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なぜ富山県内で相次ぐ自転車の死亡事故 共通点は用水路?

  • 2023年06月13日

    富山県内では、2023年に入ってから自転車の死亡事故が相次いでいます。中でも目立っているのが、自転車に乗ったまま用水路に転落して死亡するケースです。なぜ事故が起きているのか?現場を取材しました。
    (富山放送局記者 藤田賢)

    自転車で用水路に転落する事故が相次ぐ?

    富山県では、自転車に乗ったまま用水路に転落して、溺れたり頭を打ったりして死亡するケースが、2023年に入ってからすでに3件発生しています。

    警察によりますと、こうした死亡事故は去年(2022年)は1件もなかったということです。

    何が起きているのか疑問に感じ、現場に向かうことにしました。

    まず向かったのは

    2023年3月、自転車に乗った61歳の男性が、歩道の脇を流れる用水路に転落する事故が起きました。男性は溺れて、約1週間後に遺体で発見されました。

    事故が起きた現場は、黒部市荻生にある交差点でした。

    事故前の黒部市の現場

    訪れてみると、その交差点は横断歩道を渡りきった先の右側約3分の1が歩道ではなく、用水路につながるのり面になっていました。

    このため、横断歩道の右側をまっすぐ進むと用水路に落ちてしまう構造になっていました。

    事故が起きたのは夜の11時過ぎ。実際に同じ時間帯の現場に行くと、周辺には街灯が少なく、用水路に気付かず転落してしまうおそれがあると感じました。

    当時、用水路には防護柵は設置されておらず、地元の人に話を聞くと、夜間は暗いため見通しが悪く、危険を感じることもあったと話していました。

    死亡事故を受けて、道路を管理する富山県は、急きょ防護柵を設置しました。県によると、防護柵がない状態は30年以上続いていたとみられるということでした。

    現場では事故後に防護柵が

    同じような事故はほかにも

    次に事故が起きたのは南砺市。

    南砺市では、4月に自転車に乗っていた59歳の男性が、道路脇の用水路に転落し、頭を強く打って死亡する事故が起きました。

    現場の車道沿いには防護柵が設置されていました。

    一方で、男性が転落した場所は、用水路を挟んで道路の向かい側にある民家に行くために設置された通路の脇の隙間。そこには防護柵はありませんでした。

    こちらの事故が起きたのも夜の11時ごろで、黒部市の現場と同様に周囲には街灯がほとんどありませんでした。

    亡くなった男性は、防護柵のない場所から転落したとみられています。

    事故の共通点は?

    2023年に入って3件起きている、自転車で用水路に転落して死亡する事故。富山県内では同じ期間に、自転車に乗って車にはねられて死亡する事故は2件でした。(5月末現在)

    事故現場を実際に訪れたり、警察への取材をしたりしたことで、事故が起きた場所には、共通点があることが見えてきました。その共通点は以下のような点です。

    ・道路沿いで防護柵がなかったり、途切れたりしている
    ・周囲に街灯が少なく、夜間には見通しが悪くなる

    こうした事故に警察は?

    死亡事故を受けて警察は、夜間に自転車に乗る際は必ずライトを点灯すること、酒を飲んだ状態で乗らないこと、ヘルメットを着用することを徹底してほしいとした上で、注意点について次のように指摘しています。

    富山県警察本部 交通企画課 横井貴暢 次席

    「自転車は便利な乗り物ですが、急ブレーキをかけると転倒しやすく、速度を出しすぎると周囲の状況の確認が難しくなります。また、夜間の暗い道では周囲の状況はわかりづらくなります。いつも通る道は、日頃から危険な場所を確認しておくことも大切だと思います」

    取材を終えて

    今回の取材で、自転車に乗ったまま用水路に落ちて死亡する事故は、夜間の暗い時間帯、ハード面の対策が十分でない場所で発生していることがわかりました。

    財源が限られる中、事故を防ぐためにはどのような対策ができるのか。そして、自転車に乗る人はどのような点に注意して通行すべきなのか。

    1件でも悲惨な事故がなくなるように、引き続き取材を進めていきたいと思います。


    お住まいの地域で危険な用水路があって不安な方、用水路での事故が相次いで対策をした方などからの情報をお待ちしています。

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      • 藤田 賢

        記者

        藤田 賢

        2021年(令和3年)入局。
        新聞社を経て、富山局で県警キャップ。
        交通分野や司法などを取材。

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