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2016年617日放送 午後1000分~NHK-FM

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『翼はいらない~サッカー編』

原案:小嶋真子、小笠原茉由、平田梨奈、大森美優

脚本:北阪昌人

★参考:かつひろ、りこ

出演

小嶋真子、小笠原茉由、平田梨奈、大森美優、山寺宏一

あらすじ

小学生のときに、真子は不思議な夢を見た。それは、自分がなでしこジャパンのユニフォームを着てピッチに立ち、ゴールを決める夢。風を切って走る疾走感! ボールを蹴る感触、ゴールしたときの、今まで味わったことのない達成感! 夢からさめても、感動を忘れられず、真子はサッカー選手になることを決意。地元の女子サッカーリーグに入りながら、中学校でもサッカーに打ち込んだ。そして、ある日、真子はなでしこジャパンの練習グラウンドに乗り込み…。

人物相関図

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物語が読める ♪


小嶋:それは、小学生のときだった。私、小嶋真子は、ある夜、不思議な夢を見た。


小嶋:私は、サッカーのユニホームを着ていた。スタジアムは満員。え?なに?これ、オリンピック? ワールドカップ?


小笠原:小嶋、私が左サイドに走りこむから、思い切り突っ込んで、


小嶋:なでしこジャパンのキャプテン、小笠原?


大森:ディフェンスは、私と平田にまかせて、

平田:これが最後のチャンスになるね。


小嶋:大森に、平田? テレビのサッカー番組で観ていた有名選手と同じピッチに立っている私・・・。


小笠原:小嶋? わかった。

小嶋:うん、わかった。

小笠原:あんたの右足に、賭ける!


小嶋:私は必死に走った。何かよくわからない力が私の背中を押した。


小笠原:小嶋!!頼んだ!


小嶋:センタリングがあがった。その綺麗な放物線に私は右足を、合わせる。


小嶋:やったー! ゴーーーーーール!!

小笠原・大森・平田:小嶋!!


小嶋:走り寄るメンバーたち。私たちは抱き合う。泣く。そして笑う。勝った!私たちは、勝った!!


小嶋:夢からさめても、私はあの感動を覚えていた。風を切って走る疾走感!ボールを蹴る感触、ゴールしたときの、今まで味わったことのない達成感! 突然、私は思った。そうだ、私、サッカー選手になろう。なでしこジャパンに入って、最高の舞台で、ゴールしよう! 私は地元の女子サッカーリーグに入り、中学でもサッカーをやった。そして、そしてついに私は・・・。


ナレーション:ここは、女子サッカー日本代表、なでしこジャパンの練習グラウンド。


監督:おらおら、そんなんじゃ世界一になれんぞ、もっと考えて動け!


平田:監督、

監督:どうした平田、

平田:また、来てますけど、

監督:え?

平田:自分のプレーを見てほしいって、例の、

監督:無視しておけ。

平田:でも、横でちょろちょろされたら気になって。

小笠原:一度、見てあげたらどうですか?

監督:小笠原、

小笠原:あの子、私、知ってますよ。女子中学サッカーで活躍してる、小嶋真子。

監督:中学生か。

大森:一度、レベルの違いを見せてやりましょう。

監督:おまえたちがそこまで言うなら・・・。


小嶋:ついにチャンスがやってきた。私の想いが通じた。


監督:小嶋さん、と言ったかな。いいか、平田、大森、そして小笠原をかわしてシュートできたら認めてやろう。

小嶋:ありがとうございます!

監督:チャンスは三回だ。

小嶋:はい!


小嶋:私は、どこかで自分の力を過信していた。あの夢の感触があったから。私の座右の銘は、やろうと思わなければ何も始まらない!


監督:さあ、いくぞ!


小嶋:私は走りだした。ドリブルは得意だった。誰も私を止められない、


小嶋:え!?

大森:さあ、どうした?

平田:私たちを抜いてみて、


小嶋:でかい、まるで壁のように立ちはだかるディフェンス、これが、プロのすごさなのか! すきが・・・ない!


大森:どうしたの? お嬢ちゃん、

平田:さっきまでの自信たっぷりな感じはどこにいったの?


小嶋:大丈夫、行ける、私はやれる!


小嶋:えい!

平田・大森:あっ!!


小嶋:抜いた!!


小笠原:さぁ、今度は私がお相手するよ、


小嶋:キャプテンの小笠原茉由!!


小笠原:さあ、思い切りやってごらん!


小嶋:ここは必殺、てんとうむChu!・フェイントをやるしかない。


ナレーション:説明しよう! てんとうむChu!・フェイントとは、小嶋真子が考え出した、必殺技である。テントウムシが飛び上がるように、ふわっとボールを浮かして相手の後ろにボールを落とし、すばやくトラップ。小嶋は今まで、誰にもこの技を破られたことはなかった。


小嶋:てんとうむChu!!

小笠原:はいはい。

小嶋:え?


小嶋:あっさり、とられた・・・。


小嶋:はあ、はあ、

監督:どうだ、気がすんだか?


小嶋:三回とも、ダメだった。私がいちばん悔しかったのは、負けたことじゃない。手加減されたことだ。自分がいかに未熟だったか、骨身にしみた。


監督:顔をあらって出直して来い!

小嶋:・・・はい。

小笠原:あ、小嶋さん、

小嶋:はい。

小笠原:あのフェイントは、面白かったわ。

小嶋:え?

小笠原:右足で上げる前に、左足でワンタッチするといいかも。

小嶋:小笠原さん・・・。

小笠原:待ってるわ。

小嶋:はい。

小笠原:ひとつだけ覚えておいて。どんな世界でも一流になるためには、翼はいらないの。一足飛びにうまくなったりしない。羽が生えてなくても、地道にひたすら地味な練習をしたものにだけ、光はあたるから。

小嶋:はい。ありがとうございます!


小嶋:私は、誓った。もう一度、ここに帰ってくる。もっともっと練習して、もっともっと鍛えて、小学生のときに見た夢を、実現するために!


小嶋:やった!!ゴーーーーーール!!

小笠原・大森・平田:小嶋!!

収録後のワンショット

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