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2017年210日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『誰よりも高く跳べ!』

原案:小池美波、佐藤詩織、長濱ねる

脚本:北阪昌人

★参考:コイマニア、ドロップス

出演

小池美波、佐藤詩織、長濱ねる、山寺宏一

あらすじ

全国大会へと勝ち進んだ欅坂女子学園バドミントン部のキャプテン・小池美波は、優勝を目指し、コーチの佐藤詩織と厳しい練習に励んでいた。最大のライバルとなるのは、長崎県代表の長濱ねる。彼女の高い打点から繰り出すスマッシュは、対戦相手を苦しめ、美波もその対策に追われていた。
そんな全角大会を目前に控えたある日、長崎県代表の長濱ねるが美波の前に突如、現れる。ねるは美波に…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、欅坂女子学園の体育館。バドミントン部が練習しています。特に気合いが入っているのは、キャプテンで全国大会に勝ち進んでいる小池美波。そばにつきっきりでいるのは、コーチの佐藤詩織です。


小池:はあ、はあ、はあ、まだまだ! コーチ、お願いします!

佐藤:よく言ったわ、美波、決勝戦の相手は、かなり手ごわいわよ! それ!


小池:ああ!

佐藤:あいつのスマッシュは、そんなもんじゃないわよ!

小池:はい!

小池:そうだ、長崎代表の、あいつ、長濱ねる。あいつのスマッシュは、すごい。エアー・ネル!と呼ばれている。高い打点から撃ち込まれるスマッシュは、とんでもない角度でコートに突き刺さる。

(イメージ)
長濱:おりゃああああああ! スマーーーッシュ!!

小池:私は、勝てるだろうか・・・。でも、勝ちたい。なんとしても、勝ちたい! これが高校最後の闘いだから。

佐藤:美波! もう一本、いくわよ! それ!


ナレーション:さて、ここは、欅坂女子学園の体育館。練習を終えた小池美波が、くたくたになりながら、出てきました。あたりは、夕焼けでオレンジ色に包まれています。


小池:ん? あなたは・・・。


ナレーション:小池の目の前に現れたのは・・・。


長濱:どうも、こんにちは。長濱です。

小池:長濱ねる!

長濱:ちょっと近くまで遠征にきたんで、様子を見に寄ったんだけど、たいしたことないんで、安心したよ。

小池:なに!

長濱:そう怒らないで。しょせん、私の敵ではないってことだね。

小池:そんなことを言うためにわざわざ?

長濱:棄権するっていうのも、ありだからね。私とやったら、怪我するかもしれないからねえ、はははっは。


ナレーション:小池をあざわらいながら、長濱ねるはその場を立ち去っていきました。


小池:正直、私、小池美波は、焦っていた。ビビっていた。確かに、あのスマッシュはすごい。シャトルが矢のように突き刺さる。かなわない、きっと私・・・かなわない。

佐藤:今、私はかなわないんじゃないかって、思った?

小池:コーチ!


ナレーション:小池が振り向くと、すぐ後ろにコーチの佐藤がいました。


佐藤:やめてもいいんだよ、やめても。

小池:え?

佐藤:あんな挑発にビビってるようじゃ、試合やったって負けるだけだし。

小池:そんな・・・。

佐藤:あのねえ、どんなスポーツでもそうなんだけど。ほんとうの敵は、相手じゃないの、弱い自分。不安だったり焦ったり、そんな弱い自分にどう勝つか、それが闘いなの、それがスポーツなのよ。

小池:コーチ・・・。でも、正直、あのスマッシュにはかないません。

佐藤:どうして?

小池:あんなに高い打点で打たれたら、

佐藤:わからないの?

小池:え?

佐藤:勝つ方法がたったひとつあるじゃない。

小池:えええ?

佐藤:相手より、高く跳べばいいのよ。誰よりも高く跳べば、誰も、止められない!


ナレーション:それから、小池と佐藤の二人の闘いが始まりました。高く跳ぶために、小池は、佐藤が考えた独自の練習をこなしたのです。


小池:ええ? 12段? 無理です。でも、いきます!


ナレーション:とびばこ!


小池:うわあ、ああああ! あ~~~~~~~~~~!


ナレーション:トランポリン!


小池:ちょ、ちょっと待って~、ちょっと! えい! やあ!


ナレーション:カラスが飛ぶのを、ひたすら追いかける練習!


ナレーション:小池は高く跳ぶための訓練をひたすらこなしました。そうして、ついに、全国大会の日がやってきました。


佐藤:美波、いい?今までやってきた練習を信じて。

小池:はい!

佐藤:努力は裏切らない。いいわね?

小池:はい!


ナレーション:そこへ、長濱がやってきました。


長濱:棄権、しなかったのね?

小池:するわけないじゃない。

長濱:まあ、いい度胸だこと。

小池:私ね、今、わかった。

長濱:なに?

小池:私、今日、あなたに勝つ。決勝戦で逢いましょう!

実況アナ:さて、いよいよ始まりました。バドミントン全国高校選手権。決勝戦は、小池美波対長濱ねるです。いやあ、こちらまでドキドキしてきます。なんといっても、注目は、長濱のエアー・ネル! 打ち返せた選手は誰もいない、最強のスマッシュです!!

小池:始まった!なるべくネットすれすれに、シャトルを高く浮かさなければあのスマッシュの出番はない。

長濱:なに?意外にやるわね、この子。どうしたの? 十分、プレッシャーは与えたはず、なのに・・・なんだかビビっていない。

小池:大丈夫、冷静に。私は勝てる、私は勝てる。

佐藤:美波、守ってばかりいないで! 攻めて! 攻めて!!

小池:そうだ、攻めなきゃ勝てない。

小池:えい!

長濱:攻めてきた!! いいスマッシュだわ! でも、ピンチはチャンス。これを返せば!!!!

小池:あっ!!!

実況アナ:あああっと!!!長濱の鋭いリターンが小池のミスを誘ったぁ!!!!

長濱:浮いた!!!

小池:ああ! しまった!

長濱:いくわよ! おりゃああああああ! スマッシュ!!

実況アナ:で、で、で、出たぁああああ! エアー・ネル!

佐藤:跳ぶのよ! 美波、跳んで!

小池:一瞬、全てがスローモーションに見えた。跳ぶ、長濱。叫ぶコーチ。そして私は、

小池:おりゃああああああ! させるか!!

実況アナ:おおおっと、小池、横っ飛びでこれを返した!!!!!

長濱:何っ!!!

実況アナ:エアー・ネル、破れたり! 長濱、動揺したか、リターンが浮いてしまった!!

小池:チャンス!!

小池:やあぁ~~~!!

小池:はぁはぁはぁ、

実況アナ:決まった~~~! すごい跳躍からのスマッシュです!! 小池美波の跳躍力が、長濱を越えました!

長濱:そんな・・・。

小池:やった!

佐藤:美波、あなた、立派だわ・・・。

小池:必殺技を破られたにもかかわらず、長濱は攻めてきた。それでも、私は勝つために必死で跳び続けた。そして・・・。

実況アナ:試合終了!!!! バドミントン全国高校選手権、優勝は小池美波!!!!

長濱:負けたよ。

小池:ううん、ありがとう。

長濱:え?

小池:いい試合を、ありがとう。なんだか二人で、一年分、闘った気がする。

長濱:そうだね。

小池:二人で、笑った。私はもう逃げない。もし相手が跳んだら、それより高く跳べばいいってわかったから、もう、逃げない。

収録後のワンショット

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