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2017年324日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『恋の卒業式』

原案:今泉佑唯、織田奈那、鈴本美愉

脚本:北阪昌人

★参考:フェイ、ピエロ

出演

今泉佑唯、織田奈那、鈴本美愉、山寺宏一

あらすじ

東京・欅坂にある欅坂高校にかよう今泉佑唯と織田奈那。親友である二人は、卒業を前に、好きな男子に告白するかどうかを話し合っていた。その時、同じクラスの鈴本美愉太郎が二人に声をかける。戸惑う今泉の姿に、今泉が好きな男子が鈴本だと気づく織田。同じく鈴本のことが好きな織田の心に、不協和音が鳴り響く・・・。

人物相関図

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ナレーション:ここは、東京・欅坂にある、欅坂高校。卒業式を明日にひかえた今泉佑唯と、織田奈那が、教室の隅で話しています。


今泉:ねえ奈那、好きな男子いるって言ってたよね。

織田:いることは、いるけど。

今泉:コクるなら、明日しかないんじゃない?

織田:え? 明日? 無理無理、

今泉:無理って、明日言わなきゃ、いつ言うのよ。卒業しちゃうんだよ、あたしたち。

織田:だって、恥ずかしいし。もし拒否られたら私、生きていけない。

今泉:でもさ、言わないと後悔するんじゃない?

織田:後悔?

今泉:私たち親友でしょ? 大丈夫、私がなんとかしてあげるから。

織田:佑唯・・・ありがとう。友達って、いいね。

今泉:で、誰なの? 奈那が好きなひとって。


ナレーション:話している二人のところに、近寄ってきたのは、同じクラスの男子、鈴本美愉太郎(みゆたろう)です。


鈴本:よう、今泉に織田、何こそこそ話してんだよ。

今泉・織田:鈴本くん、

鈴本:ああ、わかった、あれだな。栗の話だろ? 栗。栗はいいよなあ、やっぱ、栗ってさあ、野菜の中でいちばん美味しいよな。あれ? 栗ってデザートで出てくるよな?ってことは栗は果物? なあ、どっちかな。マロンっていうと果物で、栗って言ったら野菜、とか? ないなあ、それはないなあ、ああ、ヤベ、栗食いたくなってきたぜ。

織田:鈴本くんなの。

今泉:え?

織田:好きなひと。

今泉:ええ? 今、なんていったの?

織田:私が好きな男子は・・・鈴本くん。

今泉:えええ? マジで?

織田:声がでかいよ、佑唯。

今泉:ご、ごめん。

今泉:驚いた・・・だって、私、今泉佑唯も、鈴本くんのことが大好きだったから・・・。私の心に、不協和音が鳴り響いた・・・。やだ、私、親友の恋を応援、できない!!

鈴本:やっぱ、甘いから、果物だよな、うん、そうだ。栗は、果物だ!


ナレーション:今日は、欅坂高校の卒業式。式の前に、担任の渋谷川先生が話しています。


渋谷川:はい、みなさん、今日は、そ・つ・ぎょう・し・き。やだ、なんか響きがいいわねえ。アタシも卒業したいわぁ、ダメな自分、ダメな男にみつぐ自分、そんな自分をどこかで許してる自分、もうやだぁ! 何言ってるのかしら。ええ、というわけで、担任であるわたくし、渋谷川からの最後の言葉は、ええ、まわりのひとに合わせるばかりではなく、ときには、自分を主張しましょうってこと。みんな、まわりを気にしすぎぃ! いいのよ、まわりがなんて言ったって。関係ないの。アタシはそうやって生きてきたわよ。自分が自分らしくあるために、アタシたちは、生まれてきたんだから。ね? いい?

今泉:まわりがなんて言ってもいい?でも・・・。私、今泉佑唯は困っていた。どうしたらいいのかな? 親友と同じひとを好きになったら、あなたはどうしますか?

織田:ねえ、佑唯、お願いしてもいいかな?

今泉:ん? なにを?

織田:やだ、鈴本くんだよ。

今泉:ええ?

織田:ゆうべひとばん、考えたんだよね。確かに佑唯の言うとおり、あたし、今日、自分の気持ちを言わないと、後悔しそうな気がした。

今泉:そ、そう。うん、まあ、そう、だよね。

織田:卒業式のあと、体育館の裏に、鈴本くんを呼び出してもらってもいい?

今泉:ええ?

織田:ええ?って、ダメ、かな?

