紀の国みてある記「取材日記」

紀の国みてある記「取材日記」 紀の国みてある記「取材日記」

 

キャスター紹介

柳真希 柳 真希
(たかやなぎ まき)
和歌山の元気をお届けします!
小野忍 小野 忍
(おの しのぶ)
全国に誇れる和歌山の情報をお届けします!
門脇瑛子 門脇 瑛子
(かどわき えいこ)
「笑う門脇には福来る」 をモットーに県内各地を飛び回ります!


 
   
 

平成20年度バックナンバー

平成21年 3月

平成21年 2月

平成21年 1月

平成20年12月

平成20年11月

平成20年10月

平成20年 9月

平成20年 8月

平成20年 7月

平成20年 6月

平成20年 5月

平成20年 4月

  平成22年度へ
  平成21年度へ
 

平成19年度へ

   
   
 

わかやまNEWSウェーブ

ぐるっと関西おひるまえ



















Copyright NHK(Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可無く転載することを禁じます。
「復活した和紙に込める思い(龍神村)」平成21年1月27日(火)放送 リポート:門脇瑛子 リポート:門脇瑛子

田辺市龍神村の日高川流域は、古くから紙の原料・楮(こうぞ)の産地です。
この地域ですかれる和紙は「山路紙(さんじがみ)」と呼ばれ、戦後、いったんとだえてしまっていました。
しかし、25年前、大阪で美術を教えていた奥野誠(おくの・まこと)さんが、創作活動の拠点として龍神村を選び、伝統の紙すきに注目して、独学で復活させたそうです。
17年前からは、地元の小学校が、奥野さんの指導を受けながら、山路紙で卒業証書を作っています。
田辺市立東小学校は、ことし4月から近隣の小学校と合併することが決まっています。
最後の卒業生となる6年生の6人が頑張ってオリジナルの卒業証書作りに取り組んでいました。

山路紙(さんじがみ) 龍神村で作られている和紙・山路紙(さんじがみ)です。
厚手で、丈夫なことが特徴です。

左側が、障子用にすかれた紙。
混じりけのない白さが特徴です。
右側は「たて紙」と言い、原料となる植物、こうぞの表皮などが入った、少し黄みがかった紙です。


山路紙は、かつて「たて」と呼ばれた袋の材料として使われていました。
お茶の葉や干ししいたけを保存していたそうです。

奥野誠さん


その山路紙を現在に復活させたのが、
奥野誠(おくの・まこと)さん。

山路紙を初めて見たとき、「昔、ここで紙をすいていた人のエネルギーが紙から伝わってきた。昔の村の暮らしに触れた気がした」そうです。

トロロアオイの根



材料のほとんどは、地元の山から採取するか、自分で栽培しています。
これは、トロロアオイという植物の根です。
水に数時間つけておくと粘りけのある液体が出てきます。

奥野さんの作品「ひとつの雲」


奥野さんは山路紙を復活させただけではなく、新しい作品作りにも取り組んでいます。

あい染めをベースに、大きくすいた一枚の和紙。
絵画のような、びょうぶです。

こうぞの皮をはぐ子どもたち
毎年この時期、地元の小学校に通う子どもたちは、山路紙の卒業証書を、一から手作りしています。

まず、原料となるこうぞの皮をていねいにはいでいきます。
このこうぞも、子どもたちが自分で採取してきました。

緊張する〜




木の灰の灰汁(あく)でたいたこうぞを、何度もたたくことによって、繊維状にしていき、さきほどのトロロアオイやこうぞの繊維を入れたら・・・さぁ紙をすいていきます!


卒業証書




つるをモチーフにした校章の型紙が透かし模様になるのですが、見えますでしょうか?


