港町横浜随一の観光地として知られる横浜中華街。500メートル四方の広さの中に、およそ500軒のレストランや雑貨屋がひしめきます。ここでは、中華街ならではの鮮やかな美に出会うことができます。 |
壱のツボ 色に込めた繁栄の願い
町の中心にあり、『三国志』に登場する武将・関羽が祀られている関帝廟。古くから商人の守り神とされ、中華街の人々が心の拠り所とするお寺です。 |
弓のように反った屋根の上には、目の覚めるような色鮮やかな装飾がほどこされています。そのすべてがガラスを加工して作られています。中国の人たちが好む派手な色。実はそこにはさまざまな意味が隠されています。 |
例えば関帝廟の屋根は、黄色で統一されています。こうした色の選び方にも、町の繁栄の願いが託されているのです。 ひとつ目のツボ、 |
はるか古代から、中国の人にとって色は深い意味を持つものでした。陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」では、万物は、五つの要素から成り立ち、それぞれに固有の色があります。その中心にあるのは土すなわち黄色です。 街の中央に位置する関帝廟は、黄色を基調に作られています。 |
中も、黄色をイメージさせる金箔(きんぱく)がふんだんに使われています。ここでもう一つ目立つのは、赤です。赤は、黄色を補い、より一層の力を引き出すとされる色です。 |
真紅の柱の門に赤い提灯(ちょうちん)がつるされています。赤は、黄色を補い、より一層の力を引き出すとされる色なのです。 |
横浜中華街を彩る鮮やかな赤。そこには、異国の地で困難を克服しながら町を築き上げてきた、華僑たちの強い意志が宿っているのです。 |
弐のツボ 獅子舞は龍馬精神の美学
季節ごとに、催されるにぎやかなお祭りも中華街の魅力の一つ。欠かすことができないのが獅子舞です。 日本の獅子舞の源流に当たると考えられ、邪気を払い、幸運を呼び込む芸能です。 |
音楽に合わせてリズミカルに踊る獅子舞。 |
二人の息が合って初めて生みだされる美しい動き。演者が常に心がけなければならないものがあると言います。 やはりこの、獅子の基本と言うのは『龍馬精神(りゅうませいしん)』ですね、たけだけしく、元気はつらつと。やはり獅子というのは、相手を思いやり、自分に打ち勝つ、困難を克服してゆく、やはりそういう精神があると思うんですね。 |
龍馬とは、中国で躍動感や生命感があふれる様を表す言葉。龍馬精神があってはじめて、見事な動きが生み出されるというのです。 ふたつ目のツボ、 |
中華街の獅子舞は、地域の学校の校庭で練習が行われています。獅子を演じるのはこの学校の卒業生である、二十歳前後の若者たち。週に二度練習をしています。 現在は正月に向け、「梅花椿(メイファーツァン)」という演目を特訓中。高さ3メートルにもなる鉄柱を、山や谷に見立てます。険しい山から足を踏みはずさず、目的に到達できるか、ハラハラ、ドキドキを味わってもらう演目です。 |
参のツボ 幸せをかたどった料理
1月下旬は中華街が1年で最もにぎわいを見せる季節。旧暦の正月、春節を祝う祭りが、2週間にわたって続けられます。 春節には、日本のおせち料理のように工夫を凝らした料理が出されます。 |
縁起がよいとされる食材で、縁起が良い形を作るのが特徴です。 こちらは、中央のカニを鳥の胴に、フカヒレを羽に見立てて、勢い良く羽ばたく姿を表しています。 |
中華街の家々には、中国各地の家庭で作られてきた郷土色豊かな春節料理も伝えられています。 |
形や色に工夫を凝らし、おめでたさを表現する。中華街に伝えられた料理の美です。 3つ目のツボ、
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華僑三世の点心師・梁慶民(りょうけいみん)さん。春節のときにだけ振舞われた特別な点心を作っていただきました。 梁 「通常作っている点心にくらべ、神経を遣うというか、思い入れを込めて作っております。 僕にとって、伝統的なものを作るっていうのは、やはり普段なかなか体験できないものなので、自分の故郷の再確認というところもあるとは思います。」 |
生地に赤を3か所混ぜます。のばすと赤がグラデーションを描き、華やかな色合いになります。さらに、皮をこきざみに刻んで、ウロコの形をつけます。 中に餡(あん)をつつんで金魚の形に。頭としっぽに赤が来て、胴体は白くなるように作ります。中の餡が透けて見えるようにするためです。 |
ヨコには水草を表す点心がそえられます。 餡を包む時、乾燥させた牡蠣(かき)と「髪菜(バッサイ)」という海藻をのせます、牡蠣は、景気の良さを表す縁起物。「髪菜(バッサイ)」も「お金もちになる」という意味を持つ縁起物です。 |
水草の形が添えられることで、金魚の姿が一層際立った新しい点心。一つのせいろの中にいくつもの縁起物が贅沢(ぜいたく)にもりこまれています。 「中国料理の宝石」とされる点心。より華やかで、よりめでたい形に発展しました。 |
美の壺ファンの皆様、あけましておめでとうございます。
今年も「美の壺」をどうぞよろしくお願い致します!
横浜中華街、いかがでしたか?
華やかな雰囲気、エネルギーあふれる街の様子。
私も大好きな場所で年に何度か訪れます。
中華街に行く目的は、やっぱりおいしい料理を頂くこと!
それから、通りをぶらぶら歩いているだけでも楽しいんですよね。
ついついお店に立ち寄ってしまいます。
「お土産に月餅買って帰ろう~。せっかくだからこの中国茶も。それから調味料も、あ、豚まんもおやつに良いなぁ!」
・・・という調子で、帰りには荷物がいっぱいなんてことも。
料理の美はもちろんですが、今回は中華街に宿る“龍馬精神”についても知りました。
「伝統は守りながらも日本と中国がうまく共存する場所になっていきたい」と話して下さった言葉が印象に残っています。
これから春節。いつも以上に街は賑わって華やかになりますね。
あの獅子舞を披露して下さった皆さん、ぜひ本番も頑張って下さい!
楽曲名 | アーティスト名 | 使われた場所 (番組開始後) |
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Sing Sing Sing | Benny Goodman Orchestra | 1分17秒 |
Open Sesame | Freddie Hubbard | 2分22秒 |
Happy Stroll | High Five | 3分41秒 |
C Jam Blues | John Pizzarelli | 5分27秒 |
Joursey Bounce | Claude Williamson | 6分35秒 |
Song To Gayle | Gary Burton & Chick Corea | 7分44秒 |
Shanghai Lil | ガイ・ロムバードと彼の楽団 | 8分53秒 |
On Green Dorphin Street | 橋本一子 | 10分12秒 |
Jelly Roll (Alt Tk) | Charles Mingus | 12分27秒 |
Three Wishes | 小曽根真 | 13分51秒 |
Irresistable You | Steve Grossman | 14分26秒 |
Sweet and Lovely | Eric Alexander | 16分10秒 |
Skating In Sentral Park | 秋吉敏子 | 17分25秒 |
When It's Sleepytime Down South | Wynton Marsalis | 18分19秒 |
I Can't Get Started | Stephane Grappelli | 20分48秒 |
blues For Basie | Joe Pass | 22分5秒 |
I've Never Been In Love Before | 南博トリオ | 24分27秒 |
If I Should Lose You | Herb Ellis | 26分44秒 |
Moonlight Serenade | Glenn Miller Orchestra | 28分19秒 |