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2017年519日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『あこがれの気象予報士!』

原案:佐々木久美、高瀬愛奈、柿崎芽実

脚本:北阪昌人

★参考:ロープ、ミスト

出演

佐々木久美、高瀬愛奈、柿崎芽実、山寺宏一

あらすじ

欅坂テレビのお天気お姉さんとして、視聴者の皆さんに気象情報をお届けしている佐々木久美、高瀬愛奈、柿崎芽実の3人。しかし、彼女たちの情報は信頼性を欠き、コーナーが始まるとともに視聴率が下がるため、プロデューサーが頭を抱えていた。放送局の一室に呼び出された3人は、プロデューサーの厳しい言葉を受けて奮起を誓い、新たな気象情報の伝え方を模索するのだが…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション: ここは、欅坂にある放送局、欅坂テレビ。その一室に、三人の女性が集められていました。


プロデューサー:お天気お姉さんの君たちを呼んだのは、他でもない。ダメなんだよ、まったく、面白くない、っていうか、視聴率も下がっちゃうんだよ。このままじゃ、君たち、番組から降りてもらうしかないねえ。いいのか?それで。ん?佐々木久美、どうなんだ?

佐々木:いえ、嫌です、一日も早く、有名な気象予報士になりたい!

プロデューサー:だよねえ。高瀬愛奈、君はどう思う?

高瀬:はい、誰もが認める、気象予報士になりたいです!

プロデューサー:柿崎芽実、君は、どうだ? ってええ?? いちご食べてるの?

柿崎:(食べながら)すみません、いちご、大好きなもので。

プロデューサー:そんなことでは、いつまで経っても、一人前にはなれないぞ!

一同:はい! すみません!がんばります!


ナレーション:さて、気象予報士見習いの三人、佐々木久美、高瀬愛奈、柿崎芽実は、欅坂テレビの屋上で、話しています。


佐々木:高瀬に柿崎、どうすんのよ! 視聴率、下がってるってさ。

高瀬:って自分は関係ないって顔しないでほしいんですけどぉ。気づいてました? 昨日だって、佐々木さん、こんなこと言ってましたよ。

(回想)
佐々木:ええ、明日は、くもり時々、晴れ、ところによっては、雨、おおむね、晴れたり、曇ったり、雨だったり、まあ、いろいろでしょう。

高瀬:って、それって、何も予報してないのと同じじゃない?

佐々木:しょうがないでしょ、天気予想図が、そう言ってるんだから。っていうか、高瀬、あんただって相当ひどいこと言ってたよ。

(回想)
高瀬:ええ、明日は、絶好のアウトドアびより、ですよ。まあ、私は、もっぱら、インドア好き、ですが。

佐々木:っていらなくない? 最後のインドア派発言。テンション落ちるでしょ。

柿崎:まあまあまあ、二人とも、落ち着きましょうよ。

高瀬:っていうか、柿崎、あんたがいっちばん、ダメしょ!

(回想)
柿崎:ええ、私のぬいぐるみ、「ウガウガちゃん」によりますと、明日は、晴れたらいいなって感じでぇす!

高瀬:ぬいぐるみにまかせるな!

佐々木:ちょっと、ほんとに落ち着こう。やばいよ、このままじゃ、お天気お姉さん、やれなくなる。

高瀬:それはやだな。私の夢だったし。

柿崎:私も、昔から山が好きで、山菜とるのが好きだった。だから天気予報をいつもチェックしてた。

佐々木:だったら、もっと考えないと。

高瀬:考える?

佐々木:いかに今までにない天気予報をするか。

柿崎:今までにない・・・。天気予報。


ナレーション: そうして、三人は、プロデューサーをスタジオに呼び出し、それぞれが考えた天気予報のプレゼンテーションを試みました。


プロデューサー:ほんとに、大丈夫なんだろうねえ、

佐々木:はい、まかせてください!私、佐々木久美が考えた、お天気コーナーは!

M トランペット

佐々木:トランペットを吹きながら、お天気をお伝えします。

プロデューサー:はい、却下! 無理でしょう。

佐々木:あ、じゃあ、私は野球が好きなので、野球にたとえます。

SE 野球

佐々木:『ええ、明日の天気はですね、まあ、たとえていうならば、三対ゼロで負けている9回裏、ツーアウト満塁。ここでホームランが出れば、逆転サヨナラ勝ち、ノーボールツーストライク、ピッチャー振りかぶって投げました!ああ、空振り三振!試合終了!!
っていう、感じでぇす』

プロデューサー:ダメ、伝わりづらい! 却下! 高瀬、おまえはどうだ?

