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読む72時間 「根室 "ほっこり弁当"冬物語」

2017年12月21日

名物TVウォッチャー・吉田潮が読み解く!『ドキュメント72時間』

 コンビニ店内でまさかの炭火焼き。串に刺さるは豚。豚肉なのに「やきとり」と呼ばれる名物弁当を求めて、北海道・根室へ。カモメと大漁旗と荒くれ漁師を想像していたのだが、映る人はみな柔和で温厚。なんだ、この温かさは!?

 ご飯盛り放題コーナーでがっつりご飯を詰めていた大柄な男性。仕事は自然保護ガイド。ついでに店内もガイドしてくれる優しさ。妻や家族、部下のために、やきとり弁当を買いに来る男性が意外と多い。根室の男性は優しいなぁと一瞬思ったが、いや、これは北国ならでは、と思い直す。外に出た者が買い物や頼まれごとを担うのは当然のことだな。寒いし、遠いし。

 生まれも育ちも根室の20歳女性。他の土地へ行くつもりはないという。根室LOVEの理由は「運転しやすいから」。そうか、完全に車社会なんだ。意表を突く回答だが、妙に納得。

 大阪から転勤してきた男性の人物評にも頷ける。「寒い地域の人は外から来た人を歓迎しないイメージだったけれど、根室ではフレンドリーに会話してくれるから嬉しい」とな。北国の漁師町に先入観をもっていたことを恥じた。

 やはりメインは漁師の皆さん。不漁を嘆く漁師の言葉はずしりと重い。「すべてが悪いこんな年は初めて」だそう。若い頃やんちゃだった漁師手伝いの男性。流浪の人生に疲れ、今は普通に働くことに生きがいを感じている。地味だけど人間らしいんだって。最初も最後も帽子をとって会釈する律義さの背景に思いを馳せる。

 今回の主役は83歳漁師。一見、酩酊調だが、酒もたばこもやらないという。歌が好きで、北島三郎の歌を熱唱。毎日パンが半額になる夜に来店。甘くて柔らかいパンが好きなのは口元からも伝わってくる。朝から晩まで働き詰めの日もあるようだが、妻から頼まれたタバコを買うのも忘れない。気取らない・偉ぶらない。フレンドリーを絵に描いたら、まさにこんな感じだ。

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ドキュメント72時間
ドキュメント72時間
人々が行き交う街角に3日間カメラをすえてみる。 同じ時代に、たまたま居あわせた私たち。 みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?
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