今泉:だ、ダメなんかじゃないよ、うん、わかった。なんとか、する。

織田:ホント? うれしい! ありがとう。やっぱり持つべきものは、友達だよね。ああ、ヤバイ、めっちゃドキドキしてきた!

今泉:そうだよね、奈那の生き生きした表情を見ていたら、いいかなって思えてきた。思えば私って、まわりのひとが笑顔だったり、幸せそうな顔してるときが、いちばんうれしいかも。いいんだ、私の恋なんかいいんだ、奈那がうまくいけば、それで・・・いいんだ。

鈴本:え? 卒業式、終わったら?

今泉:そう。ね? 来てね、鈴本くん。体育館の裏。

鈴本:なんか、怖いんですけど、なんだよ今泉、今、ここで言えよ。話があるなら。

今泉:あたしじゃないの、話があるのは。

鈴本:なんだ、そうなんだ。

今泉:じゃあ、そういうことなんで。

鈴本:あ、ちょっと待てよ、オレも話あったんだ。

今泉:なに?

鈴本:あ、あのさ、オレ、その、ニューヨークに行くことに決めたんだ。

今泉:ええ?

鈴本:ダンス、本格的にやってみようと思ってさ。向こうのスクールにダメもとで応募したら、この間、合格の通知が来て。いつかさ、ブロードウェイに出られるようになったらさ、今泉、招待するからな。

今泉:そんな、そんなの・・・。いつ行くの?

鈴本:それがさ、急なんだけど、今日の夜の便で。

今泉:今夜?

鈴本:今泉には感謝してるよ。おまえがいなかったら、オレ、留年してた。ありがとな、いつもノート貸してくれて。

今泉:そんな・・・鈴本くんが、いなくなっちゃう、ほんとに、いなくなっちゃう・・・。


ナレーション:卒業式が終わり、体育館の裏には、織田奈那、今泉佑唯の姿がありました。


織田:ほんとに、来るかな。

今泉:来るって。

織田:ねえ、なんて言ったらいいかな。

今泉:それは、その、シンプルに、

織田:え? 『好き』って?ヤバイ、ダメ、そんな、言えるかな。あああ、恥ずかしい!

今泉:言わなきゃいけないときは、言わなきゃね。

織田:え?

今泉:後悔しないように、しなきゃね。

織田:そ、そうだね。わ、わかった、がんばるよ、佑唯。ありがとうね、佑唯のおかげで、私言えるような気がする。

今泉:うわ、ああああ、来た、鈴本くんが、来た!

鈴本:よう、どうした? なんか用か?二人して。

今泉:あ、いや、その、

織田:あ、あの、

鈴本:なに?

今泉:奈那が、その、話があるって、鈴本くんに。私は、その、これで、

織田:ちょっと待って佑唯、ひとりにしないで。ここにいて。

今泉:ええ?

織田:鈴本くん、

鈴本:ん? なに?

織田:私は・・・私は・・・。

今泉:私、今泉佑唯は、考えていた。いいの? これでいいの? 自分の気持ちを言わないままでいいの? 私は、奈那にも嘘をつき、自分にも嘘をついている。

織田:あのね、鈴本くん、・・・私・・・

鈴本:だからなんだよ、あのさ、ちょっと急ぐんだよね。じゃあ、

織田:ちょっと、待って、

今泉:好きです!!

鈴本:え?

織田:そうなんです、好きなんです。あたし、鈴本くんのこと。ありがとう、佑唯。

今泉:違うの、奈那。私・・・。私も、鈴本くんのことがずっと好きで、

織田:ええ?ま、マジで?

今泉:マジで。

鈴本:おいおい、なんだよ、何がなんだか、

今泉:ごめん、奈那、

織田:なんでもっと早く話してくれなかったの?

今泉:奈那と変なふうになるのが嫌で、

織田:変なふうになんかならないよ、全然。何も変わらない。

今泉:奈那・・・。

織田:佑唯。

今泉:ありがとう。

鈴本:っておいおい、抱き合っちゃってるけどさ。オレは? 呼び出されたオレの立場は?

今泉:不協和音を恐れて、自分の気持ちを言えなかった自分。でも、親友ならなおのこと、なんでも話そうって思った。

織田:ああ、なんかさ、アイスクリームが食べたくなった。

今泉:あたしも!

織田:行こうか。

今泉:うん! 行こう!!

鈴本:って、あ、うまい栗のアイスクリームの店、知ってるけどさあ、ねえ、オレも一緒に行くよ。飛行機まで時間あるし。なあ、待ってくれよ!

収録後のワンショット

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