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2016年520日放送 午後1000分~NHK-FM

放送一覧

『ミルキーの決断』

原案:渡辺美優紀、白間美瑠、太田夢莉

脚本:北阪昌人

★参考:じゅんな、オリオン座流星群

出演

渡辺美優紀、白間美瑠、太田夢莉、山寺宏一

あらすじ

大阪のなんばにあるラジオ局、NMB放送。今、この放送局で最も人気があるのは、美しすぎるパーソナリティ、みるくやま・みるく。通称、ミルキー。彼女の切れ味するどい人生相談コーナーに殺到する若者は、「ミルキスト」と呼ばれ、社会現象にまでなっていた。しかし…。

人物相関図

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ナレーション:ここは、大阪のなんばにあるラジオ局、NMB放送。今、この放送局で最も人気があるのは、美しすぎるパーソナリティ、みるくやま・みるく。通称、ミルキー。彼女の切れ味するどい人生相談コーナーに殺到する若者は、「ミルキスト」と呼ばれ、社会現象にまでなっていた。


ミルキー:え? やめなあかんで、そんな男、ふりなさい、ふってしまいなさい。ええか? 男なんちゅーもんは、捨てたら捨てただけ、寄ってくるもんや!

白間美瑠雄:いやあ、おつかれやまでございます、ミルキーはん。

ミルキー:おつかれさま、白間ちゃん。

白間美瑠雄:今夜のミルキーも最高やったでえ、切れ味抜群。買ったばかりのハサミみたい。

ミルキー:おもんないなあ。

白間美瑠雄:すんません。数字もとれてるし、スポンサーもうっはうは。いうことおまへん。

ミルキー:で、考えてくれたん?

白間美瑠雄:え? え? なんやったっけ?

ミルキー:ええ? 冗談は顔だけにしてほしいわ、自分、言うてたやん。一か月くらい、休みやるさかい、連休中は特番でがんばって!って。休み、くれるんとちゃうの?

白間美瑠雄:ああ、ああ、休みな。そうやな、うん、考えとく、うん、考えとくわあ。


ミルキー:プロデューサーの白間美瑠雄さんは、いっつも口だけ。調子がよくて、なんにも考えてない。私、みるくやま・みるくは、思っていた。こんな放送、全部、嘘っぱちだ! 本当は、私の言葉は、私じゃない、


太田ゆり子:ミルキーさん、おつかれさまです。

ミルキー:ああ、太田、おつかれ。

太田ゆり子:私、下に車、回しておきます。

ミルキー:ああ、よろしく。


ミルキー:私の付き人、太田ゆり子。実は、私の言葉は、全部、太田が書いている。そう、私のゴースト。私は、からっぽ。ただの器。中身がない。もう嫌だ、私は、いよいよ反乱を起こそうと思っていた。春の、嵐!


ナレーション:ここ、大阪のなんばにあるNMB放送では、ミルキーこと、みるくやま・みるくが、いつものように、ラジオの前で吠えていました。


ミルキー:私は思うねん、みんな自分に自信なさすぎ! いいか? 自分が自分見捨てたら、誰が守ってくれるん? まわりのひとは、みんないろいろいうてくる。それいちいち気にしてたら、前に踏み出せなくなるよ。もっと胸張って、自信もって、いいか? もし、不安になったら、みるくやま・みるく、そう、ミルキーのこと、思い出して!!

ディレクター:いやあ、さえてるねえ、今夜も。ミルキー最高!

ミルキー:ありがとうございます。

ディレクター:曲締めしたら、もう一通メール読もうか。

ミルキー:はい!


ナレーション:番組が終わったあと、ミルキーは、プロデューサーの白間、付き人の太田と三人で、放送局の屋上にいました。


白間美瑠雄:ゴースト? どういうことや?

ミルキー:オンエアで話してた言葉は、全部、この太田が書いた言葉なんです。

白間美瑠雄:ほんまなんか?

太田ゆり子:それは・・・。

白間美瑠雄:ほんまにそうなんか?

