人生の晴れ舞台、結婚式。門出を迎える二人へのご祝儀は、華やかな装飾がほどこされています。 |
ご祝儀の包みに必ずついているものが、二つあります。包みの中央に結んであるのは「水引」。右上に添えられた小さな紙の包みは「熨斗(のし)」です。 |
ご祝儀だけではなく、贈り物には水引を結び、熨斗を添えるのが、日本では古くからのしきたりです。 |
壱のツボ 幸せを願ういにしえの形
熨斗の中央に黄色いものは、何を表していると思いますか? 正解は、アワビです。 |
三重県国崎(くざき)では、古くからアワビを細長く切り、乾燥させてきました。これが熨斗蚫(のしあわび)。かつては、このうえない美味とされ、長寿をもたらすと考えられました。 |
熨斗蚫を紙で包み、縁起物として贈り物に添えたのが熨斗の原形です。後に、熨斗蚫をかたどった紙が使われるようになりました。時代を経て、さまざまな色や形の熨斗が登場します。 |
一方、水引は、よった和紙にさまざまな彩色を施します。贈り物を束ねるためのものですが、それだけではありません。 |
水引職人の岩原克典さん 岩原「豊かな海の象徴であるアワビを付けるのには、相手がずっと豊かに暮らせるようにという願いが込められているわけです。水引も、幸せが結ばれるようにとの意味から必ず使われています」 ひとつめのツボは、 |
全国で使われる水引のおよそ7割が、長野県飯田市で作られています。今は機械で和紙をひも状に加工。さらに強度を高めるため、石の粉などをのりに混ぜたものを塗って、その上から色を付けます。 |
水引のさまざまな結び方。これは「真結び」です。一度結んだらほどけません。結婚など、一度限りであってほしい出来事のとき用いられます。 |
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こちらもほどけにくい「あわじ結び」。ふたつの輪を組み合わせ、人と人の結びつきを願います。 |
「両輪(もろわな)結び」は、いわゆる蝶結び。ほどいて結び直せるので、何度あっても嬉しい出産祝いなどに用いられます。 |
金色や銀色の水引で、豪華な水引細工が作られます。これは鶴。長い水引をたわめたり結んだりすることで、翼や胴体の形にします。そして首の角度が、鶴らしい表情を生みます。 |
水引と熨斗が最も華麗な姿を見せるのは、結納の飾りです。金・銀・赤の水引で作られた鯛は本物と同じ大きさ。尻尾が、勢い良く天に向かっています。 |
弐のツボ 折形に包みの極意を見よ
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日本には、さまざまなものを和紙で包んで贈る伝統の技法があります。武家の礼法に始まるもので「折形(おりかた)」と呼ばれ、江戸時代には広く知られていました。 ふたつめのツボ、 |
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折形では、同じ形のものを包むにも「真・行・草」という3つの格があります。 荒木「ていねいな順番に三つのランクをもうけるとしたら、真行草。会う相手によって着物を選ぶのと同じと思ってもらえればいい」 |
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「真」は最もていねいな包み方で、相手への尊敬の心を表します。 |
「行」の包みは、気のおけない相手への贈り物です。これは日本酒の包み。めでたい末広がりを立体的に表現しています。 |
ちょっとしたお裾分けなら、「草」の包みです。たとえば、庭の花をわけるとき。荒木さんは、厚手の和紙を花生けのような形に折り、カラフルなひもを水引代わりにつかいました。 |
金平糖(こんぺいとう)などの小さなお菓子は、「おひねり」に。「草」の包みでは、色紙や洋紙なども使って、より自由に楽しむことができます。変幻自在の包みが、現代へと受け継がれてきたのです。 |
参のツボ 季節のうつろいを目に届ける
贈り物の箱にかけられる紙は「掛け紙」と呼ばれ、「御祝」「お歳暮」といった名目と、贈る人の名を書き入れるためのものです。本来は白一色でしたが、明治以降、木版などを使った絵が添えられるようになりました。 |
こうした掛け紙は、主に和菓子屋さんで用いられています。 柴田 「和菓子屋は季節感が大事です。お菓子、箱、包装紙、すべてに季節感が出るようにしています。お味とプラスお楽しみという ことです」 三つ目のツボ、 |
こちらも京都の老舗の和菓子屋さん。このお店の場合、季節感は、掛け紙の上から包む紙に表されています。牡丹(ぼたん)、桜、柳、紅葉など四季の風物を、一枚の包装紙に盛り込みました。このデザインは先代のご主人と、日本画家・池田遙邨との親しい関係から生まれました。 |
和菓子店主人・山口富藏さん。 山口 「必要なのは、春夏秋冬のものが入っているということ。どこを切っても、どう包んでも、いい部分が出てほしい。だから遙邨さん、そうとう考えたんじゃありませんか。自分で包んだりほどいたりしながら」 |
京都だけでなく、各地の和菓子屋さんで季節感あふれる掛け紙が使われています。贈り物にさりげないくふうを凝らしてきた日本人。今度、お菓子をいただいたら、掛け紙も気を留めてみませんか? |
秋は気候が良いせいか「結婚式」が多いような気がします。おまけにアラサー世代(アラウンドサーティーの略=30歳前後の世代のこと)の私の周りは結婚式ラッシュ!!週末ごとに友人達の結婚式に参加しています。とっても喜ばしいことなのですが、ご祝儀で懐が寂しい状態は当分続きそうです、笑。
ご祝儀というと、最近の“ご祝儀袋”はお洒落なものやちょっと変わったものが出てきていますよね!桜やバラ、胡蝶蘭などをかたどった飾りが水引についていたり、袋自体がハンカチで出来ていたり・・・。式の受付をしているといろいろなご祝儀袋を見ることが出来て面白いです。中身を出すと役割を終えてしまうご祝儀袋、友人に「すごく綺麗なのにもったいないね?!」と言ったら、「私は自分の式でいただいた祝儀袋は“幸せ付き”ってことで再利用しているよ。それにご祝儀袋も買い続けると高くつくじゃない?」とのこと。さすがエコと節約に熱心なHちゃん!結婚すると女性はよりしっかり者になると聞きますが、私は心の中で“合点ボタン”を押していたのでした。
楽曲名 | アーティスト名 |
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S'Wonderful | Newyork String Quartet |
Blue Moon | Lou Donaldson |
Little Evil | Paul Smith |
You Look Good To Me | Oscar Perterson |
Li'l darlin' | Turtle Island String Quartet |
Bye Bye Blackbird | Miles Davis |
One Bass Hit | Modern Jazz Quartet |
Take Five | Dave Brubeck |
Cheek To Cheek | Turtle Island String Quartet |
My Funny Valentine | Bill Evans & Jim Hall |
Waltz For Debby | John McLaughlin |
Amazing Grace | Naoko Terai |