完成するとこのようになります。

奥野さんと子どもたち

ちなみに紙をすいたあと、校長先生が筆を入れるそうなんですが、貴重な一枚なので、失敗できないと・・。
卒業証書は、一生に一枚ですからね。
さぞかし緊張されることでしょう。
手作りの卒業証書は、和紙をすいていた村の伝統を子どもたちが忘れないということにつながるのかもしれません。

ページの上へ



「能から学ぶ 芸の心(紀美野町)」平成21年1月20日(火)放送 リポート:高柳真希 リポート:門脇瑛子

今回は、紀美野町に2年前に開校した、舞台芸術の基本を学ぶ高等専修学校を訪ねました。
生徒は週に一回、全員必修で「伝統文化」の授業を受けています。
三味線や日本舞踊などさまざまな芸能が教えられ、講師も和歌山県で活動する伝統芸能のプロが招かれています。
取材に訪れた今回は能楽の舞と謡を学んでいました。
伝統文化の授業は、将来ミュージカルスターや俳優を目指す生徒の皆さんにとってさまざまな刺激となっているようです。
生徒の皆さんが能楽の練習に励む姿を通し、日本の伝統芸能の魅力をお伝えしました。

山道をぐんぐんと進んでいくと学校があります。

クネクネの山道をぐんぐん進んでいくと学校があります。
紀美野町の学校の周りには、雪がうっすらと積もるほど冷え込んでいました。


学校では一般教養のほかにも、ダンスや日本舞踊など舞台芸術を専門的に学んでいます。

タップダンス


まずはタップダンス。


全校生徒18人のステップがピッタリと合っています。
表情も生き生きとしていて、見ているわたしも楽しくなりました。

松井俊介さん




次の時間は伝統文化の授業。
みんな和服に着替えて能楽を学びます。
講師は県内で活動する喜多流能楽師の松井俊介(まついしゅんすけ)さん。

舞の基本「すり足」


まずは舞の基本「すり足」から。


ひざを軽く曲げて、床にかかとを押しつけるようにして歩きます。
腰がぶれないように意識すると不自然な歩きになってしまいます。

松井さんは「能は静かな動きが多い。だからこそ、一つ一つの体の動きに気を込めて。」と指導していました。
わたしも「すり足」を体験してみたのですが、
いつも使わない筋肉を使いながら歩くので全身が緊張状態でした。

「寺」の字の横の「中」の記号
能で謡われる謡も学びます。 謡曲の書かれた本には、点や記号がついています。 これは謡の節を示しています。


「寺」の字の横の「中」の記号は、
自分の声の中くらいの高さの声で謡い始めるという意味です。

伝統文化の授業を受けている生徒の皆さん謡いは姿勢も大事。
30分以上も正座での授業です。


生徒の皆さんに、伝統文化の授業で学んだことを聞いてみると、「ダンスのときは「うれしい」、「楽しい」、「激しい」を中心に表現していたけれど、能ではゆっくりとした動きなので、「もの悲しさ」なども伝えられる。表現の幅が広がった」と話してくれました。

舞台で活躍したいと思っている生徒たちにとって、日本文化を学ぶことは自信になっているようです。

知っているようで知らない日本の文化の魅力に気づいた一日でした。
ありがとうございました。

ページの上へ



「300年の伝統 紀州タンス(和歌山市)」平成21年1月13日(火)放送 リポート:小野忍 リポート:小野忍

お正月や成人式に着物を着た方もいらしたのでは?
和歌山では、大切な服を収納する家具「紀州タンス」が江戸時代から作られています。
すべてきりで作られたタンスは、職人さんの技の結晶。
国指定の伝統工芸品の1つにも指定されています。
作る技術の伝承と、新しい紀州タンスの可能性をリポートしました。

1つの引き出しを閉めると、もう1つの引き出しが飛び出します。
1つの引き出しを閉めると、もう1つの引き出しが飛び出す・・・
中の空気の逃げ場がないほど、本体と引き出しがぴったり合わさった
「紀州タンス」のすごいところです!

組み合わせと削り紀州タンスは、職人さんが手作業で1つ1つのパーツをていねいに作っています。
切り出した木材どうしをぴったりと組み合わせて、引き出しを作り、10種類以上のカンナを使い分けて、タンスの枠にまっすぐ合わせていきます。

空気が漏れる透き間もなく収まるのは、職人さんの経験と勘がなせる技。
簡単には身につくものではありません。

長谷川さんと職人さん
取材に訪れた工場で、この春からタンス職人の世界に飛び込む、技術専門学生の長谷川貴章(はせがわ・たかあき)さんの見習い体験を見せてもらいました。

一生懸命に職人さんの手もとを見つめながら、未来のタンス職人への決意を固めていました。

新しい紀州タンス
新しい紀州タンスの開発も行われています!