高瀬:はい! 私はですね、いちおう、三カ国語ができるので、英語、ドイツ語、フランス語で、やってみます。
『(英語で)明日は晴れるでしょう!【It will be calm tomorrow.】
(ドイツ語で)明日は晴れるでしょう!【Es wird morgen ruhig sein.】
(フランス語で)明日は晴れるでしょう!【Il sera calme demain.】』

プロデューサー:まあ斬新だが、テロップを入れるから、同じことだ。時間の無駄!

高瀬:じゃあ、大好きなたこ焼きにたとえます。『明日の天気は、外はよう焼けても、中はとろとろのたこ焼きみたいな天気やで』

プロデューサー:伝わりづらい! 柿崎、おまえはどうだ?

柿崎:はい、まかせてください! 私は、フランス人形が好きなので、フランス人形になりきって、天気をお伝えします。『ええ、ええ、わたしは、人形なので、わかりません』

プロデューサー:わからないんかい!

柿崎:ああ、わかりました! 私はウミウシが好きなんです。特にシンデレラウミウシ。シンデレラウミウシに、明日の天気を占ってもらいます!

プロデューサー:はいだめ! 占ってもらってる時点で、失格! なんだよシンデレラウミウシって。三人とも出直してきなさい!

一同:はい!すみません!!


ナレーション: 三人は、途方にくれて、テレビ局の屋上にあがりました。真っ赤な夕陽が、三人を照らしています。


SE カラス

佐々木:綺麗だね、

高瀬:綺麗・・・。

柿崎:なんかいちごが食べたくなった。

佐々木:ねえ、私、思い出した

高瀬:なに?

佐々木:小さいころから、学校の屋上にあがるのが、好きでね。いつも、空を見てたんだよね。で、雲の形、風の匂い、陽の光で、明日の天気を勝手に予測してたの。ああ、私、将来は、お天気お姉さんになりたいなあって思った。あのときの、気持ち、今、忘れてたかもしれない。

高瀬:そういえばね、ドイツ語で、雲ひとつない空のことを、『自由な空』って言うんだよね。その表現が大好きで、自由な空を見たくて、お天気お姉さんになりたくなった。

柿崎:私は・・・いつも上を見上げるから、素敵な職業だと思った。涙があふれても、こぼれないし。

佐々木:ねえ、三人でさ、もっと天気について調べようよ。あたるあたらないじゃない、天気には、理由があるんだよ。人間の涙と一緒で。もっともっと勉強しよう!

高瀬:そうだね。なんか、目先のパフォーマンスにこだわってた。

柿崎:あ、それなら、私が山で知り合った、仙人みたいなおじいさんがいるんだけど。すっごいんだよ、天気が全部、わかっちゃうの。


ナレーション:柿崎の提案に従い、三人は、ある山に住む、おじいさんを訪ねました。


おじいさん:なに? わしに天気の極意を、教えてほしいじゃと? おぬしら、覚悟は、できておるんじゃろうなあ。生半可な苦労では、天気は、わからんぞ。

佐々木:教えてください!

高瀬:いつまでも、半人前は、嫌なんです!

柿崎:おじいさん、お願いします!

おじいさん:よかろう。最後まで、ついてくるんじゃぞ。


ナレーション: 三人の修行の時間がやってきました。くるくる変わる山の天気を予測するため、彼女たちは、風、気温、空の様子を肌で感じる、訓練をしたのです。


おじいさん:まだまだ! 天気の道は、奥が深いんじゃあ!

一同:はい! がんばります!!


ナレーション:三人は、頑張りました。頑張りぬきました。そして、もう一度、プロデューサーをスタジオへ呼び出したのでした。


佐々木:プロデューサー、もう一度だけ、私たちのプレゼン、きいてください。ダメなら、諦めます。

高瀬:お願いします!

柿崎:お願いします!

プロデューサー:それには、およばないよ。

一同:え?どういうことですか?

プロデューサー:君たちが修業を受けたおじいさんはね、私の祖父なんだよ。

一同:えええ?

プロデューサー:じいさんは、言ってたよ。あんなに根性があると、思わなかった。あいつら、いい気象予報士になるってねえ。よく、頑張った。今日からまた番組に出てもらうよ。

一同:ありがとうございます!!

佐々木:三人で、屋上に上がった。どこまでも広く青い空が、私たちの頭の上に、あった。

収録後のワンショット

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