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懐石料理は、四季折々の食材を用いた美しい日本料理。
1品1品の料理が、順を追って出されます。 |
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懐石料理の始まりは、茶の湯の席で、千利休が客人をもてなすために用意した質素な食事です。 |
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当時の記録をもとに、利休の春の献立を再現しました。身近なものを使った質素な料理。
しかし、季節の食材に利休はこだわりました。
「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」と呼ばれる質素な献立に、利休が盛り込んだ季節の食材。それが、懐石料理の原点です。
それでは、食材に込められた季節感を味わってみましょう。 |
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長い歴史の中で「懐石料理」がはぐくまれてきた京都。
人々は、この土地ならではの食材を育ててきました。
その一つが京野菜です。 |
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地の食材にこだわってきた料理長の藤原昭人(ふじわらあきひと)さんに、季節の食材の楽しみ方を教えて頂きましょう。
藤原「懐石には、ま、あの四季のですね、料理の食材がありまして、季節の移ろいをですね、変わりゆく季節の変化をですね、味わってもらうのが懐石のだいご味やと私は思いますけど。」
懐石料理鑑賞、一つめのツボは
「 季節の移ろいを見よ 」 |
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藤原さんが、旬の食材として選んだのは、この魚。
福井県の若狭湾(わかさわん)で採れた「グジ」です。
黄色く色づいたウロコは、冬ならでは。
脂がのっている印です。
早速、旬の食材グジを調理して頂きましょう。 |
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「ぐじの若狭地焼」。
冬の京都ならではの食材でもてなしたいという思いが込められています。
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じつは、懐石料理に用いられるのは、旬の食材だけではありません。
こちらは秋の味覚「松茸」。
一つ前の季節の食材を「名残(なごり)」と呼びます。 |
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こちらは、冬から春にかけてが旬の京野菜、「くわい」。
季節を先取りした食材は、「走り」と呼ばれ、旬を引き立てるために使われます。 |
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旬だけでなく、名残、走りの食材によって、懐石料理は移ろう季節を表現しているのです。 |