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長崎の町に響く鐘の音。
大浦天主堂です。
大浦天主堂は現存する日本最古のカトリック教会です。 |
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ステンドグラスを通して入るやわらかな光が厳粛な雰囲気を作り出しています。
長崎県、五島灘をとり囲む長崎、平戸(ひらど)、五島列島などには実に130を超えるカトリック教会があります。
これらの教会を世界遺産に登録しようという声が今、高まっています。 |
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どの教会もそれぞれ個性的。
五島列島、久賀島にある旧五輪(きゅうごりん)教会は古い民家のようなたたずまいです。
明治14年に建てられた最も初期の木造教会。素朴な美しさをたたえています。
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一方こちらは、壮大な白亜の聖堂、平戸にある紐差(ひもさし)教会です。
内部も白で統一され整然とした空間を生み出しています。
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大浦天主堂 蔵 |
1549年、日本に伝来したキリスト教は、豊臣秀吉の時代、キリスト教の迫害が始まり26人の信者が長崎で処刑されました。
その後江戸幕府も禁教令を出し、信者は弾圧に耐えながらひそかに信仰を守り続けたのです。
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現在残る教会の多くは明治以降、信仰の自由を得た信者たちが建てたもの。
100年以上たった今も変わらぬ祈りの場として長崎に息づいています。
初期の天主堂は外国人宣教師が設計し日本人の大工が作り上げました。 |
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大浦天主堂の神父、諸岡清美さん。
諸岡「設計そのものはヨーロッパ風だけど実際に作り上げた人がヨーロッパがどういうものか知らないので日本風にアレンジして作っていた。中にいろいろ日本人的な発想があちこちに見られる。」
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長崎の教会、一つ目のツボは
祈りの場に和の心を見よ |
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まずは大浦天主堂を外から見てみましょう。
屋根は純日本式の切妻屋根。
日本家屋にごく普通に見られる本を伏せたような形です。
白い壁は日本に古くから伝わる漆喰(しっくい)で塗られ、日本瓦と調和しています。
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柱や梁(はり)など基本的な骨組みにはすべて木材が使われています。 |
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カトリック教会独特のリブ・ヴォールト天井。
西洋では石を積み上げて作りますが、さて日本では?
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天井裏を見て見ると竹で骨組みを作り漆喰で固めています。
竹のしなりを利用して曲面を作り出したのです。
西洋文化の窓口だった長崎。
明治以降、ヨーロッパと日本の技術を融合させた独自のスタイルの教会が数多く作られました。
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五島列島中通島(なかどおりじま)にある青砂ヶ浦(あおさがうら)教会です。
暖かい表情のレンガ。この島のキリスト教信者によって一つ一つ積み上げられました。 |
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信者たちは老若男女問わずみずから進んで建築作業を手伝いました。 |
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青砂ヶ浦教会信者の子孫の森下正光さん。
森下「苦労にならなかった。自分たちは藁葺き(わらぶき)のほったて小屋に住んでも、まず教会造り、お祈りの場所、それが一番の願い。みんながゆったり入れるようなお祈りの場所。それが信者さんたちの願いのようでした。」
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人々の深い信仰心が美しいレンガ造りの教会を生みました。
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大正8年に竣工(しゅんこう)した頭ヶ島(かしらがしま)教会。
全国的に珍しい石造りの教会です。
この石も信者が切り出して運んできたもの。 |
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この教会の内部は柱のない構造で広く開放的で、多くの人が集まれる空間です。
天井を飾るのは花の彫刻。
島に自生する椿などの花が満開です。 |
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日本の建築技術を用いて作られた長崎の教会。
それは自分たちの祈りの場を持ちたいという願いの結晶なのです。 |