File40　 万華鏡

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この鏡のマジックが生み出す人類初の映像アートに人々は魅了されました。

日本屈指の万華鏡コレクター、大熊進一さんは、万華鏡には形は様々でも、すべてに通じる共通点があると言います。

大熊「すべて鏡の反射ですから、その映像は全方位的にシンメ トリーになっています。 シンメトリーな映像を出すためには科学的にきっちり鏡を組まないと美しさが出てこないんです。」

鏡を合わせる角度が小さくなればなるほど、より複雑な多面体になりますが、少しでも角度がずれると、左右対称、すなわち、シンメトリーの映像が崩れます。

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突起物が飛び出して見える、何とも不思議な立体映像。
万華鏡作家山見浩司さんの作品です。

山見「鏡の組み方っていうのは、まだ無限大にあると思うんです。」

いったいどのように鏡を合わせると、こんな映像が生まれるのでしょうか？

まず、先が細くなるように鏡を切り、オブジェクトに接する面を丸くカットするとこのように、丸みを帯びた突起が生まれます。

さらに鏡と鏡の合わせ目にわざと細いすき間を作ると、球体から光線が放たれたように見えます。

この光線こそ、そのわずか１ミリのすき間から入る、光が為せる技なのです。

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最もシンプルな２ミラー、そして、無限に広がる３ミラー。

万華鏡は鏡の合わせ方次第で無限の美の世界を見せてくれます。

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オブジェクトの種類は実に多彩です。
そして、オブジェクトの中でも、最も人気の高いのが、ガラス細工やビーズです。

光を通すので透明感にあふれています。

オブジェクトにこだわる万華鏡作家・中村和正さん、ミエ子さん夫妻。

ガラスのオブジェクトも一つ一つが手作りで、こうしたオブジェクトを美しく見るためには、コツがあるといいます。

中村「オブジェクトをより美しく見るためのコツは、光をうまく利用することです。光をどこからどのように取り込むかということを工夫して見るようにするとより美しい映像を見ることができます。」

木の実のような光を通さないオブジェクトの場合、正面からの光で見ると、すべてがシルエットになってしまいます。

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万華鏡専門店店主・荒木路さん。

荒木「万華鏡は外側の形も含めて、トータルで美を表現したものなんです。 そこには、作り手の世界観があります。」

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まだ日本では歴史の浅い万華鏡アートの世界で、世界一の評価を得た、万華鏡作家・依田さん夫妻。

依田「万華鏡を作る時に、まず物語を考えて、海を表現したいとか、宇宙を表現したいとか。それをどう見てもらえるのかが楽しみです。」

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最初はビッグバンを思わせるような赤い光。
その後、青く静かな宇宙の映像に変化します。