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読む72時間 「神戸・激安靴店を歩けば」

2019年08月30日

名物TVウォッチャー・吉田潮が読み解く!『ドキュメント72時間』

 約10万足の品揃えを誇る激安巨大靴店。1足が数百円、千円札でおつりがくることも。ここで出会った人々の生活信条が伝わる3日間。
「隠れてお酒を飲むならジムへ行け」と妻から強制的に運動靴を買わされる男性。夫の血糖値が心配な妻の愛、2足も買わされる夫の苦笑。
「私、モデルサイズやねん」と話すのは足が25㎝の女性。遺跡発掘作業員で、今回は仕方なくメンズの白長靴を購入。義母の介護を機にあらゆる職を転々とするも、そのたびに資格を取得した。「イヤイヤやるより目標もって楽しんだほうがいい」と超ポジティブ。傍らで優しく合いの手を入れる夫の姿が印象的だ。関西発「夫婦劇場(漫才)」は、いつ見ても微笑ましい。

ひとりで有機農業を営む44歳男性は「靴は安くて体が入る(足に合う)もので不快でなければいい」という。豪快に3足まとめ買い。ミニトマトにきゅうり、きっと彼の作る作物も質実剛健で滋味深い味に違いない。元オタクだった28歳男性は、今までアニメに月10万円使っていた。ある日突然飽きて、それからは本当に必要なモノだけを買うように。「型が古くても、人とはかぶらない靴があるから」という。悟りの境地で激安靴店に辿り着いた様子。

 近所の男性(面倒見のよい元自治会長)に付き添われ、靴を買いに来たおばあちゃんは、「もういっぺん嫁にいこうと思っとんねん♡」と茶目っ気たっぷり。義足の女性は今まで地味な靴を選んできたが、今夏は気分的な若返りに挑戦。キラキラしたサンダルを購入(孫も太鼓判)。確かに、新しい靴は気分高揚に一役買ってくれる。

 試食販売の仕事をする49歳の女性は、若い頃に十数年ひきこもりだったそう。「ひきこもると靴とは無縁」の言葉に衝撃を受けた。そうか、靴は外の世界への「入口」なのか。「靴に足を入れると今日も頑張ろうとなりますよね」。日々の営みは靴から始まると思うと、感慨深い。

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ドキュメント72時間
ドキュメント72時間
人々が行き交う街角に3日間カメラをすえてみる。 同じ時代に、たまたま居あわせた私たち。 みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?
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