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海なし県で水産を学ぶ!栃木県立馬頭高校

  • 2023年12月18日

栃木出身の作家・村崎なぎこさんが手がけた小説「ナカスイ!海なし県の水産高校」。ことし3月に発売されると県内外で話題を呼び、このほど続編も刊行されました。この物語のモデルになったのは、那珂川町にある栃木県立馬頭高校の水産科です。小説に負けないくらいユニークな学校生活を取材しました。

(NHK宇都宮放送局キャスター 川島加奈代)

小説のモデルに!海なし県の高校に水産科?

あゆの遡上で有名な那珂川が流れる、自然豊かな那珂川町。

こちらの小説のモデルになったのは、栃木県立馬頭高校の水産科です。
3学年でおよそ50人が学んでいます。

実習場の池ではウグイやチョウザメ、金魚などさまざまな淡水魚を養殖しています。

内陸県の高校としては全国で唯一、水産科がある馬頭高校。
淡水の生き物やその生息環境、食品加工など、内水面に関するあらゆることを学べるのが特色です。

那珂川の恵みを受けて「内水面」を専門的に学ぶ!

馬頭高校で養殖の際に使っている水は、那珂川支流のものです。

この日は、1年生が、那珂川を管轄する河川国道事務所の水質調査に参加しました。

浮遊物や匂いなどを確認

住んでいる生き物から、那珂川の水質を調べます。

「これなんだ?」「オニヤンマ系のヤゴ」
「アメリカツノウズムシが1、これね」

採集した生き物から、那珂川は「生物の生息環境として非常に良好」で、川に入って遊びやすいということもわかりました。

地元出身の1年生

魚が少ないかなと思ったんですけど、魚が少ないわけじゃなくて、いる場所を自分がわかっていなかったのかなと思いました。
自然環境についてより深く学んで、後世も川に親しみを持ってもらえるようなそんな環境をつくれるように、馬頭高校で3年間頑張りたいと思います。

県外出身の1年生

自分は魚系がすきなんです。魚を勉強したくて馬頭高校に来ました。
将来養殖業に就きたいので馬頭高校で養殖の勉強をしたいです。

県立馬頭高校水産科教諭 長山佐知子さん

養殖を行ううえで一番基礎となるのは水なので、そのおおもとについて意識を高く持って学んでもらっているのはすごくいいことなのかなと。内水面、川という環境に対して深い知識を身につけて、自分の活躍できる分野で活躍している子たちが多いことが、やっぱり馬頭高校の一番の魅力じゃないかなと思います。

自由でマニアックな研究!それぞれの興味に向かって

学年が上がると、自分たちで決めたテーマに沿って研究を進めていきます。

3年生の「課題研究」の授業です。こちらの班は、ウナギの完全養殖を研究しています。

3年生

実習場内で繁殖、養殖が全部できれば。後輩たちの代でもつないでいって馬頭高校のブランド品として扱えるようになったら、自分としてはいいと思っています。

魚をとる網を研究している班も。

3年生

網の一番負荷がかかりやすい場所の強度をあげるための作業です。

こちらは淡水二枚貝について。研究テーマは多岐にわたります。

生徒たちの研究から、さまざまな商品も誕生しました。

生徒が開発した商品にインスピレーションを受けた料理は、小説「ナカスイ!」にも登場。
主人公がオリジナル料理の開発に奮闘するシーンは物語の見どころになっています。

学びの成果を広める機会でもある文化祭が、ことし4年ぶりに一般公開されました。

水産科ならではの催しが盛りだくさんです。

生徒が手作りした塗り絵

学校で養殖している魚も大活躍!

祭りの定番!金魚すくい

水槽の展示コーナーも設けられました。

訪れた人からの質問にも、しっかりと答えていました。

「ベステルチョウザメという種類です。大きいチョウザメと小さいチョウザメを掛け合わせた種類で卵がいっぱいとれて・・・」

そして那珂川の名物。学校で養殖したあゆの塩焼きも、おいしいと評判です。

ちゃんと卵も入っていてうまいです。やっぱり、ひとあじちがいます!

オリジナル商品の販売ブースには行列が!

チョウザメのペペロンチーノは、キャビアをとったメスの個体も再利用しているのがすごいなと。これは絶対食べたいと思いました。

みんな楽しそうで、ことしは小説にもなったりして。長くあり続けてほしい学校だなと思います。

「頑張ってね!」

3年生

一生懸命いいものを届けたいという一心で頑張っているので、すごくうれしい気持ちでいっぱいです。

馬頭高校で学んできてどのように感じているか、3年生に聞きました。

3年生

間違ってなかったかなって感じはしていますね。やっぱり淡水魚が好きな人だったらここに来て勉強するのがいいかなと思います。

3年生

馬頭高校に来てわたしは人生が大きく変わりました。3年間で学んだことを生かして、より深く水産や内水面についてもっと学びたいなと思っています。


馬頭高校水産科は全国から生徒を募集していて、下宿先も案内しています。水産の分野は幅広いですが、淡水、内水面に特化して学べる学科が設けられている高校は、全国でも類を見ないということです。自身の興味のあることを追求するみなさんは、いきいきとしていて、とても輝いていました。
取材にご協力いただきありがとうございました!

  • 川島加奈代

    宇都宮放送局 キャスター

    川島加奈代

    北海道出身。
    趣味は短歌(日記感覚で楽しく詠んでいます!)

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