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2017年324日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『NOと言えない浦島太郎』

原案:今泉佑唯、織田奈那、鈴本美愉

脚本:北阪昌人

★参考:キリ丸、タケシ

出演

今泉佑唯、織田奈那、鈴本美愉、山寺宏一

あらすじ

うららかな春の陽射しが降り注ぐ海辺の砂浜を歩くひとりの若者がいました。彼の名は、浦島太郎。元来、ひとに流されやすい性格で、誘われると断わることができない太郎は、海際で子どもたちにいじめられているカメを見つけます。かかわりあいになると、ろくなことがないからと、その場を逃げ出そうとする太郎ですが、カメに呼び止められて・・・。

人物相関図

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ナレーション:ここは、うららかな春の陽射しが降り注ぐ、海辺。心地よい波の音があたりを包み込んでいます。砂浜をひとりの若者が、歩いてきます。


浦島:よいっしょ、よいっしょ、ふ~。みんなに誘われて、釣りにいったけど、全然、釣れなかったなあ。


ナレーション:この男、名前は浦島太郎。元来、ひとに流されやすい性格で、誘われると断わることができません。


浦島:ほんとうは、幼い妹の面倒をみなくちゃいけなかったのに、ああ、こりゃおっかあに怒られるなあ。


ナレーション:浦島太郎がふと、見ると、


カメ:痛い痛い! やめろ!

いじめっ子:わあああ、カメ! カメ! のろまなカメ!、おまえなんか、こうだ! えい!

カメ:痛い、痛い!

浦島:ああ、カメがいじめられてる。でもなあ、かかわりあいになると、ろくなことがないから、そっと逃げよう。

カメ:あ、ちょっと太郎さん! 太郎さん! ちょっと、待って!


ナレーション:カメは、いきなり浦島太郎に助けを乞いました。


カメ:覚えてねえですか?あっしは、あれでやんすよ、昔、太郎さんが無理やり祭りの夜店で買わされた、ミドリガメでやんすよ。めっちゃデカくなったんで、捨てられた、ミドリガメでやんすよ。

浦島:ああ、あんときの、あのカメかあ。

カメ:助けておくれよ、ね?

いじめっ子:おい、おまえ、このカメをどうしても助けてほしかったら、金をよこせ。

浦島:え?

いじめっ子:今、いくら持ってる?

浦島:いや、おいらは別に・・・。


ナレーション:浦島太郎は断ることができずに、あっという間にお金をとられてしまいました。


カメ:太郎さん、ありがとうございます。あっしを助けてくれたお礼に、めっちゃすげえとこ、連れていくでやんすよ。

浦島:いや、いいよ、なんかさ、その話、昔じいちゃんから聴いたことあんだよね。あれだろ、帰ってきたら知ってるひと誰もいなくて、すんごく歳とっちゃうっていう・・・。

カメ:さあ、どうかな、昔のことはあっし、知らねえでやんす。さあさあ、あっしの甲羅の上に乗ってください。

浦島:いいって、

カメ:いいから、

浦島:いいって、

カメ:まあそう言わずに、

浦島:ほんと、いいんで、

カメ:早く乗れ!

浦島:はい!


ナレーション:こうして、竜宮城に連れていかれたNOと言えない浦島太郎の運命は??


ナレーション:さて、ここは、海の底の竜宮城。浦島太郎は、カメに連れられて、奥の間にやってきました。


浦島:いや、ほんと、マジで、すぐ帰るからね、やばいんだって、おっかあに怒られっから。妹の世話とかあるしさあ。

カメ:はいはい、わかってますって。あっしにまかせてくださいな。今から、乙姫さまに逢っていただくでやんす。

浦島:乙姫? いや、いいや、

カメ:さあ、扉を開くでやんすよ。

SE ドア開く

乙姫:おほほほほほ、どうも、いらっしゃい。乙姫です。

浦島:どうも。浦島です。

乙姫:勇気ありますねえ、わざわざ海の底まで。

浦島:いや、勇気とか、そういうんじゃないんで。ぶっちゃけ、NOが言えなかったからっていうか。

乙姫:おほほほほほ、面白いお方。どうぞ、ゆっくりなさってくださいな。それ、みなのもの、浦島さんを、手厚く接待してくださいな。


ナレーション:こうして、浦島太郎の前には、食べきれないほどの御馳走が運ばれました。


浦島:うわ、やべ、このラーメン、マジ、うまそう!


ナレーション:さらに、美女たちが、踊りを見せたり、乙姫が、お笑いに挑戦したり、


乙姫:はいみんな、海の中に、男が何人いるか、知ってる? そう、35億! あと5000万人。

浦島:ははははっはは、やばい、ウケる。


ナレーション:あっという間に、時間が過ぎていきました。


浦島:なあ、カメくん。

カメ:なんでやんすか、浦島さん。

浦島:そろそろヤバイんで、帰るよ。

カメ:そんなこと言わないでくださいよ。

乙姫:そうですよ、まだいらしたばっかりじゃないですか。おほほほほほ。

浦島:いやいや、かなり経ってるっしょ、時間。

カメ:もう少し、いいでやんす。

浦島:いや、そうかなあ、もう少しかあ・・・。あれなんだよなあ、おいら弱いんだよなあ、強引な説得に。自分がNOって言ってまわりがしらけるくらいなら、我慢しようかなあって。

乙姫:我慢だなんて、楽しめばいいんですよ。

浦島:でもなあ、おっかあも心配だし、

カメ:まあまあいいからいいから、

乙姫:大丈夫大丈夫。


ナレーション:そんなふうに何度も何度も説得されるたび、浦島太郎は、NOと言うことができませんでした。


カメ:いいからいいから。

乙姫:大丈夫大丈夫。


ナレーション:やがて、浦島太郎に大変なことが起こりました。鏡に映った自分の姿が、おじいさんに見えたのです。


浦島:なんじゃこりゃあ!! 髪は真っ白、髭も真っ白、腰もまがっとる!


ナレーション:大慌ての浦島太郎でしたが、それでも、カメと乙姫は、


カメ:いいからいいから

乙姫:大丈夫大丈夫。

浦島:いや、いい加減、戻るって。

カメ:もう少し、

乙姫:もう少し、

浦島:いや、もう、

カメ:おっかさんや妹さんのことは忘れるでやんす。

乙姫:そうですよ、おほほほほ。


ナレーション:そこで、浦島太郎は思いました。


浦島:ええ?!おっかあや妹を忘れるなんて・・・。

カメ:忘れるでやんす。

乙姫:忘れなさい。

浦島:いやだ。

カメ:ゆっくりしていくでやんす。

浦島:いやだ。

乙姫:まだまだギャグやりますよ、あたしは。

浦島:いやだ!!

カメ・乙姫:さあ、ゆっくりしていきなさい!

浦島:おいらは、いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!


ナレーション:いつの間にか、浦島太郎は、懐かしいふるさとの海辺に倒れていました。彼はすっかりおじいさんになっていました。


浦島:ううん、ああ、おいらは、いったい・・・。むむ?


ナレーション:彼の目の前には、玉手箱がありました。


浦島:中に何が入ってるんだろう。


ナレーション:それを開けると・・・。


浦島:うわあああああああ!


ナレーション:白い煙が出て、彼はあっという間に、もとの浦島太郎に戻りました。


浦島:はぁはぁはぁ、どういうことだ?


ナレーション:こうして、浦島太郎は、NOを言う大切さに気付き、ちゃんと誘いを断れるようになった、ということです。おしまい。


浦島:でも・・・いやあ、面白かったな、竜宮城。

収録後のワンショット

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