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読み聞かせで成長 子どもの心強いパートナー“読書犬”とは

  • 2024年06月07日

人前で話すことが苦手な子どもたちが、訓練を受けた犬を相手に本の読み聞かせを行う“読書犬”の活動は1999年頃にアメリカで始まり、最近では日本でも増えつつあります。徳島の活動の現場を取材しました。

読書犬の活動とは

徳島県東みよし町での読書会

取材で訪れたのは徳島県東みよし町の放課後デイサービスです。支援学級などに通う子どもたちが、訓練を受けた犬を相手に本を読み聞かせる読書会が行われました。

この日、出動したのは3匹の読書犬です。1匹ずつテントに入り、子どもと向き合います。インストラクターとハンドラーも付き添いますが、テントがあることで人前で話すのが苦手な子どもも周囲を気にせず安心して読み聞かせできるといいます。子どもは最初に犬との接し方から教わります。

犬と仲良くなるポイント

犬と仲良くなるためのポイントや注意点はいくつかあるそうですが、主に3つご紹介します。

犬と仲良くなるポイント
①大きく動いたりうるさくしたりしない
②静かに横へ座る
③耳・鼻・足先・しっぽは触らない

犬との距離が縮まって仲良くなったところで、自分で選んだおすすめの本を読み聞かせます。

写真の男の子は、ハンドラーから教わったとおり、優しく小さな声で本を読んであげました。
犬は読み間違いを笑ったり注意しないので、子どもたちはリラックスして読み聞かせができます。その結果、自己肯定感が芽生えて自信につながり、読書の楽しさを学べる効果が期待できるといいます

読書犬を始めたきっかけは

徳島市

この活動を行っているNPO法人の杉井ひとみさんに話を聞きました。

杉井さんはペットの介護ステーションを経営するかたわら、介助犬や盲導犬を育成するNPO法人「補助犬とくしま」の理事長を務め、去年8月から読書犬の活動を始めました。

吉成

読書犬を始めたきっかけは?

杉井さん

私は長い間、補助犬、特に盲導犬の仕事をしてきましたが、盲導犬と関わった人の気持ちが幸せになったり、人生が変わったりしたのを目の当たりにしてきました。それを子どもたちにもしてあげたいという思いがありました。

読書犬になるには

読書犬は盲導犬を引退した犬や、セラピーを学んだ“ふれあい犬”、そして健康面・安全面・性格面で安心できる犬が選ばれています。最近デビューしたのが写真の「おむぎちゃん」です。

吉成

おむぎちゃんは読書犬の訓練を受けたのですか?

杉井さん

飼い主さんが色々な体験をさせています。大きな音がするところ、例えば踏切や保育園、小学校の近くなどを体験しているので、子どもの大きな音も平気です。

家の外で色々なものを見聞きしたり、人と多く触れ合ったりして、多少のことには動じないようになるとようやく読書犬としてデビューできます。杉井さんによると、徳島県内では少なくとも19匹の読書犬が活動しているそうです。

読書会にデビュー

そして東みよし町の放課後デイサービスで行われた読書会が、おむぎちゃんのデビュー戦でした。

初心者マークのおむぎちゃん

おむぎちゃんの表情に注目です。

ん?眠そう・・・
大きなあくびまで!

女の子は2回目の読み聞かせなのでとても上手。上手な読み聞かせでおむぎちゃんも、リラックス(?)した様子でした。

読み聞かせで心の成長を

ふだんから子どもたちと接している放課後デイサービスの担当者に聞くと、読書犬を前にした子どもたちには大きな変化が訪れるといいます。

児童発達支援管理責任者 喜多ルミさん
ワンちゃんと触れ合うことで、ふだんは発語のない子が「ワオン」と鳴き声をまねしたり、トイレが難しかった子が、自分からトイレに行くようになったりしました。今までできなくなったことができて感動しました。

昆虫が大好きな男の子は、読書犬のナディアちゃんに大好きな昆虫の絵本を読んであげていました。

読書犬がいる現場は、子どもたちの喜び楽しむ姿であふれていました。

読書犬との触れ合いは、子どもたちにも好評でした。
 

小5

かわいくて静かに聞いてくれた。しっぽをなでてあげたらフリフリして嬉しかった。

高1

ワンちゃん、ありがとうございました。かわいかった~!

杉井ひとみさん

NPO法人「補助犬とくしま」理事長 杉井ひとみさん
いつもは騒いでいる子どもが、ワンちゃんが来るのを楽しみに待ってくれる、ワンちゃんがいるから静かにできる。そういった効果を期待しています。読書犬が子どもたちの成長につながり、子どもたちも待ち望んでくれるという関係作りをしたいと思います。

読書犬の大きな力を信じ、子どもたちが社会に踏み出すきっかけになることを願って、これからも杉井さんたちは活動を続けます。

取材を通じて読書犬の力と子どもたちの成長に心を打たれました。活動を通じて読書の楽しさを知り成長する子どもたちがさらに増えてほしいと思います。取材にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

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