅坂中学の新米教師の斎藤京子はある日、校長室に呼ばれた。このところ学校に来ない「高本彩花」を登校させるよう、言いつけられた京子。生徒を学校に来させれないうちは半人前だと言われた京子は、「そもそもわたしは先生に向いているのか…?」と、そんなことを考えながら彩花の家に向かう。京子を笑顔で迎えてくれた母親だったが、聞こえてきたのは彩花の怒鳴り声…。果たして、京子は彩花の心を開くことが出来るのか…?

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、欅坂中学の校長室。校長先生に呼ばれているのは、新米教師の、斎藤京子。


校長:えー、君を呼んだのは、他でもない。君のクラスの、高本彩花、なんだが、まだ学校に来ていないようだねえ。

斎藤:はい、すみません。あさってには、いえ、明日には、なんとか、学校に来させます。

校長:あのねえ、君はまだ、先生として、半人前です。

斎藤:はあ・・・。

校長:高本をちゃんと学校に来させないと、君を一人前の先生とは呼べませんねえ。

斎藤:はい。

斎藤:そんなふうに言われて、落ち込んだ。そもそも、私は、先生に向いているのか、わからなかった。ああ、どうしたら、いいんだろう・・・。


ナレーション:果たして、斎藤京子は、あこがれていた職業「先生」になれるのでしょうか?


ナレーション:さて、新米教師、斎藤京子は、学校に来ない、高本彩花の家を訪ねました。


呼び鈴:ぴんぽーん!

お母さん:はーい。

斎藤:欅坂中学で、彩花さんの担任をしている、斎藤です。

お母さん:はーい! どうも、わざわざありがとうございます!

斎藤:お母さんは、笑顔で迎えてくれた。


お母さん:すみませんねえ、彩花のわがままなんですよ。私が、甘やかしてしまったんですかねえ。

斎藤:今、彩花さんは?

お母さん:部屋にいますが。

斎藤:いいですか?会いにいっても。

お母さん:ええ、どうぞ。彩花、せんせいが来てくださったよ! 斎藤せんせいが!

斎藤:彩花さんの部屋に入ろうとすると、

彩花:ざけんなよ!入ってくんじゃねえよ!

斎藤:けんもほろろ、とりつくしまもなかった。

お母さん:ったくもう、なんですか、彩花!せっかく先生が来てくださっているのに!

彩花:誰にも会いたくない。

お母さん:彩花!

斎藤:いいんですよ、お母さん。いきなり会おうした私が、間違っていたんです。

斎藤:どうしていいか、正直、わからなかった。そんなとき、ふと、壁に貼ってある、絵に気が付いた。

斎藤:お母さん、この絵、全部、魚ですね。

お母さん:あ、ええ、そうなんですよ。どういうわけか、彩花は、昔から魚屋さんの匂いが大好きで、大きくなったら、魚屋さんか、漁師になるって・・・。

斎藤:絵の中で泳ぐ魚は、楽しそうで、生き生きしていた。


ナレーション:海辺に、新米教師、斎藤と、学校に来ない、彩花の姿がありました。


斎藤:釣りをしようって言ったら、ついてきてくれたね。

彩花:学校には行きたくないけど、魚には会いたいから。

斎藤:私、どこかで間違えていたかもしれない。

彩花:え?

斎藤:学校という枠や、先生と生徒っていう枠に、あなたをあてはめようとしていた。

彩花:どういうこと?

斎藤:幸せは、好きなことのそばにある。

彩花:え?

斎藤:昔、私の尊敬する先生から教えてもらった言葉。

彩花:幸せは、好きなことのそばにある。

斎藤:将来、魚屋さんになってもいい、漁師さんになるのも、素晴らしい。学校に来るか来ないかは、彩花さん、あなたが決めること。ただね、せんせいは、思う。一見、何の役に立つかわからない学校の勉強が、思わぬところで、自分を救ってくれるって。

彩花:そんなこと、あるかな。

斎藤:あると思う。

お母さん:ああ、遅くなりました。

斎藤:彩花さんのお母さん!

お母さん:お弁当、つくってきましたよ。私も、釣りが大好き、さあ、三人で、釣り、しましょうねえ。

斎藤:三人で、釣りをした。お母さんがつくってくれた、おにぎりを食べた。

彩花:行くよ、

斎藤:え?

彩花:とりあえず、明日、学校、行くよ。

斎藤:海はおだやかで、波間に陽の光が、キラキラ輝いていた。

お母さん:綺麗ですねえ。

斎藤:そうですね。

お母さん:せんせいは、不器用かもしれませんが、きっと、いい先生になりますよ。

斎藤:ありがとう、ございます。


ナレーション:そうして、斎藤京子は、再び、校長に呼ばれました。


校長:今日、学校に来たそうじゃないか、高本彩花。

斎藤:はい。

校長:がんばったね。

斎藤:いえ、頑張ったのは、彩花さんです。

校長:彼女になんて言ったんだ?

斎藤:それは、校長先生に教わった言葉です。

校長:え?

斎藤:幸せは、好きなことのそばにある。私、教師の仕事が、好きです。

校長:たった今、君は、立派な「先生」に、なったよ。

斎藤:ありがとう、ございます!

斎藤:校長室の窓から、校庭で遊ぶ、彩花さんの笑顔が見えた。私は、もっともっと努力して、いい先生になる!

収録後のワンショット

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