ページの本文へ

よむ富山人

  1. NHK富山
  2. よむ富山人
  3. かわ知り 「庄川」

かわ知り 「庄川」

命と暮らしを守るために
  • 2024年05月01日

【令和4年12月放送】 ※内容は放送時に基づく

 

身近な川のリスクを知って災害に備える「かわ知り」です。今回は、県の西部を流れる庄川についてお伝えします。

庄川では近年、大規模な河川改修により大きな水害は減ってきました。しかし、ひとたび氾濫が起きれば、広範囲に被害が及ぶと想定される川でもあり、備えは欠かせません。

 

岐阜県高山市を源に、富山県西部を流れ日本海に注ぐ庄川です。長さ115キロメートル、県内では神通川に次いで二番目に長い河川です。

飛騨地方から山あいを縫うように流れてきた川は、県内一の穀倉地帯である砺波平野や射水平野が広がる扇状地へと流れ出ます。

庄川の流域は年間を通じて降水量が多いため、洪水被害を受けやすいといわれてきました。

明治時代には30回と毎年のように洪水が起きました。昭和以降は大規模な河川改修により被害は減りましたが、それでも、しばしば洪水に見舞われてきました。

平成14年7月

特に昭和9年(1934年)には、堤防が決壊し、射水平野の大半は流れ込んだ濁流に覆われました

             昭和9年7月      写真提供:射水市新湊博物館

被害は海沿いの新湊にまで及びました。20人が亡くなり、94棟の家屋が流失、5500棟近くの民家が壊れる大災害になりました

           昭和9年7月 新湊     写真提供:射水市新湊博物館

 

庄川を管理する富山河川国道事務所の江渕さんに、庄川の特徴を教えてもらいました。

富山河川国道事務所 江渕直嗣 調査第一課長
江渕課長

「庄川の最も特徴的なところは、全国屈指の急流河川であることです。堤防を乗り越えないような低い川の水位でも、河岸や川底を削り取り、堤防が壊れることがあります」。

 

 

こちらは庄川の流域を示した地図です。緑色の太い線の内側に降った雨が集まり庄川の流れを作ります。

江渕課長

「庄川の流域は岐阜県側のほうが割合が大きく、また山地が全体の90パーセント以上となっていますので、平野で降った雨よりも、岐阜県側で降った雨により庄川が増水するかどうかが決まってきます

「最近ですと平成16年10月に大きな洪水がありましたが、富山県内では晴れ間が見えていた中、上流の岐阜県飛騨地方で降った大雨により庄川の水かさがどんどん増していき、洪水が起こっている状況が見られました」

              平成16年10月    写真提供:富山河川国道事務所

  

ポイント①のおさらいです。

庄川が増水するかどうかは、飛騨地方など山地で降った雨に大きな影響を受けます。たとえ晴れていても、飛騨地方の雨に警戒してください。

 

 

命を守るためのポイント②『ハザードマップを見て事前に備える』

 

庄川水系河川洪水浸水想定区域図(想定最大規模)

一度氾濫すると、砺波市や射水市、高岡市など広い範囲が浸水の危険にさらされます。自宅や職場などにはどのくらいの浸水があるのか、事前に知り備えておくことが大切です。

江渕課長

「庄川で仮に氾濫しますと、砺波平野の大半が浸水し、流れ出た水は小矢部川まで到達することが予測されます。土地が低いか所では、浸水が深くなる傾向にあり、濃い赤色があるところ、高岡市街地や和田川の合流点付近においては深い浸水深が予想されています

 

ポイント②のおさらいです。

庄川が氾濫した場合、自宅や職場などにはどのくらい浸水があるのか、ハザードマップを見て確認するとともに、いざというときどう行動するかぜひ考えておいてください

 

 

庄川流域では、昭和9年に起きた大災害の記憶を、後世に受け継いでいこうとしています。

 

射水市「庄川水辺の交流館」

昭和9年の水害の写真などを通して、水との戦いの歴史を伝えています。

 

射水市西広上「破堤箇所標」

昭和9年の水害の際、堤防が決壊した場所。激流に襲われた集落は河原と化したという。

 

射水市「大門駅」

駅の南側は、庄川からあふれ出た水に一面覆われた。

           昭和9年7月 大門駅    写真提供:射水市新湊博物館

   

射水市土合「水災復興記年碑・洪水水位標」

災害の恐ろしさと、防災への備えの大切さを、後世に伝え続けている。

 

 

富山河川国道事務所 江渕直嗣 調査第一課長

「毎年起こりうる増水や大雨程度でも、川の中では川岸が浸食され護岸が壊される被害がたびたび発生しています。庄川においても堤防や護岸で守りきれない洪水が必ず発生すると意識を持って、洪水が発生したときに適切な避難行動が取れるよう、備えていただきたい

 

長年にわたり積み重ねられてきた多くの努力により流域に住む人々の暮らしは昔と比べて安全なものに変わりました。とはいえ、災害はいつ襲ってくるか分かりません

身近な川の特徴をよく理解した上で、ふだんからぜひ、いざというときへの備えを心がけてください。

 

自分の命、そして大切な人の命を守るためにも、いざという時に備えてください!
 

 

                                      令和4年12月放送

  • 牧野雅光

    NHK富山局(防災士資格所持)

    牧野雅光

    報道の仕事に携わる中で、防災・減災報道の大切さを痛感し、 防災士の資格を取得。 地域の安全・安心に資するべく、努めていきます。

ページトップに戻る