太田ゆり子:まあ、

ミルキー:もうやめます、わたし。カッコいいこと言うてるけど、ちっとも私の言葉じゃない。

白間美瑠雄:それは違うで、ミルキー。

ミルキー:え?

白間美瑠雄:誰の言葉であっても、伝えてるのは、あんたの声や、あんたの熱量、あんたの魂や。ラジオはなあ、何を言うかも大事やけど、誰が言うかが大切なんや。

ミルキー:これからは、太田をパーソナリティとして育ててやってください、白間さん!

太田ゆり子:ミルキーさん、私は、

ミルキー:太田、私、知ってんで。あんたいっつも練習してるんやろ? 空いた時間、しゃべりの練習、してるんやろ?

太田ゆり子:それは、・・・そうですけど。

ミルキー:自分で書いた言葉、自分でしゃべってみい。

太田ゆり子:ミルキーさん・・・。

白間美瑠雄:あかんあかん、これだけの人気番組、あかんあかん、やめるなんて、絶対あかん。

ミルキー:私、もう決めた。

太田ゆり子:ちょっと待ってください!!

ミルキー:太田、どないしたん、大きな声出して。

太田ゆり子:ミルキーさん、違うんです。

ミルキー:え? 何が違うねん?

太田ゆり子:ミルキーさんの言葉、なんです。全部。

ミルキー:え?

太田ゆり子:私が運転する車で、ミルキーさん、いっつも寝ますよね。

ミルキー:まあなあ、

太田ゆり子:そんとき、ミルキーさん、めっちゃ寝言、いいはるんです。

ミルキー:ええ?

太田ゆり子:それを私、録音して、書き起こして、翌日渡すんです、ミルキーさんに。ほんとのこと言いたかったんですけど、あんまりミルキーさんが私のこと、ほめてくれるんで、気持ちよくなって。

ミルキー:まさか、そんなこと、自分で言うといて忘れるなんて、

太田ゆり子:じゃあ、これ、聴いてください。

ミルキー:私は思うねん、みんな自分に自信なさすぎ! いいか? 自分が自分見捨てたら、誰が守ってくれるん? まわりのひとは、みんないろいろいうてくる。それいちいち気にしてたら、前に踏み出せなくなるよ。もっと胸張って、自信もって、いいか? もし、不安になったら、みるくやま・みるく、そう、ミルキーのこと、思い出して!!

太田ゆり子:ごめんなさい!! 私が・・・もっと早く私が正直にいってたら。

白間美瑠雄:はははは、いやあ、すごいなあ、つくづくすごいなあ、みるくやま・みるく、あっぱれや!

ミルキー:こんなことって、あるんや・・・。でもなあ、太田、

太田ゆり子:はい。

ミルキー:もう原稿はいらない。自分の言葉でちゃんとしゃべるわ。

太田ゆり子:はい。

ミルキー:おおきに、ありがとう。

太田ゆり子:はい。


ナレーション:立ち去っていくミルキーを、白間と太田が見送りました。


白間美瑠雄:ははは、よう芝居うったなあ。

太田ゆり子:え?

白間美瑠雄:さっきの録音、あれ、ラジオからとったんやな?

太田ゆり子:白間さん・・・。

白間美瑠雄:太田、

太田ゆり子:はい。

白間美瑠雄:オレは口だけの男やさかい、まあ、聞くだけ聞いといて、

太田ゆり子:はい。

白間美瑠雄:いつか、おまえの番組、持たしたるわ。

太田ゆり子:はい。ありがとうございます!

白間美瑠雄:おそらく、ミルキーも、気づいとる。おまえの芝居に。

ミルキー:さあ、今夜もびしびしいくで~! いいか、まずは、ひとをちゃんと愛してください。そしたら、今度は、誰が自分を大切にしてくれてんのか、心の目で、見つめてください! あんたを大切にしてくれてるひと、ちゃんと隣におるから。

収録後のワンショット

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