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2016年56日放送 午後1000分~NHK-FM

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『お嬢様さやかのらしくない日常(たこ焼き屋さん・アルバイト編)』

原案:山本彩、上西恵、吉田朱里

脚本:北阪昌人

★参考:みるきー神推しのまゆきー、ハンパないマシュマロ

出演

山本彩、上西恵、吉田朱里、山寺宏一

あらすじ

とんでもない大富豪のとんでもないお嬢様、無茶小路さやか。ある日、さやかお嬢様と執事の上西は、道で倒れていたたこ焼き屋のアルバイト店員・吉田を助ける。大型連休前で徹夜が続いている吉田に代わり、バイトをすると勝手に決めたさやかは、吉田が働くたこ焼き屋を訪れ・・・

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:一台のリムジンが、ゆっくりと大阪、難波の街を走っています。それはまるで海の底をさまようジンベイザメ。ピカピカに磨かれた黒塗りのボディが、春の朝陽を跳ね返しています。そのとてつもなくでかいクルマに乗っているのは、大富豪、無茶小路家の令嬢、さやか。


さやか:たまには、こうして街中を走るのも悪くないわねえ、上西、

上西:はい、お嬢様。お嬢様はいつもヘリか自家用ジェットにしかお乗りになりませんから。


ナレーション:リムジンを運転しているのが、お嬢様さやかの執事、上西恵。彼女のスーツには、ヘビの模様が気味悪く描かれていました。


さやか:上西、

上西:はい、さやかお嬢様、

さやか:そのスーツ、やめなさいと言ったはずでしょ?

上西:はい、お嬢様。でも、私は昔、カナヘビを二匹飼っていたものですから。

さやか:意味がわかりませんが、

上西:はい、すみません。

さやか:ねえ、上西。

上西:はい、お嬢様。

さやか:あの人々は、なぜに、あんなに混んだバスに乗っているのですか?

上西:ええ、朝の通学、通勤というのは、ああいうものなんです。電車やバスが、混み合うのです。

さやか:どうして?

上西:みんな乗る時間が一緒だからです。

さやか:ばらばらに学校や会社に出ていいことにすればよろしいのでは?

上西:おっしゃるとおりです。でも、同じ時間に集まり、同じ時間に解散する、それが学校や会社のルール、ですから。

さやか:自分の家の敷地に、学校や会社を作ってしまえばいいのに。ね?

上西:いやいや、ね?とか言われましても、そんな広い敷地などふつうはちょっと、しかも建設費用だってバカにはなりませんし、

さやか:おだまり!! 上西、口が過ぎますよ。

上西:すみません、

さやか:わたくしの常識は、いつだってスタンダード、なのです。世間がずれているだけ。

上西:そのようなお考えは、その、反感買って、好感度下がって、選挙の順位が、

さやか:おだまり!! わたくしに口ごたえして、クビになった執事は、ごまんといるのですよ。市川とかいう執事も、黄色いスーツが気にくわないので、休ませました。

上西:はい、存じております。

さやか:わたくしが、上西、あなたを気にいっているのはねえ、な~んにも考えていないようなところです。わたくしは、自分に意見する人が大嫌いなのです。

上西:はい。

さやか:あ、上西、

上西:はい、お嬢様、

さやか:あそこを歩く、男性、なんだか楽しそうですが、

サラリーマン:あははははは、もうすぐゴールデンウィーク、うれしいなあ!

上西:ゴールデンウィークがくるのがうれしいのです。

さやか:よくわかりましたね。

上西:私は唇の動きを読む事で言葉がわかるのです。

さやか:なるほど。で? ゴールデンウインクとはどんなウインクですか? こんな感じ?

上西:うわ、お嬢様、めっちゃ両目つぶってますやん。ええ、違います。ゴールデンウィーク、連休が重なるんです。イイ陽気ですし、みんなウキウキです。


ナレーション:信号が青になり、大富豪のお嬢様を乗せたリムジンが走りだそうとしたそのときでした。


さやか:どうかしました?

上西:クルマの前に、女性が倒れています。

さやか:見てきて、上西、

上西:はい。

上西:大丈夫、ですか?

吉田:ええ、大丈夫です。すみません、急にめまいがして、倒れました。

上西:顔が真っ青ですよ。

吉田:大丈夫です。ゴールデンウィーク前で徹夜が続いたからだと、思います。

さやか:どうしたのですか? 上西、

上西:はい、お嬢様、この方が、めまいがすると、

さやか:クルマの中で休ませてあげなさい。

上西:はい、どうぞ。

吉田:いえ、それはできないんです。これからバイトがあるので。

さやか:バイト? 上西、

上西:はい、

さやか:バイトとは、なんですか?

上西:アルバイトのことです。

さやか:ああ、なんかそんなのあったかな?

吉田:実は、あそこの川べりで、たこ焼き屋さんのバイトをやっていまして、今日もシフト、入れているんで。

上西:大変ですね、私も一度やったことあります。

吉田:そうですか。じゃあ、これで。すみませんでした! あああ~


ナレーション:女性は、そこで気を失ってしまいました。今回、大富豪のお嬢様さやかが巻き起こす騒動とは?


