ここからNHK高松放送局ホームページ内のリンクボタンです
読み上げブラウザ用メニューに戻ります
ここから本文です

復元!高松城跡 桜御門

(ゆう6かがわキャスター 五味哲太)

画像 2022年5月25日放送

高松市の史跡高松城跡・玉藻公園で、高松城跡では初めてとなる歴史的な建物の復元が行われています。7月には公開され、みなさんも中に入って見られるようになります。一足先に見どころを聞いてきました。

画像
高上さん
高上

きょうはよろしくお願いいたします。

五味アナ
五味

よろしくお願いいたします、こちらこそ。

高松城跡の東門で出迎えてくれたのは、高松市埋蔵文化財センターの文化財専門員、高上拓さんです。高上さんとともに桜の馬場の方向へ歩いていくと、立派な門が姿を現しました。
画像
五味アナ
五味

いや〜見えてきましたけど立派ですね。

高上さん
高上

そうですね、やっと完成しました。

五味アナ
五味

完成したばかりという。

高上さん
高上

本当に出来たてほやほやです。やっぱりお城の門ですしお城の中でもかなり立派な部類の門に当たるので、見た目の威圧感というか。お城を守る門としての役割も果たしていますので、そこらあたりを感じて頂けたらなと思っています。

今回復元された高松城跡の「桜御門」は、1945年に高松空襲で焼失しました。発掘調査を始めてから12年をかけてよみがえりました。
画像
五味アナ
五味

この門というのはどういう役割の門なんですか。

高上さん
高上

高松城の藩主が住まわれている御殿がこの奥にありまして、披雲閣という名前の御殿ですが、その披雲閣の正門にあたる門です。城内に出勤をしてきた武士の方がここを通って藩主の御殿である披雲閣まで向かって、おそらくそこで業務をされていたんだと思います。

五味アナ
五味

正面の門らしく、本当に非常に立派な門ですね。

高上さん
高上

2階部分は松の木を基本的に多用していて、1階の門の部分はケヤキの木を使っています。桜御門がもともとあったときの古い写真をもとにこういった外観を復元しています。

五味アナ
五味

写真から木材の種類まで分かるんですか。

高上さん
高上

拡大していくと木目まで全部見えるようなかなり精細な写真が残っていまして、木目の風合いなんかを宮大工さんにも見ていただいたりして材木の種類は決めているところです。

画像
調査のなかで見つかったこの写真によって、細部の様子まで忠実に復元できたといいます。復元された桜御門の扉を開けてもらい、門の下へと入りました。
高上さん
高上

ぜひ中もご案内したいと思います。

五味アナ
五味

今度は下から見上げられるという。

高上さん
高上

ここは通り抜けになって、公園に来られる方もここを通れるようになります。

五味アナ
五味

いや〜、中に入るとまた木材が立派ですね。

画像
門をくぐると見えてくる大きな梁は、伝統的な技法で仕上げたため、表面に刃物の跡が残ります。左右の石垣は、この門が経てきた歴史を伝えています。
高上さん
高上

この周りの石垣をごらんになっていただくと、石材ですね。ここに積んでいる石垣の石材が少しピンク色に変色しているところがあるのが見ていただけるかと思います。桜御門が空襲で燃えた時の痕跡というのが今でも残っています。

画像
熱を受けて割れてしまった石も、補強して利用しています。
高上さん
高上

ここはもう完全に割れて、ぱきっと石が真っ二つにわかれてしまっていたんですけども、わかれたそれぞれの石材は強度があるので、この石材を2つひっつけて1つの石材の形に戻して、そのひっつける時にステンレスのボルトなんかを中に仕込んでですね、石材の強度を確保した上で修理に使うということをしています。

画像
工事を担当した建設会社の藤沢雅人さんは、歴史的な建造物の修復などを手掛けて20年。これまでに東京駅や正倉院などの工事を担当したベテランです。
五味アナ
五味

工事の担当者として一番のこの門の見どころはどこですか。

藤沢さん
藤沢

桜御門のメインとなる、まれな仕事なんですけれども瓦の目地漆喰(めじしっくい:瓦の継ぎ目などを漆喰で塗る)。ぱっと見、1回ですぐ終わるようなふうに見えるんですけども、実際は1カ所に対して3回塗り重ねを行っていまして、それをやるのにやはり限られた職人で、時間を使って下塗り、中塗り、上塗りと3回かけてやったというところが一番苦労したところで、3か月かかりました。

五味アナ
五味

パッと見ただけではわからない細部に、技と時間が詰まっているわけですね。

画像
これまで手掛けてきた「修復」と今回の「復元」では、違う部分もあったといいます。
藤沢さん
藤沢

修復の方については、やはり残っているものを極力傷めないで、本当に最小限傷んだ部分だけを補うというのを基本に考えてやっていくんです。過去の資料があったからこそ今の我々がそれを伝えるために新しい技術を加えてやれたんですけども、今回は私たちが全く新しいものを作るっていうことで、将来200年先200年先、後世の人たちにきちっと伝えられるような記録や資料を残して終わりたいなと思っています。

画像
五味アナ
五味

きょう見せていただいて、公開までもう少しですけれども、どんなふうに市民の皆さんには感じてほしいですか。

高上さん
高上

ここに門が復元できたことで、お城のもともとの使い方はかなり現地で体感できるようになるんじゃないかなと思っていまして、ぜひ玉藻公園に足を運んで頂いて元のお城の景色と使い方を体感できるような活用をしていただけたらと思っています。

藤沢さん
藤沢

これから使われる皆さんの思いが伝わって建物っていうのは愛されていって、国宝とかに指定されていくんだとおもいます。

五味アナ
五味

国宝指定、何年後ぐらいになりそうですかね。

高上さん
高上

だいぶ先ですけど、これが長く残ればそういった可能性も本当に出てくるかなと思うので、ぜひ長い年月の先には、これそのものが文化財になるようなことがあっても面白いかなと思います。

この桜御門は、1944年に当時の「国宝」に指定されることが内定していましたが、実現しないまま翌年に焼失しました。おふたりから苦労と思い入れを聞くと、復元されたこの門が改めて国宝になるほど長く大切に愛されるといいなぁと感じました。一般公開は7月を予定していて、今回の取材では入れなかった2階部分にも入れるようになるということです。
一覧に戻る
ゆう6かがわへ
NHKのサイトを離れます。
読み上げブラウザ用メニューに戻ります
▲ ページの先頭へ