旧富山県立農学校本館・巖浄閣

-旧富山県立農学校本館・巖浄閣-
2017年2月8日放送

魚津市にある南砺市福野の「旧富山県立農学校本館・巖浄閣」(がんじょうかく)です。 明治時代を代表する学校建築として、国の重要文化財にも指定され、現在は県立南砺福野高校の一部として大切に保管されています。西洋建築を取り入れ、宮大工の技が刻まれた、建物の魅力をお伝えします。

明治時代を代表する学校建築

「旧富山県立農学校本館・巖浄閣」です。今から100年以上前、宮大工が西洋建築の技法も取り入れながら建てた、貴重な学校建築です。

明治36年に県立農学校の本館として建てられた巖浄閣

農作物の研究や農業経営などの学びの場となった県立農学校は、富山の農業の発展を支えました。明治36年に県立農学校の本館として建てられた巖浄閣、当時は左右にも校舎がありました。

巖浄閣は昭和37年まで学びやとして使われた

長年の風雪にも耐えた学びや

巖浄閣は、昭和37年まで学びやとして使われてきました。長年の風雪にも耐え、堂々とした姿を今に伝えています。

細い板を段がつくように重ねた下見板張り

大正時代初期に桜色に塗られた外壁。細い板を段がつくように重ねた下見板張りは、当時の西洋建築の特徴です。

中央の屋根にはこの建物を象徴する半円形の屋根飾り

中央の屋根には、この建物を象徴する半円形の屋根飾りが取り付けられています。

この建物を象徴する半円形の屋根飾り

屋根飾りの左右には宮大工の技

屋根飾りの左右には宮大工の技が刻まれています。

洋風の正面玄関

玄関の扉には、唐草模様の装飾

洋風の正面玄関。玄関の扉には、唐草模様の装飾が施されています。

建物の1階は、校長室や事務室

玄関を入った建物の1階は、校長室や事務室がありました。

巖浄閣で学んでいた竹下宏子さん

ここ巖浄閣で学んでいた竹下宏子さんです。竹下さんは高校卒業後も職員として働き50年以上、巖浄閣を見守り続けています。

福野高等学校同窓会事務局長 竹下 宏子さん

福野高等学校同窓会事務局長 竹下 宏子さん
「チューリップを栽培してて、実習で。綺麗なチューリップが春先に見えて、(教室の)中に春風が入ってきて、風通しも良くて、すごく優雅な気分になったことを覚えています。」

壁際まで並べられた机

壁際までずらりと並べられた机。多くの生徒たちがここで青春時代を過ごしました。

上げ下げ窓は作られた当時のまま

上げ下げ窓は作られた当時のまま。

分銅でバランスをとって好きな所で止まる

福野高等学校同窓会事務局長 竹下 宏子さん
「これはもうどこででも止まるんですよ。それはここに分銅が入ってまして、分銅でバランスをとって、好きな所で止まる。」

二本のひもと重りでバランスを取る仕組み

二本のひもと重りでバランスを取る仕組みには、今見ても感心させられます。

木で作られた階段は当時のまま

木で作られた階段は当時のままです。

2階にはおよそ150畳の講堂が広がっている

階段を上がりドアを開けると、2階にはおよそ150畳の講堂が広がっています。現在は巖浄閣で学んだ生徒たちの卒業写真が飾られています。

大正天皇のご座所

大正天皇のご座所

当時皇太子だった大正天皇もこの建物を訪れました。この講堂には、ご座所が設けられ、生徒たちが稲刈りする様子をご覧になったそうです。

大正天皇のご座所

巖浄閣2階のバルコニー

天女が住むところ

竹下さんが学んでいた当時、特別だったという場所に案内してもらいました。2階のバルコニーです。

女子生徒が外に出て、外を眺めている

福野高等学校同窓会事務局長 竹下 宏子さん
「休み時間になったら、(女子)生徒が外に出て、外を眺めているのを下から男子の生徒が話しかけたいなあという雰囲気で眺めていたと。天女が住むところとのことで高天原(たかまがはら)と名前が付いているんですよ。」

この建物のいたるところに、当時の高校生の甘酸っぱい思いが詰まっています。

南砺福野高校の制服

南砺福野高校の制服のボタン

巖浄閣がある南砺福野高校の制服です。ボタンには、巖浄閣を象徴する屋根飾りが描かれています。巖浄閣を通して歴史ある母校に誇りを持って欲しいという思いからです。

福野高等学校同窓会事務局長 竹下 宏子さん
「生徒の時からここが教室だったので、何年経っても昔の青春時代を過ごしたなと思って、この巖浄閣があるから思い出せますね。ここを案内して下さる方とかそういう方が私の後について頂ければ良いと思います。」

旧富山県立農学校本館・巖浄閣

「旧富山県立農学校本館・巖浄閣」。雪に中にたたずむ桜色の学びや。富山の宝です。

~取材後記~

私が取材したときは雪が降っていて雪景色の中で見る巖浄閣は、ピンク色の壁が際だって、本当にきれいでした。また建物内の階段は、丸みを帯びていて、刻まれた歴史を改めて感じさせられました。

現在は、南砺福野高校の文化祭で書道部や美術部の作品展示の場にもなっているそうです。そして建物は、南砺福野高校生徒たちが清掃を行っていて、今も学びやとして大切にされていると感じました。

-リポート NHK富山 白水 公規-

インフォメーション

旧富山県立農学校本館・巖浄閣

所在地 |富山県南砺市百町453

※NHKサイトを離れます

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