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徳島 交差点での交通事故 リハビリ後も続く後遺症の実態

  • 2023年05月15日

「1件でも事故が減って欲しい」

今月11日から春の全国交通安全運動が始まり、各地で事故防止の呼びかけが行われています。交通事故は、ほんの一瞬で人生を大きく変えてしまいます。20年余り前の事故で今も後遺症に苦しむ男性を取材しました。

22年前、車を運転中の事故で大けがをした福永 喜久夫さん(69)です。

時間がたち、回復したようにみえますが、実は今も重い後遺症に苦しんでいます。

当時の診断書です。

『高次脳機能障害』

脳が損傷し、ことばが出にくかったり記憶力や判断力が低下したりするなどの症状が残る障害です。

(福永さん)

「これが言いたいんやけど、あれ何だったんかいなって言うのが出てこない、直接ね。すぐに言葉が出てこないっていうかな。それが腹が立つ。自分にも腹が立つんですよ」

事故が起きたのは出勤途中の早朝でした。

(福永さん)

「出会い頭になって、こういう形で当たっているんです」

当時、徳島市内の郵便局に勤務していた福永さん。
車を運転中に交差点に入ったところ、左から直進してきた車と衝突しました。

頭や体を強く打ち、右ひざの骨折と右半身のまひ、それに脳出血の大けがを負いました。事故から2か月ほどの記憶が、ほとんどない福永さん。
妻の宮子さんはつきっきりで看病にあたった当時のことを、今も鮮明に覚えています。

(妻・福永宮子さん)

「『ご主人が病院に運ばれてきました』って。『嘘?』って。さっき家出たときは元気だったのに、交通事故にあったとは思えなくて。とりあえず病院のほうに行ったらすごい状態で。家族の介護が必要でした。大変でした。やったことないような、とりあえず無我夢中でやっていたので」

福永さんの生活は事故で一変。当時、働き盛りの47歳でしたが、1年に及んだ入院生活の後も後遺症の影響で仕事は休職。

リハビリのために始めた切り絵のおかげで、当初より右手は動くようになり、ことばもスムーズに出るほどまでに回復しました。それでも定年退職まで一度も職場に復帰できませんでした。

今も、後遺症を抑えるため、朝、昼、晩の薬は欠かせません。車の運転は今も出来ず、妻に送ってもらうことがほとんどです。

20年余りたっても後遺症に苦しむ福永さん。1件でも事故が減ることを願っています。

(福永さん)

「事故に遭わなかったらよかったのになってそんなことばかり考える。私に限って起こらないとか、そういうようなのは大きな間違い。相手があって、自分もおるし、まして歩いておる人もおるし、車というのは凶器やなと。とにかく事故っていうんは、自分だけでないと思う。家族も巻き込むしね」

手のリハビリのため切り絵に取り組んできた福永さん。今では自分で作品展を開くまでに努力を重ねたということです。

「出来なくなったことではなく、今できることに目を向けたい」

福永さんは、今後も切り絵の作品づくりに挑戦していくということです。

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