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2016年729日放送 午後1000分~NHK-FM

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『ラストゲーム』

原案:山本彩、白間美瑠、渡辺美優紀、矢倉楓子

脚本:北阪昌人

★参考:ゴマ、ヤッキー

出演

山本彩、白間美瑠、渡辺美優紀、矢倉楓子、山寺宏一

あらすじ

今度の夏の大会で、一回戦から優勝候補のAKB学園と対戦することになったNMB女子学園。キャプテンのみるきーは、チーム練習ではメンバーを必死に鼓舞し、チーム練習が終わると、一人体育館に残って、手のまめをつぶしてもなお、自主練習に励んでいた。そんなみるきーの姿に、言葉を失う彩、楓子、美瑠。心配する3人は、みるきーにその理由をたずねるが…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、大阪なんばにある、NMB女子学園の体育館。バスケットボール部のメンバーが、練習に励んでいました。


みるきー:ほら、サヤカ! そこでシュートせえへんでいつすんの? もっと真剣にやって!

彩:わかった。

みるきー:美瑠! パス回しが遅い、そんなやったら簡単に相手にとられんで。

美瑠:はい!

みるきー:楓子、ディフェンスが甘い、もっと相手が嫌がるとこにおらな、ディフェンスにならへん!


ナレーション:部活が終わり、彩、美瑠、楓子の三人は、大きなスポーツバッグを肩にかけて、帰ろうとしていました。


彩:何や知らん、最近、みるきー、めっちゃ気合い入ってんなあ。

美瑠:彼氏にでもふられたんやろか?

楓子:やつあたりされても、困るわ~。

彩:ん? まだ体育館からなんか音がする。

美瑠・楓子:え?


ナレーション:帰りかけた三人が、体育館をのぞくと・・・。


みるきー:えい!!


ナレーション:汗でびっしょりになりながら、渡辺美優紀が、ひとり黙々と、フリースローの練習をしていました。


美瑠:ようやるなあ、

楓子:暇やねんなあ、

彩:見てみ、

美瑠・楓子:え?

彩:みるきーの手、血が出てる。

美瑠・楓子:ほ、ほんまや。


ナレーション:マメがつぶれ、血がにじむ手で、それでも渡辺は、ボールを投げ続けていました。その姿を見て、三人は、言葉を失いました。


山本:なんでなん? なんでそこまでやるん、みるきー。


みるきー:なあ、みんな聞いて。この夏の大会、一回戦で、優勝候補のAKB学園とやることになった。まあ、フツウで考えたら、ウチら負ける。でもなあ、ゼッタイ勝つ、ええか? 私はそう決めた。てっぺんとったんで! そやから、厳しい練習メニューを考えた。監督、キャプテンの私に任してくれますね?

監督:まあ、ええけど、このメニュー、厳しすぎないか? からだ、壊れてしまうんちゃうかと思うねんけど。

みるきー:人間は、一生に一度、全てをなげうってでも、勝たねばならん試合がある。そう教えてくれたんは、監督ですよ。

監督:そやなあ、まあ、いうたなあ、そうそう、いうたいうた。

みるきー:みんな、甘えは許さへんで!


ナレーション:練習の終わり、学校近くのお好み焼き屋で向かい合う彩とみるきーの姿がありました。


彩:なあ、みるきー、

みるきー:ん?

彩:なにムキになってんねん。

みるきー:え? あ、もうひっくり返してええんちゃう?

彩:あ、ああ、よいしょっと。なあ、今のままでは、みんなついていけへんって。

みるきー:ついてこれんかったら、それでええ。それまでや。でもな、私は、やったんで。とことん、やったる。

彩:なんやねん、何があってん。

みるきー:・・・最後なんや。

彩:え?

みるきー:今度の試合が、私のラストゲームなんや。

彩:ラストゲームって、私らまだ二年やし、これから、

みるきー:海外に引っ越すことになったんや。

彩:え?

