壱のツボ 石の表情が鎌倉の風景を作る
三方山に囲まれた鎌倉で、唯一の陸の出入り口となったのが、7か所の切通し(きりどおし)です。 大貫 「切通してますんで、切通っていうんです。当時山を切ったところという意味で、切る所、切所、後に関所に通じると思うんですけども。幕府としてはかなり警戒をしてしっかりと防衛施設を作らないといけないということでね、それでこの切通しを作ったわけです」 |
こちらは幅およそ1メートル。馬一頭しか通れないように切通したもの。 |
切通しをよく見てみると、不思議な模様が残っていることがあります。 大貫 「模様を見てもお分かりの通り、だいたい一尺位の幅で石が切られています。ちょうど石段の高さ位の幅に切っている跡がよく見えますね。切り抜いた石はまた石段に使ってみたり、あるいはお寺の柱の礎石に使ったり。随分いろいろと利用したんじゃないかと思います」 |
切通しから採れた石は、鎌倉石(かまくらいし)と呼ばれています。 鎌倉の美鑑賞、四つ目のツボは、 |
鎌倉最古の寺・杉本寺の石段。 |
こちらは路傍に建てられた鎌倉石の塔、お茶ぶきさん。風邪ひきに霊験があり、治るとお礼にお茶を差しげます。 |
武将・上杉家の墓と伝えられる石塔群。一つだけ表情の違う石塔があります。伊豆石という別の石が用いられているのです。 |
伊豆石を使った、鎌倉時代の五輪の塔。
高さは3.5メートル。伊豆石は伊豆地方でしか採れない硬く、大きな構造物に適した石です。 |
素朴な鎌倉石と、シャープな彫刻が楽しめる伊豆石。 |
弐のツボ 地形をいかした庭園演出を楽しむ
|
鎌倉には“花の寺”が数多くあります。それは尾根が複雑に入り組んだ鎌倉の地形に理由があります。山(ヤツ)です。鎌倉では山と山の谷間を、ヤツと呼び、六十六谷あるといわれています。 |
建築家の宮元健次さんです。 宮元 「谷底ですので、日当たりがあんまりよくないんです。ですから京都の庭のように大きな木が育つということが少ないわけですね。低木が非常に多くなってきます。ですから、大きな樹木を楽しむというよりは、草木を楽しむ、そういう独特の庭のあり方が作られたんだと思います」 |
ヤツに築かれた個性的な花の庭園の数々。このように鎌倉の庭園には地形をいかしたくふうが凝らされているのです。 鎌倉の美鑑賞5つ目のツボは、 |
あじさい寺として知られる明月院。鎌倉の西にある明月谷という細長いヤツにある小さなお寺です。 |
|
歩くことおよそ5分。視界が突然開けます。ここに明月院庭園の要となるものがあります。 |
瑞泉寺には、もう一つ国師の思想をうかがわす秘密の庭があります。 |
参のツボ 青葉や花の匂いを感じて歩け
鶴岡八幡宮の参道、若宮大路。 |
もともと鎌倉時代、敵の侵入を食い止めるために、路地は迷路のように張り巡らされました。武士の世が遠く過ぎ去った今、ここに暮らす人々によって、鎌倉の路地は知る人ぞ知る美の宝庫となりました。 野口 「緑というのはものすごく心を安らぐというのかな、そういう意味では非常に楽しく刈り込みをやらしてもらってます」 |
歩いているとさまざまな垣根に出会います。 |
鎌倉の風景を撮り続けている写真家の原田寛(ひろし)さんは、撮影を続けるうち、路地には一つの鑑賞法があることに気付きました。 原田 「鎌倉の住人というのは表通りは混んでるじゃないですか、路地を伝い歩くように移動するっていう雰囲気があるんですね。私も住人気分でやってみようかなって歩いたらすごくすてきだったんで。鎌倉の路地は、奥に見える風景というんですかね、それが魅力ですね」 |
最後に、原田さんが最も愛する路地。垣根の横をすり抜けると、雄大な海が現れます。 |
今回の鎌倉スペシャル、いかがでしたか?後編は住宅街を網の目のように走る「路地」が出てきたので、鎌倉を散策する楽しみが一層増しました!
でも知らない路地って、一歩入ると迷路のようですよね?ぐるぐると同じ場所を歩いているような感覚になって、道に迷ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?私は散策のとき、地図も看板もほとんど見ずに「こちらの道の方がおもしろそうな気がする・・・」と気の向くままに歩くので、路地では毎回迷ってしまいます。ですが、こんなときにこそ不思議と美味しいケーキ屋さんや穴場の喫茶店をみつけることできるのです!予期せず出会った格別な味に歩き回った疲れも一気に癒されます。その度にお店の名前や住所を書きとめておこう!と思うのですが、だいたい忘れてしまってその味に再び出会えることはほとんどありません。さんざん道に迷った末にたどりつくので、再び行こうと思ってもなかなかたどり着くことができないのです。忘れられないあのケーキを目当てに、またあの路地へ迷子になりに行こうかな・・・。
楽曲名 | アーティスト名 |
---|---|
Charade | Henry Mancini |
Pretend | Nat King Cole |
Theme De Robert | Francis Lay |
NOS.12 | Chick Corea |
All The Things You Are | Paul Desmond / Gerry Mulligan |
Creole Blues | Marcus Roberts |
Clair De Lune | Phil Woods /??? Michel Legrand |
Vivre pour Vivre | Francis Lay |
作曲された花と水 | 菊地 成孔 / 南 博 |
Milestones | Miles Davis |
Anything Goes | Stephane Grappelli & Yo-Yo Ma |
Mood Indigo | Marcus Roberts |
All Blues | Miles Davis |
Ballad Of The Sad Young Men | Wynton Marsalis |
Country | Keith Jarrett |
O Grande Amor | Gary Burton & Makoto Ozone |
My Song | Pat Metheny |
Unforgettable | Nat King Cole |