色は薄いオレンジや淡いベージュ。 |
そんな萩焼だからこそ大ファン、というのが浜田陽子さん。 浜田「萩焼はシンプルで地味目な色が多いので、彩り豊かな物を入れるとどちらも引き立つ。萩焼のシンプルな良さも引き立つし、料理の鮮やかさもよりおいしそうに見える。」 |
萩焼のふるさとは、山口県の萩。 |
「戦には敗れても、焼き物では誰にも負けたくない。」 |
壱のツボ ひびから生まれる「萩の七化け」
陶器は、素焼きや乾燥させた土の器に釉薬(ゆうやく)をかけ焼き上げます。この時、釉薬は土よりも縮み方が大きいため、貫入(かんにゅう)とよばれるひびが入ります。 ひとつ目のツボ、 |
萩から南へ60キロ。 |
砂がふんだんに含まれ、粒子が荒いのが特徴の大道土。焼きあげる時、砂と土では収縮率が違うため、生地の中にも隙間が生まれます。 |
この土には、乱世を生きた、一人の武将の意地が秘められていました。毛利輝元(てるもと)。 |
萩焼の陶工たちは七化けの魅力を生み出すため、大道土をベースに工夫を重ねてきました。 |
長州の人々の焼き物作りにかけた意地。 |
弐のツボ 高台は萩焼の顔
器の底にある高台(こうだい)。 ふたつ目のツボ、 |
陶芸研究家の黒田草臣(くさおみ)さんは、陶工の創意工夫がこの高台に現れているといいます。 黒田「個性が一番発揮できるのが高台だと思うんです。一発で切り込みを入れた時の勢いを感じさせるといいんです。いろんな種類の高台を作るわけです。それは楽しみながら作っていると思います。」 |
萩焼の特徴である高台は、朝鮮半島からもたらされました。萩焼のお手本となった高麗茶わんは伝統的な青銅器の形を継承したもの。 |
萩焼の陶工たちは、手本とした高麗茶わんの特徴的な部分だった高台に関心を持ち、自分なりのアレンジを加えます。やがていくつかのパターンが定着します。 |
一方、こちらは、高台を十文字に割った「割高台(わりこうだい)」。 |
江戸時代、高台の工夫は茶の湯の発展と共に多くの人にめでられるようになります。 |
今も陶工にとって高台は工夫のしどころ。 |
参のツボ 窮地を救った雪の白
江戸時代、長州藩の御用窯で焼かれていた萩焼。しかし、明治維新で藩の後ろ盾を失います。 |
昭和初期、そのピンチを救ったものがあります。 3つ目のツボ、 |
その陶工の名は、10代三輪休雪(きゅうせつ)。 |
そんな中、休雪が注目したものがこちら。 |
これまでの萩焼の白は、わらを灰色になるまで燃やした釉薬によって生み出されていました。 |
現在の三輪家当主、12代三輪休雪さんは、あくなき執念に加え、時代の好みを見抜く目があったからこそ、萩焼の復活が果たされたと考えます。 12代休雪「昔の萩焼というイメージはみんなびわ色が中心でしたから。ところが10代休雪の研究でこうなってきたら、本当にあっという間に白で代表されるようになりましたね。やはり時代の感覚、世の中の人の感覚というものが明快なものの方に来た感じもします」 |
さらに10代休雪は、土見せという表現も編み出します。 |
1970年、10代休雪は廃れかけた伝統ある萩焼を継承し伝えたことが認められ、人間国宝に指定されました。そのときの言葉です。 10代休雪「とにかく田舎窯扱いされてきた萩焼が愛しゅうてのう。今度の指定で、萩も中央で認められたという感激でいっぱいで…」 逆境を跳ね返そうという一人の陶工の意地が、萩焼の新しい魅力を切り開いたのです。 |
デパートの食器売り場をのぞくことが好きなのですが、
つい「素敵だな~」と立ち止まってしまうのが、萩焼なんです。
どうして好きなんだろう?と考えていたら、子供の頃のことを思い出しました。
おばあちゃんの家にある、枇杷色の萩焼。
子供の頃から、家に遊びに行った時は決まってこの湯飲みでお茶を出してくれました。
柔らかくてあたたかく、どこか可愛らしい雰囲気が大好きだったんです。
高台の切れ目を指でなぞっては、「どうしてここは切れているのかな~?」
なんて、幼い頃に考えていました。
今回の美の壺で、その答えが見つかりました。
茶碗の表面は内側はもちろん、高台の部分にも作り手の創意工夫が込められているのですね!
シンプルながらも、意地の焼き物の真髄を知りました!
楽曲名 | アーティスト名 | 使われた場所 (番組開始後) |
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Moanin' | Art Blakey & The Jazz Messengers | 0分2秒 |
Menuet (Menuet in G Major BWV Anh.114 from "Zweiter Notenbuch der Anna Magdalena") | Ray Kennedy Trio | 0分44秒 |
Retsim B | Chet Baker | 1分13秒 |
Stolen Moment | One For All | 2分55秒 |
Swan Lake | Cyrus Chestnut Trio | 4分16秒 |
Ding Dong | Lester Young | 5分37秒 |
City Sunrise | Ninetymiles | 6分31秒 |
ドルジの人生 | 市原ひかりグループ | 8分30秒 |
George's Dilemma | Clifford Brown | 9分15秒 |
Estate | Walter Lang Trio | 10分50秒 |
I Had The Craziest Dream | Joe Pass | 13分19秒 |
Toccata And Fugue (in Dminor, BWV 565) | Ray Kennedy Trio | 14分56秒 |
Smooth | Eric Alexander? | 15分15秒 |
White Forest | Trisonique | 16分31秒 |
The Nearness Of You | Harry Allen meets Trio Da Paz | 17分53秒 |
Someone To Watch Over Me | 松下美千代 | 20分8秒 |
マイナースイング | ピラニアンズ | 20分40秒 |
Indelible And Nocturnal | Wynton Marsalis | 21分12秒 |
Naima | George Benson | 22分13秒 |
Music For A While | Paul Desmond | 22分56秒 |
An Den Kleinen Radioapparat | Marcin Wasilewski Trio | 26分19秒 |
Menuet (Menuet in G Major BWV Anh.114 from "Zweiter Notenbuch der Anna Magdalena") | Ray Kennedy Trio | 28分34秒 |