OnAir

2016年923日放送 午後1000分~NHK-FM

放送一覧

『金の釣り竿、銀の釣り竿』

原案:須田亜香里、日高優月、江籠裕奈、竹内彩姫

脚本:北阪昌人

★参考:つけ麺、マカロン

出演

須田亜香里、日高優月、江籠裕奈、竹内彩姫、山寺宏一

あらすじ

むかーし、むかし、あるところに、さきぽんという漁師がおったそうな。その海辺の村では、一、ニを争う腕の立つ釣り師で、今日も舟を出して釣りをしていたそうな。病気で臥せっているおっとうのために大きな魚を釣ろうと意気込んでいたが、釣り糸に食いついた大きな魚に強い力でぐいぐいと引っ張られ、おっとうが大事にしていた釣り竿を海に落としてしまった。さきぽんがひどく落ち込んでいると…。

人物相関図

  • ストーリー&キーワード募集
  • メンバーへの質問募集
  • 感想を送る

物語が読める ♪


ナレーション:むかーし、むかし、あるところに、さきぽんという漁師がおりました。さきぽんはその海辺の村では、一、ニを争う、腕の立つ、釣り師で、今日も、舟を出して、釣りをしていました。


さきぽん:ああ、おだやかな海。今日はたくさん魚を釣って、おっとうに、たらふく魚を食べさせてやりてえもんだ。


ナレーション:さきぽんのおっとうは、病にふせっておりました。


おっとう:ゴホゴホ。ああ、さきぽん、すまないねえ、おっとうがこんな体だから幼いおめえに、苦労をかけて・・・。めんぼくねえ。

さきぽん:おっとう、待っててね、大きな魚を釣るからね。


ナレーション:さきぽんが、釣り糸をたれていると、おお、いきなり、あたりがきました。


さきぽん:お、おおお! き、きた! きた!!


ナレーション:かなり大きな魚のようで、さきぽんの舟は、ぐるぐる回り、ぐいぐい、ひっぱられます。


さきぽん:うわ、うわ、わあああああ!


ナレーション:そして、


さきぽん:うわああ!


ナレーション:ああ、なんということでしょう、さきぽんは、釣り竿を海に落としてしまいました。


さきぽん:ああ、どうしよう、おっとうが大事にしていた釣り竿を、落としてしまった・・・。


ナレーション:さきぽんがひどく落ち込んでいると・・・。


ナレーション:波間に渦が巻き起こり、中から、神様が現れました。


神様:うっほおおおおお、

さきぽん:うわあ、急に海の中から神様が現れた!

神様:今、海の中に釣り竿を落としたのは、おまえか?

さきぽん:はい、そうです。さきぽんと言います。

神様:そうか、さきぽん、おぬしが落とした釣り竿は、これか?


ナレーション:そういって神様が見せたのは、


ナレーション:金色に輝く釣り竿でした。


さきぽん:いいえ、そんなに立派な釣り竿ではありません。

神様:じゃあ、これか?


ナレーション:神様は、今度は、銀色の釣り竿を差し出しました。



さきぽん:いいえ、銀色でもありません。私の釣り竿は、おっとうが大事にしている、ただの木の釣り竿です。


ナレーション:すると、神様は、もう一度海に手をつっこんで、引っ張り上げました。


神様:これか?

さきぽん:はい! そうです! これです! ありがとうございます!!

神様:なんと正直な釣り人だ。よし、褒美に、金の釣り竿と、銀の釣り竿、そして、たくさんの魚をおぬしにあげよう!

さきぽん:ええ? ありがとうございます! おっとうが喜びます!


ナレーション:さきぽんが村に帰ると、


おっとう:うわああ、なんとまあ、立派な釣り竿、しかも、大きな魚、こりゃあ、たまげた~。


ナレーション:おっとうは、魚を食べるとすっかり元気になりました。そんな様子を、隣に住むあかりんは、しっかり聞いていました。


あかりん:ふふふふ、釣り竿と魚をくれる神様かい、ふふふ、これはいいことを聞いたわい、ふふふ。


ナレーション:あかりんは、さっそく、自分が持っている釣り竿を、全部持って舟を出しました。


あかりん:へへへへ、これだけ海に落とせば、何本の金の釣り竿がもらえるやら、へへへへ、魚だって、いっぱいくれるだろう、へへへへ。


ナレーション:舟を沖まですすめると、


あかりん:さあ、神様、よろしく頼みますよ、


ナレーション:持っていた釣り竿を全部、海に投げ捨てました。


あかりん:えい!!


ナレーション:すると、やがて、海に大きな渦が沸き起こり、


神様:うっほおおおおお、

あかりん:あ、神様だっ! きたきた!


ナレーション:神様は、何本もの金色に輝く釣り竿を抱えています。


あかりん:うわああ、まぶしい! 素晴らしい!金色の釣り竿だ!

神様:おぬしが落としたのは、この釣り竿か?

あかりん:はい、そうでございます。

神様:ほんとうに、そうか?

あかりん:はい、私が落としたのは、間違いなくその金色に輝く釣り竿です!

神様:そうか・・・。


ナレーション:神様は、急に哀しい顔になりました。


あかりん:神様、ありがとう! その釣り竿を私に、

神様:えい!

あかりん:ええ?


ナレーション:神様は、いきなり、金色に輝く釣り竿を海に投げ捨ててしまいました。


あかりん:何をするんです! もったいない!


ナレーション:そこで神様は、あかりんをじっと見ていいました。


神様:あかりん、がっかりだよ。なんで嘘つくかなあ。よくないよ、そういうの。あんたはさ、伝説の釣り師だろ? すげえ釣り師じゃん。もっとプライドを持ってさあ、みんなに夢を与える存在でいてほしいわけよ。金色とか銀色じゃなくてもさ、あんたなら、いい仕事、できんじゃん、な? 心いれかえて、釣り、がんばりなよ。


ナレーション:それだけ言うと、神様は、海の中に消えていきました。


あかりん:そうだよね。神様・・・私、間違ってたよ・・・。


ナレーション:村に帰ると、あかりんは、森に行き、枯れ枝を拾い、それをナイフでけずり、器用に釣り竿をつくりました。


あかりん:私、がんばるよ!


ナレーション:あかりんは、心を入れ替え、自分で作った釣り竿で、たくさんの魚を釣り、村人に分け与えました。


さきぽん:ああ、あかりんは、最高の釣り師だ!

おっとう:そうじゃ、あかりんは、最高じゃあ!


ナレーション:そうしてある日、あかりんが海で釣りをしていると、


あかりん:あ!


ナレーション:釣り竿を落としてしまいました。


神様:おぬしが落としたのは、この金の釣り竿か?


ナレーション:そう言って神様が出てくると、あかりんは、きっぱりこう言いました。


あかりん:その通り! 私が落としたのは、金の釣り竿で~す!

神様:って、全然、変わってねえし。

あかりん:だって、やっぱり金色の釣り竿、ほしいんだもん!


ナレーション:めでたしめでたし。

収録後のワンショット

Page Top