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読む72時間 「夏の終わり ぐるっと大阪城公園」

2019年11月22日

名物TVウォッチャー・吉田潮が読み解く!『ドキュメント72時間』

 飾らない日常を切り取るのに、日本一最適な地・大阪。「ハレとケ」のケを余すところなくさらけだし、なんならオチもつけてくれる人が多い印象。今回はど真ん中にある大阪城公園へ。24時間入場無料、寛容で広大な憩いの場だ。

 朝6時半から天守閣前には大勢集まる。50年近く続くラジオ体操の会。なんと夜中3時過ぎから公園入りする男性もいたほど。「ここに来たらお友達いっぱいできんねん」という女性。早速仲良しのボーイフレンドも紹介してくれる。人懐っこい表情の男性は古い歌が好きだそうで、ガラケーに入った曲を聴かせてくれた。朝から皆さんテンション高めで、実に楽しそう。

 昼は昼で、ボケ防止で医療費削減を掲げる男性たちが青空麻雀。ベンチに座る61歳の男性は腕まくりで日焼け中。座る位置や角度を変えてまんべんなく。「なんぼおっちゃんでも黒いほうがええやん。若かったら上も脱ぐけどな」。

 フランス人男性と日本人女性の夫妻は結婚式前に写真を撮影中。スタッフの質問にやたらとボケ倒す夫。「しかもそんなに面白くないし」と笑いの精度に容赦ない妻、最高。素晴らしい妻をもつ男性がもうひとり。45歳の男性は役者稼業25年、今度の舞台では死体役だ。スタッフの詰問でじわじわと自責の念へ。糟糠の妻への謝意で、「泣きそうやな」と感極まる。

 黄昏始めた頃、ベンチにぼんやり座る男性が。大阪に来て10年。職を転々とし、路上生活も経験。「あれ、なんでこんなんなっとんかい、夢見とんかい...夢やないな、ドボンと入ってしもて、あらと思って」。淡々と語った感覚は生々しく実感がこもる。支援団体に助けられて、今は家も仕事もある幸運。47歳の達観を拝見。

 夜、お濠沿いのベンチでたこ焼を肴にお酒を飲む40代の女性ふたり。半年に一度はここで近況報告し合う関係が25年以上続く。特別ではない、さりげなく流れる時間がいとおしい。

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ドキュメント72時間
ドキュメント72時間
人々が行き交う街角に3日間カメラをすえてみる。 同じ時代に、たまたま居あわせた私たち。 みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?
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