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2016年715日放送 午後1000分~NHK-FM

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『この夏の挑戦~ゾウの飼育員編』

原案:高橋朱里、西野未姫、込山榛香、川本紗矢

脚本:北阪昌人

★参考:ユウ、パンナコッタ

出演

高橋朱里、西野未姫、込山榛香、川本紗矢、山寺宏一

あらすじ

秋葉原にあるAKB動物園の飼育員見習い・高橋朱里は、ゾウのミキの飼育を担当していた。しかし、園長からは、動物も人間も同じ生き物なのだから、相手の気持ちになって考えるようにと指摘されるなど、飼育員としては未熟で、問題を抱えていた。そんなある日、高橋が自宅で悩んでいると、ペットの犬のジョンちゃんと猫の黒岩さんが、突然語りかけてきて…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、秋葉原にあるAKB動物園。ゾウのミキの世話をしているのは、飼育員見習いの高橋朱里です。


高橋:あああ、もっとゾウの気持ちがわかりたいなあ。ミキちゃん、今、何を考えてるの?


ミキ:パオーーーン。

園長:あー、高橋さん!そんな洗い方じゃあ、ミキちゃんが痛がりますよう。もっと優しく、丁寧に。

高橋:はい、すみません。

園長:あのねえ、動物も人間も同じ生き物なんですよう。相手の気持ちになって考える、これ、基本でしょう?それができないと、一人前の飼育員にはなれませんよう。

高橋:はい!

ミキ:パオーーーン!


ナレーション:自宅に帰った高橋朱里。部屋には、犬のジョンちゃんと、猫の黒岩さんがいます。


高橋:ねえ、ジョンちゃん、私、やっぱり飼育員向いてないかな?

ジョン:そんなことないワン!

高橋:え?

黒岩:そうよ、そんなことないニャン。

高橋:え!?


高橋:ジョンちゃんと、黒岩さんが、しゃべったぁぁぁぁぁ!


高橋:驚いた。いきなり犬と猫が話し始めた。


ジョン:いやあ、ぶっちゃけね、前々から、朱里ちゃんは、ぬるいって思ってたワン。

黒岩:そうよねえ、なーんか、動物の気持ち、考えてないって感じニャン。

ジョン:目がね、死んでるんだワン、

黒岩:そうそう、デッドアイだニャン。

高橋:もう、そんなにいじめないでよ。ただでさえ、落ち込んでるのに。

ジョン:ごめんだワン

黒岩:ごめんだニャン

高橋:ねえねえ、教えてよ、ゾウのミキちゃんの気持ち、どうしたらわかるかな?

ジョン:そうだねえ、あれかな、朱里ちゃんはさ、もっとワンダフルな気持ちでいなきゃいけないんじゃないかな。

高橋:ワンだふる?

ジョン:そう、ゾウだってさあ、一日、動物園にいるんだから、もっと楽しい話をしてあげなきゃいけないと思うんだよ、聴いてるから、ちゃーんと、それをさ、ああ、私はダメだ、私は向いてない、とか、暗いワン、

高橋:なるほど、

黒岩:あとねえ、私が思うのはね、ゾウのミキちゃんに何かあったときは、ニャンとかしなきゃいけないっていう熱い思いが感じられないんじゃないかなあ、デッドアイだしぃ。

高橋:ニャンとか、する?

黒岩:あたしら動物はね、言っても人間の世話になってるわけ。だからねえ、不安ニャンだよ。その不安を解消してあげる。これって重要だニャン。

高橋:なるほど、


ナレーション:さて、翌日、さっそくゾウのミキちゃんに実践している朱里の姿がありました。


高橋:ミキちゃん、昨日ね、うれしいことがあったんだよ。犬のジョンちゃんと、猫の黒岩さんと、お話、できたんだ。二人とも、私のことちゃーんと見ていてくれて、ほんとうに、幸せだったよ。

ミキ:パオーン!


高橋:ミキちゃんが、鼻を高々と持ち上げて、答えてくれた。


高橋:ミキちゃん、私ね、ミキちゃんのこと、守るからね。安心してね。

ミキ:パオーーーーーーン!


高橋:また、ミキちゃんが答えた。


ミキ:それを聴いて、ほっとしたゾウ。

高橋:え?

ミキ:おいおい、朱里さんや、わたしはなあ、いつも不安だったんだゾウ。

高橋:ミキの声が聴こえる。

ミキ:わたしらはなあ、遠いふるさとからここに連れてこられて、なんだか心配なんだゾウ。何をしたら捨てられないのか、玉乗りでもしたほうがいいのか、ここにいていいのか。

高橋:いいんだよ、ここにいて。この動物園の人気ものなんだよ、ミキちゃんは。ちっちゃい子供からお年寄りまで、みんなミキちゃんに会うのを楽しみにしてるんだから。

ミキ:そうかい?それならいいんだゾウ。でもなあ、いつも不安になるんだゾウ。誰かに必要とされる。それを実感できること、人間も動物も、それがいちばん幸せなんだゾウ。


高橋:確かに、そうだなっと思った。家に帰って報告した。


高橋:ねえ、ジョンちゃん!黒岩さん!

ジョン:なんだ、騒々しいワン。

黒岩:もう、すっかり寝てたニャン。

高橋:二人の言うとおりにしたら、ゾウのミキちゃんの声が聴こえたの。

ジョン:それはよかったワン。

黒岩:声に耳を傾ける、心に寄り添う。それが大事だニャン。

高橋:そうね、ほんとにそうね。私、今まで、足りなかったと思う。

ジョン:朱里さんは、ナンバーワンの飼育員になれるワン!

黒岩:そうね、今の気持ちを忘れなければね。ニャンばってね!

高橋:うん!ありがとう!

園長:なんか最近、ゾウが気持ちよさそうですねえ、高橋さんに体を洗ってもらっていると、

高橋:はい、気持ちいいところ、教えてもらったんで。

園長:そうかそうかって、え?

ミキ:パオーーーン


高橋:急に、ゾウは話さなくなった。言葉が聴こえなくなった。家に帰っても、ジョンちゃんも黒岩さんも、何も言わなくなった。


ジョン:ワンワン!

黒岩:にゃああああ。


高橋:でも、私は、それでいいと思った。言葉が聴こえないからこそ、一生懸命、心で聴こうとする。動物は教えてくれる。大切なのは、思いやる心。


ジョン:なあ、黒岩さん、ワン!

黒岩:あんですか?ジョンちゃん、ニャン!

ジョン:朱里さん、成長したね、ワン!

黒岩:そうですね、ニャン!

ジョン:ワンダフル!

黒岩:ニャンともうれしい!

ミキ:パオーーーーーーン!

収録後のワンショット

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