ページの本文へ

徳島WEB特集

  1. NHK徳島
  2. 徳島WEB特集
  3. 被災地に関心を 能登に寄り添う徳島のボランティア

被災地に関心を 能登に寄り添う徳島のボランティア

  • 2024年05月16日

能登半島地震から4か月あまりがたちました。
石川県は倒壊した建物のがれきなどの災害廃棄物を再来年3月までに処理する計画ですが、今も手つかずのところが少なくありません。
住民の高齢化や避難の長期化で復旧作業の人手に悩む被災地を支えようと、徳島の写真家がボランティアを続けています。その活動を取材しました。

人手不足が続く能登への支援

活動するボランティア

大型連休中、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市で、徳島県などから集まった人たちがボランティアを行いました。参加を呼びかけたのは徳島市在住の写真家、村山嘉昭さんです。
 

徳島市の写真家 村山嘉昭さん

村山さんはこれまで東日本大震災や熊本地震など、さまざまな被災地で撮影するかたわら、ボランティア活動を行ってきました。能登半島地震でも発生の6日後から現地に入り物資を届けてきましたが、被災地では「人手不足」が大きな課題だと感じています。

村山嘉昭さん
「やっぱり人手不足(が課題)。みなさんが2次避難に行ったりして復旧を手伝う人がいない。被災者は年齢的に体力がなかったりして、どこから手をつけていいのかわからない状態です。」

珠洲市の倒壊した住宅

石川県は地震発生直後、道路の渋滞で人命救助が妨げられないよう、個人のボランティアは自粛するよう呼びかけました。しかし現在は渋滞が解消され、事前に現地の状況を確認するなどしたうえでの参加を呼びかけています。ただ宿泊場所の不足などで現地が受け入れ可能な人数や活動できる時間には限りがあり、活動は十分とはいえません
災害ボランティアに詳しい神戸大学の室崎益輝 名誉教授は、ボランティアに頼れず個人で片づけをせざるを得ない被災者も多いため、さらなる支援が必要だと指摘します

室崎益輝 名誉教授
「過去の災害ではボランティアがテントに泊まり、みずからニーズを聞き取って活動したこともあります。能登半島の被災地にはもっと多くの人が入り支援することが必要です。」

報告会でボランティア参加を呼びかけ

報告する村山さん

徳島の人にも、もっと能登半島に関心を寄せてほしいと考えた村山さんは、現地での活動を始めて3か月後、徳島に戻って活動報告会を開きました。被災者だけで壊れた自宅を片づけている厳しい現状を伝え、ボランティアへの参加を呼びかけました。

村山嘉昭さん
「全国的に注目して解決しないと、本当に長期に渡ってやっていけないぐらいの災害だと思っています。被害規模が大きいし、現地に人がいない。いろんな人が一緒に盛り上げてほしい。」

村山さんの呼びかけに応じたのは、徳島県など各地から集まった60人以上の有志です。中には報告会に参加して改めて被災地に関心を持つようになったという人もいました。

徳島県神山町から参加した女性

徳島県神山町から参加した女性
「能登半島は遠いからだんだん関心も薄れていった自覚があって、報告会を聞いたときに自分が被災地に関心を向けていなかったと再認識して参加しました。」

独自にニーズ調査も実施

村山さんは、ボランティアたちと現地に行く前に、独自に被災者の要望を調査しました。

能登半島の被災地では、倒壊した住宅の数に比べて被災者がボランティアに依頼する件数が少ないことも課題の1つです。避難の長期化で住宅の片づけまで手が回らないことや、ボランティアの依頼のしかたが分からないという人が多いことが理由として考えられます。村山さんは撮影を通じて出会った人たちと交流を深めながら、潜在化していたニーズを拾いました。

住民の男性
「あれをやってと言いにくい部分はありましたが、あそこを片付けした方がいいんじゃないかと村山さんから提案してくれて、ちょっと頼みにくかったのが頼みやすくなりました。」

こうして集めた要望のなかで、最も多かったのが自宅の片付けです。

災害廃棄物の分別

災害廃棄物を処理してもらうには、ガラスや瓦、金属、電化製品などを細かく分けて仮置き場に運ぶ必要があります。ガラスの細かい破片を集めたり、何度も仮置き場を行き来したりしなければならず、住民だけでは大変な作業です。

また自治体が公費で解体する全半壊の建物でも、作業の効率化のため一定程度は片づけをするよう呼びかけられています。下の写真の住宅では、雨漏りで腐った畳を仮置き場まで運ぶことにしました。

雨漏りで腐った畳をはがす
きれいになった住宅

ボランティアは住民と一緒に丸1日かけて水を吸って重くなった畳を取り除き、室内はきれいになりました。いずれ壊す住宅でも、かつてここで暮らした人のために丁寧な作業を心がけました。

ボランティアの男性
「僕たちが短時間でも活動しているのを見て、住民の方の表情も明るくなっていきました。」

住民の男性
「つぶす家ですが、きれいになると次のステップへの踏んぎりがつきます。つぶして小さな住まいでも建てようと思っているので、手伝ってもらって助かっています。」

「今からでもボランティアを」

津波で流されたゴミの掃除

さらに住民だけでは手が回らない川や海岸の掃除も行いました。写真の川は津波で流されたゴミが散乱したままになっていました。村山さんは以前の光景を取り戻すことで、被災者が少しでも復興へと向かう気持ちを後押ししたいと考えています。

掃除された川を見た住民

住民の男性
「1人で後片付けをしていても、いらないことばかり考えてしまって、なかなか手につかない状態でした。大変助かりました。」

村山嘉昭さん
「災害に限らず困難なときに声をかけられずにいると、心の踏ん張りがきかないと思います。自分たちができることはわずかでも、ずっと見てくれてるという安心感も与えたい。復旧はまだ始まったばかりなので、今からでもボランティアは間に合います。来られる人からできることを、できる範囲でやり続ければいいかなと思います。」

ページトップに戻る