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背広は、一枚の布を人の身体にフィットするように仕立てたもの。よい背広は、まるで皮膚のように身体(からだ)に合うといいます。 |
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それは“テーラー”と呼ばれる職人の卓越した技があってはじめて可能になります。日本が誇る一流のテーラーたちの名人芸の数々―。 |
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そこから生まれる背広ならではの「美」をごたんのういただきましょう。 最初のツボは、 |
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イタリアで長年活躍してきたテーラーの船橋幸彦さん。ラペルのデザインを大事にしています。 船橋 「ラペルは襟の中央左右に作られているもの。上着の前の部分の主役ですよね。色んな襟の形もあるし、それをいかに表現して、着るかという事ですよね。」 |
壱のツボ ラペルは背広の顔
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まずは、代表的な2種類のラペルをご紹介しましょう。 |
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こちらは「ノッチドラペル」。三角でオーソドックスな形。 |
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もうひとつの「ピークドラペル」 |
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ラペルの下の方をご覧ください。ふわりと立体的に浮き上がっています。 |
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この芯地を巧みに縫い付ける事で、立体的なラペルが生み出されます。 |
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カタカナのハの字を描く「ハ刺し」という縫い方で細かく、無数に針を刺していきます。 船橋 「ラペルは、左手の親指と人差し指で素材を、多少ズラしながら刺している、そのことによって立体に変わっていんですね」 |
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こうして生み出された、たゆみが、生地にふわりとした立体感をもたらし、美しいラペルが仕上がります。 |
弐のツボ 後ろ姿にダンディズムあり
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身体にあった背広を見分けるポイントはどこにあるのでしょうか? 遠山 「人間の身体とスーツが合ってなくて出来るシワっていうのは、醜いシワと言われています。それをなるべく とってあげて、人間の体とスーツがなじむ、人間が歩いたり動いたりするときに優雅に落ちるようにできるシワが、美しいシワなんです」 |
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背中に醜いシワが出来ないことが、良い仕立ての証。 そこで、2つ目のツボ、 |
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明治36年開業、老舗(しにせ)洋服店を営むテーラーの高橋純さんです。 |
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美しい後ろ姿を作るのに重要なのが“フィテング”。身体の寸法を測って仮縫いしたものを、試着してもらい調整する作業。 |
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こちらの男性は、いかり肩の体型。いかり肩の場合、背広が上に引っ張られ、背中の上の方に醜い横ジワが出がちです。 |
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仮縫いからほんのわずかズラすことで、先ほどのシワは消えました。 |
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これを解決するのがアイロンによる「クセとり」という技。 |
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アイロンの熱と蒸気を巧みに操り、さまざまな形のアイロン台を使い分ける熟練の技が一人ひとりの体型にフィットした、微妙なカーブを作り出していきます。 |
参のツボ 時が織りなす生地の味わい
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都内の百貨店。この秋の新作背広が並びます。 |
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こうしたヴィンテージ生地は、ゆっくりと時間をかけた、独特の製法で生み出されます。さて、それは一体どのようなものなのでしょうか? 最後のツボは、 |
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愛知県・一宮市。 |
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これは、昭和20年ころに作られた「低速織機」と呼ばれる織り機。 |
銀座へ出かけたついでに、話題となっている“ある売り場”を見てきました。それは百貨店が企画したスーツ売り場です!(注:すでに販売は終了しています)店のバイヤーが、イタリアで生地を直接買い付けて作ったというオリジナルスーツが人気なのだとか。商社などを通さず中間マージンを省き、上等な生地の背広が通常よりも割安で購入できるということで、会場は大混雑でした。
売り場の方は「もっと混むときは、試着待ちだけで1、2時間はかかるわよ!」とおっしゃっていました。会場で背広を試着している人たちの後ろ姿を眺めていて、ふと、子どものころの笑い話を思い出しました。
それは小学校に入学する前のこと。朝起きると、日曜日だというのに父が黒い背広を着て出かける支度をしていました。「きょうはお休みなのに、なぜ?」と父に尋ねると、「結婚式だからだよ。」という返事。私はなぜか、父が母とは別の誰かと結婚してしまうのだと思い込み、「嫌だ~。私達を置いて行かないで~!」とその背中に覆いかぶさり、わんわん泣いたそうなのです。父の背広は私の涙やよだれでかなり汚れてしまったと思います・・・。
「『お父さんが結婚するのではなくて、呼ばれて式に参加するだけだよ』と、何度言っても泣き止まない姿が本当におかしかった」と、今でもうれしそうに父は話します。その話、耳にタコができるくらい聞いてきたけど!と思っているのですが、父の笑顔を見ながら、私はいつも笑って聞いてあげることにしています。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Jerry Roll | Charles Mingus |
地下室のメロディー | 尾田悟 |
Now's The Time | Charlie Parker |
Happy Stroll | High Five |
Sandpaper Ballet | 白石光隆 |
Railroad Crossing | Red Garland |
Summit | Dusko Goykovich |
Fables Of Faubus | Charles Mingus |
Wintersong | Kenny Clarke |
Quiet Diddling | Itzhak Perlman, Andre Previn |
Macedonia | Nicola Conte |
One Mint Julep | Freddie Hubbard |
Secret Love | Don Sleet |
Pussy Cat Dues | Charles Mingus |
Out Of Nowhere | Charlie Parker With Strings |
This Is For Albert | Art Blakey Jazz Messengers |
I'm Just A Lucky So & So | Kenny Burrell |