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読む72時間 「命を運ぶ 大病院の引っ越し」

2018年08月30日

名物TVウォッチャー・吉田潮が読み解く!『ドキュメント72時間』

 確かに相当古かった。天井が低く、廊下も狭くて暗い。至る所に昭和の香りを残す大病院がリニューアル、250m先へ引越すという。2トントラック250台分。患者は4時間で66人を移動。そんな大変なときにお邪魔するとは。72時間は鋼のメンタル、図々しさも売りだ。

 臨床検査技師たちは「最新機器になるからハイテンションです。早く引越したい」と興奮。どう見ても片付いていない部屋で「感傷に浸ってる暇はない......」とぼやく人もいたけれど。

 一方、名残惜しそうに外来の名札を外す脳神経外科医師。持ち帰るそう。今、思い出すのは、若い頃に命を救えなかった女性患者のこと。その患者の家族から「若いんだから頑張って」と逆に励まされた。そのとき、くも膜下出血の研究と治療を一生やっていこうと決意したそう。

 また、副看護部長は28年間この病院に勤務。「ここで看護師として一人前にしてもらったから泣けてきちゃう」と涙ぐむ。が、泣いている暇はない。患者搬送を仕切る彼女は大忙しだ。

 23歳新人看護師の男性は緊張と不安のせいか、医療器具の保管場所を聞かれても即答できず。その割に「聞いておきたいことはない?」の問いに「特にないです」。そりゃ、先輩方が総ツッコミするわな。でも、新たな病院で歴史を紡ぐ担い手になるのは若い彼だ、と思いたい。

 さて、患者は? 最終日に来院した男性は「汚ねえ病院だけどちょうどいい」「美人の先生に足切ってもらった」「このタマネギスープはやみつき」と奔放な発言。でも古い病院がお気に入り。新しい病院にもぜひ馴染んでほしい。

 入院と引越し日が重なった男性患者は「こんなときに入院したのは失敗だった」とつぶやく。ゼッケンをつけた医師や看護師を見て、「運動会みたい」と苦笑い。ところが新しい病室に入ると「すごい広い♪」と笑顔に。無事搬送完了。  
命を預かる病院が生まれ変わる瞬間を見た。

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ドキュメント72時間
ドキュメント72時間
人々が行き交う街角に3日間カメラをすえてみる。 同じ時代に、たまたま居あわせた私たち。 みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?
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