魚津埋没林

-魚津埋没林-
2017年3月8日放送

魚津市にある 国の特別天然記念物、「魚津埋没林」です。およそ2000年前、魚津の海岸沿いに広がっていた巨大な原生林の姿を今に伝える貴重な文化財です。時を経てなお、見るものに訴えかけてくる巨大なスギの根、「樹根」の持つ力強さ。その埋没林の魅力をお伝えします。。

特別天然記念物 魚津埋没林

国の特別天然記念物、「魚津埋没林」。およそ2000年前、魚津港一帯に広がっていたスギを中心にした原生林の姿を今に伝えています。

魚津市 高さ2000メートルを越える北アルプス

富山湾に面した魚津市。背後には高さ2000メートルを越える北アルプスが広がっている。その海岸沿いで、魚津埋没林が発見されました。

昭和初期 当時の写真 魚津港の建設工事

昭和初期 当時の写真 魚津港の建設工事 2

魚津埋没林は、昭和初期に行われた魚津港の建設工事の際、見つかりました。海岸沿いの砂浜からは 200株を超える埋没林が続々と姿をあらわし、全国的に大きな注目を集めたと言います。

魚津埋没林博物館

魚津埋没林博物館

その後、調査が行われ、埋没林が見つかった貴重な土地を保存するため、そこに博物館が建てられました。

魚津埋没林は地中に埋まった木が腐らずに残ったもの

魚津埋没林は、地中に埋まった木が腐らずに残ったもので、国内では他にも、およそ70か所で発見されています。

学術的な価値が極めて高いこと魚津埋没林

大規模に残り学術的な価値が極めて高いことから、埋没林としては国内で唯一、国の特別天然記念物に指定されています。魚津港一帯に残ったのは、この土地ならではの理由があったからだといいます。

魚津埋没林博物館学芸員 打越山 詩子学芸員

魚津埋没林博物館学芸員 打越山 詩子学芸員
「魚津埋没林は地下水が海岸沿いでも豊富な場所という富山県の特徴ある環境下で残されたものです。昭和初期という時代から注目され、長年研究されている埋没林になります。」

水の中に浮かぶ幻想的な姿の魚津埋没林

悠久の時の流れ

魚津埋没林が、2000年以上も腐らずに残ったのは、 北アルプスから流れ出たきれいな水が地下水として海岸付近に豊富にあり、海水から埋没林を守っていたためと考えられています。

幹の太さが最大で2メートル、樹齢はおよそ500年

広く根っこをはわせた中央の樹根は、幹の太さが最大で2メートル、樹齢はおよそ500年です。水面下から、埋没林を見てみると。水の中に浮かぶ幻想的な姿は、2000年の時を経て悠久の時の流れを感じさせます。

周りの土中から数多くの貴重なものが発見された

当時の発掘調査では、周りの土の中から数多くの貴重なものが発見されました。

およそ3000年前の縄文土器

樹根の下の地層から出てきたおよそ3000年前の縄文土器です。

ヒメコマツ

エゴノキの種

マツやエゴノキなど植物の種や虫の死骸も見つかっています。

かつては巨木が立ち並び原生林が広がっていた

現在、博物館の建つ場所には、かつては巨木が立ち並び、多くの生き物とともに人々が暮らす原生林が広がっていたと考えられています。

魚津埋没林博物館学芸員 打越山 詩子学芸員
「魚津一帯に今はないけどスギ林があったことを教えてくれるのが、魚津埋没林です。それがいろんな環境の変化の影響で土の中に埋まってしまう無くなってしまう。そういった環境の変化について教えてくれるのも魚津埋没林ですし、そこから、周辺でどういう環境変化が今後起こる可能性があるのかというのも、この埋没林が教えてくれると思います。」

かつては巨木が立ち並び原生林が広がっていた

2000年もの時を経て今なお見るものを魅了する魚津埋没林。雄大な時の流れを感じさせる富山の宝です。

~取材後記~

埋没林そのものの大きさに圧倒され、日ごろ目にすることがない根を見て驚きました。博物館には、水中で展示されている埋没林だけでなく、実際に触ることができるコーナーもあります。2000年前の木の感触を感じることができます。私も大きな根を触ってみたのですが、硬いところばかりだと思っていたら弾力がある箇所もあり触る場所によって木肌の感触が微妙に違い驚きました。

また、 魚津港の工事現場から撤去する際、太い根っこを切断するのに用いたおののような道具の跡も残っていて、当時、手作業で少しずつ根っこを切断する際の苦労や時間の経過を肌で感じることができました。

おととしの調査で博物館の敷地内からおよそ3000年前の埋没林も見つかっています。他にも、博物館の周辺には多くの埋没林がまだ地中に残っていると考えられています。

-リポート NHK富山 白水 公規-

インフォメーション

魚津埋没林博物館

所在地 |富山県魚津市釈迦堂814

※NHKサイトを離れます

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