みるきー:もっともっとみんなとプレーしたかったけど、そんなわけにもいかんくなった。

彩:マジ?

みるきー:マジ。

彩:そやからいうて、なにもここまで厳しくせんでも。

みるきー:あかんねん。みんなと、ここまでやりきった、そういう手ごたえがないと、私、ここを出られへん。

彩:みるきー・・・。


ナレーション:みるきーの練習メニューはすさまじいものでした。


四人:ぜい、ぜい、


みるきー:みんな、聞いて、私ね、バスケの何が好きって、全員が一緒にディフェンスをやり、全員が一緒に攻撃に回る、一緒に走り、一緒に戦い、そういうんがね、ええなあって。一緒に守り、一緒に攻める、そんなスポーツ、ほかにあんまり知らへん。私はね、あんたらと、最後の最後まで、一緒に走りたいんや。


ナレーション:しかし、強引なみるきーのやり方に、ついていけないメンバーもあらわれました。白間と矢倉は、副キャプテンの彩にくってかかりました。


美瑠:もう、限界です。練習きつすぎて、ペンが持てないんやけど。

楓子:もう毎日くたくたで、何もでけへん、こんなん、部活やない。

彩:私も最初はそう思った。でも、これはみるきーにとって最後のゲームなんや。

美瑠:そんなん、知らん。みるきーの思い入れはわかるけど、私に関係ないもん。

楓子:そうやそうや、それより、もっと高校生活を楽しみたい。たった一度しかない、2016年の夏を満喫したい。

彩:たった一度しかない、それはみんなそうなんやと思う。

美瑠:え?

彩:ええか、みるきーにとってラストゲームなように、私らにとっても、全てのゲームがラストゲームなんや。

楓子:すべてのゲームが?

彩:厳しい練習やって、最初はみるきーを恨むこともあったけど、最近、わかったんや。そうか、なんでもないように過ごしてる、この毎日がラストゲームなんやって。二度とない、この一日、過ぎてしまえば、全部過去。みるきーは、今、全身全霊で、それを教えてくれようとしてるんやなあって。そう思たら、なんかわからんけど、涙が出てきた。覚悟って、立派やなあって。私は戦国武将が好きやから、ようわかる。覚悟のある殿様がいっちゃんかっこええ。


ナレーション:そうして、いよいよAKB学園との一戦の日がきました。序盤から、AKB学園ペース。面白いように点を取られてしまいました。。しかし・・・


みるきー:みんな! よくきいて。今までやってきたことを信じよう。迷いも不安も全部吹き飛ばして、今日、この一日を精一杯、生きよう。

一同:おう!


ナレーション:このみるきーのひとことで、息を吹きかえしたメンバーは、次々にゴールを決めていきました。


みるきー:楓子! ドリブルで突破して! 美瑠! そこでシュート!


ナレーション:追いついていく、ぴったり、ついていく。そして・・・。


みるきー:彩、まかせた!


ナレーション:結果は1点差でAKB学園の勝利・・・。しかし、強豪相手に互角にわたりあったNMB女子学園には会場から惜しみない拍手が送られました・・・。


みるきー:ありがとう・・・みんな、ありがとう。

彩:お礼を言うのは、こっちのほうだよ。

美瑠:ほんと・・・。

楓子:もう、一歩も、歩けないんやけど・・・。

彩:ここまでやれたんは、みるきーのおかげや。ありがとうな。みるきー:ちがう・・・それはちがう。ひとりでは、戦えんかった。みんながいるから、ここまでこられた。ありがとう、私はいなくなるけど、またいつか、会える。

彩:みるきー。

美瑠:みるきー。

楓子:みるきー。


ナレーション:コートに倒れたチームメートたちに、夏の陽射しが降り注ぎました。みるきーの戦いは、今、始まったばかりです。


みるきー:みんな、ありがとう。忘れへんよ、みんなの思い。

収録後のワンショット

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