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防災士に聞く「地震から学ぶこと!」

能登半島地震
  • 2024年04月22日

 

防災士に聞く 「地震から学ぶこと!」

能登半島地震から3か月以上が経ちました。きょうは、県内で活躍する3人の防災士に今回の地震を経験して、改めて気付いたことを教えていただきました。

左から、地震の際に避難所の運営に携わった氷見市の柳田ゆかりさん、地震について地域の住民同士で話し合いの場を設けた富山市の金井毅俊さん、そして県防災士会の理事長を務める高岡市の吉澤実さんです。

 

いざというときのために、持ち出し袋の準備を!

最初は、氷見市の柳田さんです。

柳田ゆかり さん

氷見市は、県内でも地震の被害が大きかった場所です。柳田さんは発災直後から、避難所に駆けつけ、その運営に携わりました。

避難者に聞き取りをする柳田さん(画面中央)

避難所の運営に関わる中で柳田さんが気になったのは、避難して来た人たちの持ち物にでした。

柳田さん

手には携帯電話と財布、小さなかばん程度の方、中には何も持たず羽織る物だけ羽織って来てる方、ほとんどの方がそうでした。避難所に行って暖房があるかないかは分からないし、水・食料がすぐ提供されることはまずありません。避難の方法であったり、避難するとき何が必要か、再度見直す必要があると思います。

今回は、津波警報が発令されたので、海沿いの方がすぐ安全な場所に避難するのは、とても大切なことです。

ただその際にも、ふだんから意識して非常用持ち出し袋などを準備していれば、携帯電話や財布だけでなく、自分にとって必要な物を持っていけたかも知れません。

柳田さんもおっしゃっていましたが、避難所に行ったからといって、すぐに水や食料などが手に入るとは限りませんし、被害が大きくなればなるほど、公的支援は頼りにできません。

持ち出し袋の中に入れる物の例

こちらは、持ち出し袋の中に入れる物ですが、例えば赤ちゃんをお連れの方はミルクなど、持病のある方はその薬など、中身は人によって変わります。自分に何が必要かよく考えた上で、ぜひ非常用持ち出し袋の準備をお願いします

また準備をしたら、決して押し入れの奥にしまい込むのでなく、すぐ持ち出せるよう、玄関など持ち出しやすい場所に置いてください。

 

“経験の備蓄”も大切!

次はこちら、富山市の金井さんです。

金井毅俊さん

金井さんは、富山市中心部から南東に位置する山室地区で、先月、元日の地震について話し合う会を開きました。

山室地区で行われた地震について話し合う会

その会で金井さんは、地震当日、山室地区や周辺の避難所に海沿いから避難してきた人が多かったことについて、次のように話しました。

金井さん

途中コンビニよっても(トイレが)いっぱいだし、トイレ入ろうにもどこもいっぱいで、最終的にこの辺りまで来た。ご飯食べるということは我慢できるけど、トイレは我慢できない。これが一番、災害のつらいところです。

金井さんは、ボランティアで訪れた能登の被災地での経験も踏まえ、非常用トイレの備蓄を強く呼びかけた上で、参加者が地震当日に経験したことを話し合ってもらいました。

(地震が起きたとき)車を運転していた方はこんな経験をした、お風呂に入っていた方はこういう経験をした。自分の家庭以外のいろんなその日にあった出来事のことを共有して、今度こうだったときはこうしたらいいなと(考えること)、それが今回の目的だった。

他人の経験を聞いて自分事として考えることが、次への備えにつながるのですね。

金井さんは、物資の備蓄だけでなく、このような話し合いによる“経験の備蓄”も大切だとしていて、今後も地域の防災力を高めるために尽力していきたいと話していました。

 

自分の住んでいるところにどんな危険があるか知ること!

最後は、県防災士会の理事長を務める高岡市の吉澤さんです。

NPO法人 富山県防災士会 吉澤実 理事長

今回の地震では、津波警報が出たことにより大勢の方が避難しましたが、「どこにどうして避難したらいいのか分からなかった」という声も一部で聞かれました。

吉澤さんは日頃から、自分の住む場所の危険について、正しい知識を身につけることが大切だと言います。

吉澤
理事長

津波が来ますよということで、海辺に住んでいる人は南のほうにずんずん移動された。その気持ちは分からないでもないのですが、自分の住んでいるところにどんな危険があるか(知る)ことが、まず大事なのだと思います。それは把握してもらうように、今後われわれも努めなくちゃいけないんじゃないだろうか。

富山市 津波ハザードマップ

こちらは、富山市の津波ハザードマップです。現在の科学的知見を元に、想定されうる最大の津波が発生した場合に、浸水が想定される区域やその深さ、浸水が始まる時間などが示されています。地図上で海岸沿いや川沿いの色のついているところが、浸水が想定されている場所です。

富山市 津波ハザードマップ 岩瀬周辺

部分的に見ていくと、こちらは岩瀬地区周辺の詳細図ですが、森家や馬場家など観光地にもなっている廻船問屋の建ち並ぶ辺りは、浸水想定区域に入っています。

また、夏に海水浴で岩瀬浜にいるかも知れません。津波の到達時間が最速で2分未満と想定されているので、一刻も早い避難が必要です。

そして大切なことですが、想定外のことが起きる場合もあります。自分の家が浸水想定区域から外れているからといって、決して油断はできません。

自分の住んでいるところは、どのくらい危険が想定されているのかいざという時どこにどう逃げるのかについて、自分や家族で話し合って決めておくこと。またできれば、地域の住民どうしでも話し合って決めておくことで、よりスムーズな避難行動につながります。その意味で、地域の避難訓練に参加するのは、いざというときに備えるためにも、とても大事なことです。

津波ハザードマップは、各自治体のホームページなどに掲載されていますので、避難場所や逃げる方向など含めて、いろいろと確認してみてください。

吉澤実 理事長

また吉澤さんは県防災士会の理事長として、今後も防災・減災に役立てるよう、防災士会会員のさらなるスキルアップを図るとともに、県民への啓発活動にも、これまで以上に取り組んでいきたいと話していました。

 

能登での地震活動は、少しずつ落ち着いては来ましたが、日本各地でも地震が相次いでいますし、台湾でも大きな地震がありました。いつまた富山も大きな地震に襲われるか分かりません。

命と暮らしを守るために、できる備えをぜひ進めていってください

 

  • 牧野雅光

    NHK富山局(防災士資格所持)

    牧野雅光

    報道の仕事に携わる中で、防災・減災報道の大切さを痛感し、 防災士の資格を取得。 今回の地震を受けて改めて、日頃の備えがいかに重要か、いっそう強く感じております。

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