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常連300人以上 夜の町を守る“カリスマ”運転代行に密着

  • 2024年05月27日

お酒を飲んだお客様とその車を2人1組で送り届ける運転代行。
徳島県の秋田町では多くの人に慕われる“カリスマ”運転代行ドライバーがいます。

常連300人以上“カリスマ”運転代行

夜、仕事を終えた大人たちでにぎわう徳島市秋田町。
この町で40年以上運転代行を続ける上原純一さん、69歳。県内の代行ドライバーとしては最古参のひとりです。

秋田町の常連客には上原さんを慕う人も少なくありません。
上原さん個人を指名する常連は300人以上。ほとんどが長年のリピーターです。
上原さんの人気の秘密は、一度送ったことのある家は全て頭に入っていること
送迎する間、お客さんに住所を尋ねることはありません。
仕事は夜7時から明け方4時まで。多いときは10人以上を家に送ります。

上原さん
「私らはお客様の安全、確実にお送りする、命を預かる、そしてコミュニケーションしながら楽しくさせてもらう、どれが欠けても駄目なんです。」

家族の反対を押し切って…

上原さんが代行業界に飛び込んだのは28歳の時。
知り合いを手伝うためアルバイトとして始めました。
その後、独立を考え始めたとき、家族からは「気が短い」という理由から反対されていました。

上原さん
「本当に若い時は、言葉出るよりか手が出るという、付いたあだ名がニクロム線っちゅうてね。」

家族の反対を押し切って始めた運転代行。
しかし、最初は全く稼げませんでした。一日の売り上げが事務所で食べる弁当代400円ほどのときも。
いつやめようかと悩む日々、そんなとき上原さんの人生を変える出来事が起こります。4か月ぶりに乗ってくれたお客さんが上原さんの言葉に意外な反応を示したのです。

上原さん
「『那賀川にお帰りになるお客さまですか』ってお尋ねすると『4か月も前の事覚えとるん?』って言われた。」

上原さんの言葉に驚いたお客さん。さらに自宅の場所まで正確に覚えていたことに感激したのです。
「お客さんに道案内させたくない」上原さんならではの思いやりでした。

上原さん
「お客様というのは、自分たちが一番最後に、外で会う人間。ただ単に『ありがとうございました』というんじゃなく、どうもでしたねってニコッと笑い返されるような、そういう仕事が、代行じゃないかと思う。」

上原さんには毎月欠かさず行っていることがあります。
仕事の後に同じ代行ドライバーの仲間と秋田町の清掃活動をすることです。自分を育ててくれた町に恩返しをしたい、そんな思いがこめられています。

コロナ禍には仕事が激減し廃業する人も多かった代行業界。ドライバー同士の横のつながりが大事だと上原さんは考えています。

夢は温かい焼き芋屋

上原さんはいま、新たな夢の実現に向けて動き始めています。それは焼き芋のお店を開くこと。
運転代行と焼き芋。全く関係なさそうですが、一つの共通点があるといいます。

上原さん
「この芋は大きいですよ。こっちは甘いですよとか。そういうお話をしながら、どうもでしたってニコッとするのが、多分私は好きなんでしょうね。」

たくさんのお客さんを笑顔にしたい。
上原さんは挑戦を続けます。

上原さん
「自分はマグロと思てますので、止まったら終わりやと思ってます。だから、止まるまではやっぱり動き続けたいと思いますね。」

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