伝統の技術を大切にしながら、部屋を飾るインテリアとしてのタンスが登場しています。
漆塗り、まき絵、朱色のきれいなタンスなどバリエーションも豊富!

新しい人材に、新しいデザイン、伝統を守るだけでなく、
未来の紀州タンスを作っていこうという現場の熱意を感じました。
これからも和歌山の誇る伝統工芸「紀州タンス」の技は受け継がれていきます。

ページの上へ



「切符と光で、がんばれ受験生(橋本市)」平成21年1月6日(火)放送 リポート:門脇瑛子 リポート:門脇瑛子

県北部の橋本市にある南海高野線・学文路(かむろ)駅。
この時期は、毎年恒例の「5枚入り入場券」を求めて連日多くの受験生や保護者が訪れています。
「ご(5)枚入り 入場券 学文路駅」、それぞれ最初の文字で「ご入学」となることから、縁起物として親しまれているのです。
さらに、日が暮れると、駅周辺に盛大なイルミネーションが出現。
高さ20メートルもある巨大なクリスマスツリーをはじめ、3万個の電球やLEDによって駅の一角がおとぎの国のように瞬きます。
リポートでは、イルミネーションに参加している紀北工業高校を訪ね、作品の完成から飾りつけ、ライトアップに至るまでを取材。
学文路駅を舞台に繰り広げられる、地域の輪をお伝えしました。

1日の平均乗降客がおよそ800人という小さな駅・学文路(かむろ)駅。
「学問(文)の路(みち)」という名のとおり学問にゆかりのある駅で、
学文路駅には、この時期、人気を集める名物があります。
それがこの入場券。

学文路駅入場券




デザインは、毎年異なります。


ことしは「肩の力を抜いて実力を十分に発揮してほしい」という願いを込めて
「合格」→「五角」で、五角形の絵馬の形をした物になりました。

さらに、学文路駅に行くと「すべらない砂」ももらえます。
電車が急こう配を登るときに、車輪が滑らないように線路にまくもので、その名のとおり、「すべらない砂」です。
いずれもゲンを担ぐ受験生には心強い味方ですね。

これらは、ただのごろ合わせではありませんよ。
駅の近くには学文路天満宮(学問の神様、菅原道真がまつられています)があって、そこでの祈とうを受けています。

駅員さんによると、受験生本人というより、ほとんどがプレゼントとして買いに来るそうで、この日も、受験生の保護者の皆さんがたくさん訪れていました。

そして学文路駅周辺は、夜になると・・。

夜の学文路駅周辺






光きらめく場所に変わります。

紀北工業高校の電波研究部




学文路駅の近くにある紀北工業高校の電波研究部の7人も駅のイルミネーションに参加しています。
2か月かけて作ってきた力作です。

銅線が複雑に絡み合っているでしょ。
配線ひとつひとつ、ハンダ付けをしていきます。
見た目はつながっていても、電流が通っていないこともあるそうです。
だから、ひとつひとつきちんと電流が流れているのか確認をします。
とても地道な作業です。

発光ダイオード


銅線でつながっている、黄色や赤い色をした丸いポチポチは、今話題の発光ダイオード。


LEDとも呼ばれています。
電球に比べて、消費電力が少ないのに明るいのが特徴です。
これを、1900個も使っています!

これが紀北工業高校の作品「桜の木」です。
5つの色と点灯する時間差で、桜の木による季節の移り変わりを表現しました。
紀北工業高校の作品「桜の木」

春になって花が咲きます。秋には紅葉。冬には深々と降り積もる雪の光です。

今回、取材をさせていただいて、わたしが印象に残ったのは、学文路の地域の方の温かさです。

学文路地域の方々


「点灯されるのを心待ちにしていた」と話してくださったおじいさん。


「イルミネーションのおかげでみんなが暖かい気持で駅を降りて来れる」と話してくださった保護者の方。


イルミネーションの作り手だけではなく、地域みんなが、この時間を楽しみにしているようです。
子どもたちの心には、大人になってもこのイルミネーションの輝きが残るのでしょうね。

ページの上へ

和歌山放送局トップへ