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番組タイトル

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いざというとき水害から命を守るには、
自分の住む地域を知っておくことが大切です。
香川県内を流れる各河川に注目して、
気を付けるべきポイントをお伝えします。

財田川

三豊市や観音寺市などを流れる財田川は流域面積が県内最大です。広い地域から水が流れ込む川は、いったん水があふれれば被害が広範囲に及ぶと想定されています。知って欲しいポイントは「避難情報の基準の変更」と「逃げ場のない上流部」です。
(高松放送局 記者 鈴木博子)

■県内最大の流域面積の財田川

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まんのう町から、三豊市や観音寺市にかけての広い地域を流れる2級河川の財田川。上流は塩入温泉などがある徳島県との県境で、河口近くには、「銭形砂絵」で知られる琴弾公園があります。かつては「アユの宝庫」とも呼ばれ、毎年、子どもたちがアユの稚魚の放流を行う自然豊かな川です。
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広い川幅のおかげで、水位が急激に上がることはそれほどありません。しかし流域面積が広いために、広範囲から水が流れこむ川ならではのリスクがあります。

2018年に起きた西日本豪雨では、降り続く雨で増水した川がJR予讃線の橋を押し流し、復旧に1か月余りかかりました。
広範囲での浸水が想定されている観音寺市は注意を呼びかけていますが、住む人の危機感は薄いままだといいます。
話を聞いた住民の1人は、「浸水するおそれを感じたことはなく、過去に避難した記憶もない」と話し、川のリスクには実感が持てない様子でした。

■ポイント① 避難情報の基準の変更

そこで、下流に位置する観音寺市の皆さんに知って欲しいポイントは「避難情報の基準の変更」です。
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財田川は三豊市から観音寺市にかけての広い地域を流れるにもかかわらず、これまで自治体が避難情報を出す際の判断は、上流に設置された1つの水位計に頼っていました。下流の観音寺市にとっては近くにある川の状態と、水位計の情報に開きがありました。
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そこで、2021年6月からは観音寺市に設置された水位計も避難情報にいかされ、2つの市が個別に判断できる運用に変わったのです。

川の状態をつぶさに見ることで、より伝わる避難情報を出していきたいとしています。
イメージ 香川県西讃土木事務所
河川港湾課課長 岡林 毅さん


「水位観測の場所を変えたことで、より身近に水害の危険が迫っていることを住民のみなさんに感じて欲しい」

■ポイント② 逃げ場のない上流部

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一方、川幅の狭い上流の三豊市でのポイントは「逃げ場のない上流部」です。財田川の山沿いのエリアの中には、支流が合流する場所があります。周囲が山に囲まれているため、青く示した支流の水があふれると水の行き場がなくなり、最大で5メートル以上の高さに達すると想定されています。住宅の2階に避難しても身を守れない高さです。
平成16年の台風23号では、このあたり一帯も水につかり、床上浸水などの被害が出ました。
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ここまで水があふれる理由の1つが「バックウォーター」と呼ばれる現象です。本流の水位が上がると支流から本流へと水が流れなくなり、周囲にあふれてしまいます。
少しでも被害を減らすため、県は数年がかりで堤防のかさ上げ工事を行うことにしています。

各地で記録的な大雨が相次ぐ事態を受けて、自治体は危機感を強めています。
イメージ 香川県西讃土木事務所
河川港湾課課長 岡林 毅さん


「これまで経験したことのないような豪雨災害が全国各地で起こっている。洪水浸水想定区域図を見て住む地域の危険を確認し、どういう避難行動を取ればいいのかを考えて欲しい」
洪水浸水想定区域図 香川県

財田川による浸水被害が想定される区域は、こちらの県のサイト(※NHKサイトを離れます)で見ることができます。

また三豊市は避難所の場所を詳しく記したハザードマップを整備しているので、近くにお住まいの方はぜひ調べてみてください。
五味アナウンサーのひとこと

イメージ 今回のポイントは、ふだん穏やかな川でもリスクを把握し、自治体が出す情報に目を配ることでした。なぜ自分の住む地域で避難が呼びかけられているのか。その理由を知っておくだけでも、いざというときに取るべき行動が判断できると思います。しっかりアンテナを張っておきましょう。

※なお掲載している情報は放送当時のものです。
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