壱のツボ リップは誘惑のかたち
まるで純白の蝶のような胡蝶蘭(こちょうらん)。 |
群れ咲く姿が優雅なシンビジウム。 |
そして、あでやかなカトレア。これらは、すべて蘭の一種です。 |
時に「魔性の花」と呼ばれることもある蘭。今日はその魅惑の世界へと御案内しましょう。 小説「青い鳥」の作者で、博物 学者でもあったメーテルリンク。 彼は、蘭の花について、 こんな言葉を残しています。 |
メーテルリンク 「植物の知性が、最も完成度が高く調和のとれた形で表れている」 植物の「知性」とは、いったいどういう意味なのでしょうか。 |
中央に突き出た、リップと呼ばれる花びらです。リップは、大きく複雑な形をしていて、さまざまな模様が入っています。 |
堀江 「やっぱりパッと正面を見て、リップのところがね。本当に細かくきれいについているのとか、どうしてこんなものが自然についているのかなと思う。そういうところに興味を持って描くんじゃないでしょうか、わたし自身」 蘭の花びらでひときわ華やかな「リップ」。 このリップに、メーテルリンクの言う知性が隠されているのです。 一つ目のツボは、
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こちらはカトレアのリップ。奥に行くにつれ色が薄紫から明るい黄色に変わってゆきます。 |
ここでリップの中でも、特に「高度な知性」を感じさせるものをご紹介しましょう。 |
弐のツボ 円にただよう女王の風格
次は、人の手で生み出された蘭の美学に迫ります。 |
およそ100年10世代にわたり他の蘭をかけあわせ、生み出されたのがこちら。花全体が円形となり、まるでドレスをまとった女王のような華やかさをかもしだしています。 ふたつめのツボ、 |
蘭の中でも華やかさでしられるカトレア。 上原 「交配カトレアの魅力は、豪華さですから、形がいい、色が鮮明。特に、形をよくするためには花びらの幅が広い、そして花びらの中央部分が重なり合う、オーバーラップといいますけど、オーバーラップがあることで花に締まりがでてきていいんじゃないかと思います」 |
こちらは、交配によってより円い形になった品種。花びらが同士が見事に重なり合っています。 |
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濃いピンクのリップと薄いピンクの花びらが特徴の「ハッピーバレンタイン」。日本の育種家によって作り出されました。 |
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こちらは、台湾で生まれた品種。 |
そこには、豪華さを目指し工夫を重ねてきた育種家たちの美意識がこめられているのです。 |
参のツボ 野生エネルギーを受け止めよ
インドネシアに咲く原種、バンダ・ジェンナ。赤色の模様が魅力です。 |
驚きましたっ!蘭にこんなにたくさんの色や形があるなんて。それも生き残るための手段だったなんて。地球上の生物は何でも、より良い形を目指して進化してきたんですね。そんな生物の神秘に思いを馳せた回でした。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Black And Tan Fantasy | Duke Ellington And His Orchestra |
Meu Amigo Tom Jobin | 菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール |
Maiden Voyage | Hervie Hancock |
MenuettoⅠ 無伴奏チェロ組曲第2番 | Ron Carter |
Up Jumped Spring | Fbrizio Bosso New Project |
作曲された花と水 | 菊地成孔 南博 |
New York Hell Sonic Ballet | 菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール |
Mood Indigo | Duke Ellington |
Minerale | Sublime & 三宅純 |
Mona Lisa | Bill Charlap |
Watch What Happens | Steve Kuhn Trio |
Basin Street Blues | Miles Davis |
Dearly Beloved | McCoy Tyner, Bobby Hutcherson |
Donna Lee | 寺井尚子 |
Procession | 菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール |
Spartacus | Hitomi |
In Praise Of Dreams | Jan Garbarek |
As Seen From Avobe | Jan Garbarek |
マーガレット | 小曽根真 |
Sonnet To Hank Cinq | 渋谷毅 |