-立山室堂-
2017年9月6日放送

北アルプス・立山への登山拠点、標高2450メートルの 室堂平には、立山登山の歴史を今に伝える貴重な建物が立っています。およそ300年前に建てられ、国の重要文化財に指定されている日本最古の山小屋『立山室堂』です。8メートルを超える雪がつもり 強風にさらされる厳しい環境の中で訪れる登山者を見守り続けてきたその建物の魅力を紹介します。

室堂平

3000メートル級の 山々が連なる 北アルプス立山連峰。 初夏から秋にかけて 大勢の人々でにぎわう 立山・室堂平です。

登山者
「九州からです。雲上の世界っていうか、すばらしいと思います。」
登山者
「3000メートルで日帰りで、こんなところはちょっと他にないですからね。」

登山者と立山室堂

山頂を目指し、人々の歩く登山道のそばに木造の建物が立っています。

登山者
(あの建物知ってます?)「知らない。」
登山者

「聞いたことあります。 一番古い山小屋。」


国の重要文化財『立山室堂』

国の重要文化財に指定されている 『立山室堂』。 (たてやまむろどう) 日本最古の山小屋です。雪がとけたこの時期になると、建物全体を見ることができます。

室というのは宿泊所、堂というのは宗教的な施設のことです。この建物が室堂平という地名の由来となっています。加賀藩により江戸時代中期に建てられて以来、多くの登山者を受け入れてきました。

古くから信仰を集めてきた立山

立山は、富士山、白山とあわせ 日本三霊山として、古くから信仰を集めてきました。室町時代のころには室堂平に、立山を訪れた人々が立ち寄る建物がすでに立っていたと考えられています。

標高2500メートル近い室堂平では、 時にめまぐるしく天気が変わり、 厳しい自然環境にさらされます。この過酷な自然条件に耐えるため立山室堂はほかではほとんど見られない独特の構造をしています。

建物は正面2か所と左側面に出入り口がある以外、すべて板壁に囲まれ窓はありません。8メートルを超える積雪にも耐えられるよう太い柱やはりが張り巡らされ、太さはおよそ30センチの柱、1本1本が大黒柱のようにがっちりと建物を支えています。また建物主要部の骨組みと屋根を支える骨組みが一体となり、極めて頑丈な作りになっています。

使われている木材も特別なものです。立山さんろくの厳しい自然環境の中でゆっくり少しずつ成長し、年輪が細かく刻まれ、目が詰まった立山杉です。

何度も補修を重ねながらも、江戸時代に使われた立山杉が、この建物を300年近く支えてきました。訪れる人たちを迎え続けてきた立山室堂。人々の心を捉えます。

訪れた人
「日本の大工の技、職人の技ね。」
訪れた人
「造りがすごいしっかりしているので、 雪がすごいところなので昔からあるのにこの柱とか見ると相当作った方の職人技が垣間見れて非常に感慨深いです。」
立山室堂堂主 佐伯千尋さん
「夏はこんな形でふっと立ってますけど、春先に来ると埋まってますし全部埋まってますし、そういう厳しい自然の中でずっといたっていうのは感じられると思います 。」

江戸時代の人々の立山へのあつい思いを今に伝える立山室堂。厳しくも美しい自然の中にたたずむ富山の宝です。

~取材後記~

今回この立山室堂を取材して、改めてその堂々としたたたずまいに圧倒されました。何よりもこの太い柱を、ヘリコプターも車もない江戸時代にどうやって運んだのか何人の人々がこの建物を作るのに携わったのかと考えてみると、当時の人々の努力に本当に頭が下がります。この立山室堂、およそ30年前までは、実際に山小屋として使われ、宿泊者を受け入れていました。山小屋の建て替えの際に調査したところ、江戸時代に作られた当初の基礎や木材が残っていることが分かり、その後3年間かけて当時の姿に復元されました。

-リポート NHK富山 牧野 雅光-

インフォメーション

現在は、2棟の内1棟が資料館として開放されており、毎年10月半ばごろまでは室内を自由に見学することが出来ます。 室堂平では例年、10月には雪が降り始めるため、10月半ばごろから1週間ほどかけて雪の重みで屋根が壊れないように屋根につっかえ棒をするなど雪への備えをしているそうです。雪が溶けて、立山室堂が完全に姿を見せるのは 例年、翌年の7月になるということです。

【所在地】
●立山室堂山荘
富山県中新川郡立山町 芦峅寺室堂

※NHKサイトを離れます

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