2022年2月25日

【みえDE川柳】 お題:猫

天 捨て猫のぬくもりがある段ボール/おくだよしさん

橋倉久美子先生 段ボールの捨て猫というのだから、おそらく生まれて間もない子猫なのだろう。何匹かいるのかもしれない。作者は捨て猫を抱き上げたのだと思われる。そのとき段ボールのぬくもりに気付き猫をそのまま連れて帰ったのか、はたまた飼うのは難しいと戻そうとしたときに段ボールのぬくもりに気付いたのか。いろいろなドラマが想像できる。
 小さな猫にも段ボールに残るほどのぬくもりがあり、それは生きている証しとも言える。「ぬくもり」という触覚に訴えた句に、何だか切ない気分にさせられた。

 

地 跡継ぎの手腕見守る招き猫/福村まことさん

橋倉久美子先生 招き猫の句はたくさんあったし、川柳でよく使われる素材でもある。招き猫は客や金運を招いていると言われ、それを念頭に置いた句が多いが、この句のおもしろいのは「跡継ぎの手腕」を見守っているというところ。外だけを見ているのではなく、家の中までも見守っている招き猫なのである。
 昨今、個人経営では、事業自体が順調でも後継者不足のため廃業せざるを得ない場合もあるらしい。幸いここは跡継ぎに恵まれた。招き猫とともに先代も、跡継ぎの手腕を見守っていることだろう。

 

人 縁側の猫が多忙を不思議がる/なるほどマンさん

橋倉久美子先生 ペットの代表ともいえる猫と犬だが、犬が人間に忠実で役立つ存在なのに対し、猫にはのんびりと気ままなイメージがある(昔はネズミを捕るという重要な仕事もあったが)。そんな立場の、しかもぽかぽかと暖かい「縁側の」猫なのだから、忙しい忙しいとあくせくしている人間を「不思議がる」のも当然のことである。ひょっとしたら昨今のリモートワークの普及で、猫はこの思いをいっそう強くしているのかもしれない。猫の視点で人間を見ているところがおもしろい。

 

<入選>

ネコにしか見えぬがトラ年の賀状/火の鳥さん

猫なじみやっと新居も体を成す/夜半亭あぶらー虫さん

椅子取りに負けて書斎に猫の席/近江菫花さん

手を挙げたばかりに招き猫にされ/ムギさん

ヒーローに猫背はちょっと似合わない/童心さん

二回目は効果の薄い猫だまし/茶飯士さん

猫の目に花盗人の手が凍る/佐佐木雀区さん

日溜まりを猫と分け合う木のベンチ/やんちゃんさん

ボス猫の欠伸で終わる猫会議/あそかさん

猫舌がグルメリポート苦戦する/オクラの花さん

 

橋倉久美子先生 橋倉久美子先生

 462句ものご投句をいただきました。ありがとうございます。
 猫は犬とともに最も身近な動物と言っていいと思いますが、その特性をとらえた「猫ならでは」の句を選びたいという気持ちで、選に臨みました。多くの句が猫をうまく使っていましたが、1割ほど、猫でも犬でもいいのでは?と思うような句もありました。他の言葉に容易に置き換えられることを「動く」といいますが、題の言葉は動かないようにしてください。
 先月の選評で丹川先生が、題詠の作句にあたって気を付けるべきこととして、「字結び」について説明されています。今月の「猫」という題では、「猫舌」「猫背」「猫だまし」などは字結びかとも思いましたが、日常でよく使ったり川柳味を出しやすかったりする言葉でもあり、句としておもしろいと思ったものを入選としています。ご承知ください。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50 | 過去の入選作 |   | 固定リンク


厄をはじき去る!松阪のさるはじき

こんにちは!キャスターの大橋和綺です(^^)/

先日、松阪に伝わる厄よけの民芸品

「さるはじき」を作っているお店を訪ねました!

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このバネの部分をはじくと、

真っ赤な猿が跳ね上がる仕掛けになっていて

厄を”はじき”  ”去る(猿)”と、

厄よけの意味が込められています。

お店に入ると…

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時計がたくさん!!

実はこちら、時計屋さんなんです。

家族で経営しながら、

3月上旬の初午大祭が近くなるこの時期には、

作業を分担して、さるはじきを作っています。

初午大祭はおととし・去年に続き、

今年も新型コロナの影響で規模を縮小し、

ご祈祷のみの開催と決まりました。

それでも、

毎年のように買い求めたいという人のために

作り続けています!

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こちらは店主の息子、中野良樹さん。

猿を通す棒の部分を作っています。

なたで竹を割り、カッターナイフで

直径5ミリほどに細く、丸く削っていきます。

 

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こちらは店主の良一さん。

さるはじきの1番の肝、バネ作りを担当。

竹を薄く削ってバネを作ります。

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バネを薄くしすぎると、

はじいたときに折れてしまい、

厚くしすぎると、

はじくのに力が要るものになってしまいます。

良一さんは、はじきやすいバネの薄さを

触った感覚や見た目で見極めているそう。

 

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仕上げに、

店主の妻の潮美さんが飾りつけを担当。

この作業で、

さるはじきがぐっと見栄えよくなります。

 

中野さんのところでは、

いろいろな種類のさるはじきを作っています。

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こちらは地元の松阪木綿で作った猿のさるはじき!

 

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なんと!時計修理の器用さを活かして

こんなに小さなものも!

 

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 こんな時期だからこそ、「厄をはじき去る」

さるはじきを届けたいという店主の中野良一さん。

 

ご協力頂き、ありがとうございました!

投稿者:大橋和綺 | 投稿時間:16:15 | 大橋和綺 |   | 固定リンク


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