ナレーション:リムジンの中で、お嬢様さやかは、勝手に、決めました。


さやか:上西、

上西:はい、お嬢様。

さやか:わたくし、決めました。ゴールデンウインクに、やります。バイト。みんなが休むときに、あえて、働くのです!

上西:ええ?

さやか:そこのアヒル口のあなた、

吉田:は? はあ?

さやか:気がつきましたか?

吉田:はあ、

さやか:わたくしに教えなさい。

吉田:え?

さやか:たこ焼き屋さんでのバイトを。

吉田:え? だって、

さやか:あなたは疲れています。今日は横で見ているだけでいいです。

吉田:そ、そんな・・・。

さやか:上西、

上西:はい、さやかお嬢様。

さやか:川べりに、車をつけて。

上西:はい。


ナレーション:大きなリムジンが、川べりの屋台街にやってきました。みんな、何事かと驚いています。


親父:おい、ちょっとちょっと、こないに大きい車とめられたら、お客さん、入ってこられへんやろ!


ナレーション:そう怒鳴ったのは、たこ焼き屋の親父さん。


吉田:ああ、親父さん、今日、あの、この方が、バイトをやりたいって。

親父:ええ?

さやか:ごきげんよう、無茶小路彩と申します。ゴールデンウインク、働かせていただきますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

親父:ああ? 何や知らん、高そうなワンピース着てますけど、そんな格好やったらめっちゃ汚れますけど、ええんですか?

さやか:上西!

上西:はい、お嬢様。

さやか:車のトランクにあれがあったでしょう、この間、月に旅行したときに着た宇宙服、あれを着るわ。

上西:はっ!

親父:月? 宇宙服?

さやか:あれなら汚れていいですし、酸素も自由に入ってきますので、ご安心を。

吉田:あ、ああ、ほんとに、あるんだ、うわ、着てる、めっちゃ着てる。ワンピの上から着た!

さやか:スーハースーハー、これで大丈夫ですね。

親父:そんなんで、焼くんかいな、たこ焼き・・・。

さやか:どうすればいいですか?

親父:え? あ、ああ、まあ、まずは、この窪みのある鉄板に、こいつを流し込むんや、

さやか:なんだ、簡単ね。ああ、ああ、なるほど~。上西!

上西:はい、お嬢様。

さやか:すぐに、お父様に頼んで、大きな丸い金型を作ってもらって。

上西:はい!

さやか:こんなちっちゃいのをちまちま作っていたら日が暮れてしまうわ。大きなのを一個つくればいいんじゃない? ね? わたくしって、なんか頭がすこぶるいい感じ?

吉田:もはやたこ焼きじゃないし!

上西:五分で届くそうです。

吉田:早っ!

さやか:かかりすぎ、三分にしてって言って。

上西:はっ!あ、来ました!

吉田:ヘリ? ヘリで運ぶの? あ、なんかが、降りてくる・・・うわ、丸い鉄でできた金型!

さやか:そこのあなた。

親父:わしですか?

さやか:大きなのを一個つくれば、手間もかからない。このバイトの女性だって、倒れるほど働かなくていいってものですよ。

親父:なに言うてんねん。

さやか:上西、

上西:はい、お嬢様!

さやか:この服、暑い。脱ぎたい。

上西:はい、すぐ、とります。

さやか:ふ~。さあ、あなた、焼いてごらんなさい。

吉田:え? わたし、ですか?

さやか:とびきり大きなたこ焼きとやらを、さあ、焼いてごらんなさい!

吉田:はい!

吉田:ひっくり返すのが、ひとくろう・・・えい! やああ~~~~~!


ナレーション:そうして、くす玉のようなたこ焼きができあがりました。


吉田:す、すごい・・・。

さやか:ちょっと試食してみましょうか。上西!

上西:はい!

さやか:さあ、みなさんも、どうぞ、さあ、どうぞ!!


ナレーション:まわりで何事かと見物していたひとたちにも、さやかお嬢様は声をかけました。


さやか:さあ、めしあがれ、わたくしがつくったんですよ。

上西:せんえつながら、さやかお嬢様は何も・・・。

さやか:おだまり!

上西:ひえっ!


ナレーション:その大きなたこ焼きは、口コミで評判となり・・・。


親父:へい、らっしゃい。まいど、おおきに!

吉田:ご家族で、友達同士で、でっかいたこ焼き、いかがですか?


ナレーション:マスコミの取材も入り、大人気店になりました。


さやか:ゴールデンウインクは、これでうまくいきそうね。

親父:いやあ、ありがとうございます!

吉田:ありがとうございます!

さやか:さあ、上西、行きましょう。

上西:はい、お嬢様。

さやか:ところで、なんだっけ、ゴールデンウインクって。

上西:ですから、ウインクじゃなく、ウィーク。

さやか:いい季節よね、緑が綺麗で。

上西:はい!

さやか:上西、

上西:はい、お嬢様、

さやか:やっぱりやめてちょうだい。

上西:ええ? もう首ですか?

さやか:違うわよ、その蛇柄のスーツ。

上西:はい、わかりました!

さやか:ああ、今度はどんなバイト、やろうかしら。おほほほ。

収録後のワンショット

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