2020年2月19日放送
「子どものSOS~大人ができることは~」

キャンペーン報道「子どもを守る 居場所をつくる」です。ある日突然、我が子からいじめの被害を打ち明けられる。教え子から親の暴力を相談される。そんな時、親や教師はどうすればいいのでしょうか。子どもへの虐待が後を絶たないなか、ことし4月からは体罰を禁止する法律が施行されます。子どもを守るために、身近な大人にできることは何か、考えます。

2月15日、富山市で親や教師を対象にしたワークショップが開かれました。 開いたのは、いじめや虐待から子どもを守る活動をしている「富山CAP」です。 「富山CAP」は、およそ20年にわたって県内の幼稚園や小中学校で子どもたちに暴力から自分を守る方法を伝え、保護者や教師に、子どもからのSOSの受け止め方を示してきました。

この日は、子どもがいじめにあう寸劇が披露されました。 小学生の友人からカバンを持つよう強要されるシーンを想定して被害に遭った子どもの思いを想像し、向き合い方を考えます。 子どもから被害を打ち明けられたらどう対応するか。富山CAPの岸順子代表は、「話を聞かせてほしい。力になりたいと思っている」という気持ちで聞くことが大切だとして、子どもにかける言葉を参加者に伝えました。

  • 1.「話をしてくれてありがとう」「よく話をしてくれたね、うんうん」
  • 2.「あなたの言葉信じるよ」
  • 3.「あなたは悪くない」

大人が「話をしてくれてありがとう」と伝えると、「こんな話をしていいだろうか」と思っている子どもは話をして良かったと“安心”し、「あなたの言葉を信じるよ」という言葉は信じてもらえないかもしれないと心配する子どもの“自信”に、「あなたは悪くない」とはっきり伝えることが「自分が悪いわけではない」という “救い”に繋がると言います。

参加者は痴漢や誘拐など子どもが外出先で直面するリスクへの対応についても学びました。大切なことは…

  • ▼知らない人とは、互いに手を伸ばして届く距離以上は近寄らないことや
  • ▼助けを呼ぶ“ウォー”という特別な叫び声を出すこと。

「キャー」という叫びでは、遊んでいる声と間違われて見過ごされてしまう恐れがあると言います。またお腹から出す声は力が必要ですが、声を出すのはなかなか難しく1回でも声を出す経験をしておくことが重要だと学びました。

さらに、ワークショップでは「体罰をどう防いでいくか」もテーマになりました。しつけと称した虐待によって命を落とす子どもが後を絶たない中、対策を強化するため今年4月、子どもに体罰を加えることを禁止する「改正児童虐待防止法」が施行されます。どんな行為が体罰にあたるか、厚生労働省の有識者会議は、今年2月ガイドラインの指針をまとめました。具体的には、…

  • ▼何度も注意したけど言うことを聞かないのでほおをたたいた。
  • ▼いたずらをしたので長時間正座させた。
  • ▼宿題をしなかったので夕ごはんを与えなかった。

などのケースは、いずれも体罰にあたるとしています。 また、体罰には当たらないものの、子どもの存在を否定したり、きょうだいを引き合いにだめ出しや無視をするなどといった言動は成長や発達に悪影響を与える可能性があると指摘しています。

ワークショップで富山CAPの岸代表は、体罰は親子の信頼関係を崩すおそれがあると伝えました。

富山CAP 岸 順子 代表
「子どもたちはなぜ叩かれるのか分からない。ただただ怖い。怖いからとにかく親の言うことを聞いていればいい。でも、なぜ叩かれるのか、分かっていないから、また失敗してしまう。この繰り返しで体罰が増えていく。その結果、親子の信頼関係を潰していくのが体罰です。」

その上で最後に「時には必要」と考えている限り、体罰はなくならない。「体罰をしない、させないと自分に決めておいてほしい」と訴えました。

参加した母親
「しつけと虐待は紙一重だと思います。だから自分が虐待しないためにどうしたらいいかなって知りたくて参加しました。体罰はダメだと分かったし、話を聞くことが大切だと学べました。ささいなこと、きょう学校でこんなことがあったよというような話もしっかりと聞いてあげようって思いました。」

放課後児童支援員
「子どものSOSをしっかり受け止めて、できる範囲内で声をかけることが心の声をキャッチすることにつながると感じました。」

富山CAP 岸 順子 代表
「誰にも話せないっていう子が増えていると感じています。親が本当に忙しくて、子どもたちは親が忙しそうだから話せない、しかもこんなこと話していいかって思ってしまう。その間に流れていってしまう。話を聞いてくれる大人を1人でも増やす。地域で子どもを支える大人を1人でも増やす、それによって将来の暴力を防止していきたい。」

富山CAPへのワークショップの依頼・問い合わせなどは、以下のご連絡先にお願いいたします。

富山CAP事務局 FAX:076-441-2277
E-mail: toyamacap@gmail.com

このページのトップへ戻る