災害が起きてけが人が出たとき、あなたはどうしますか? 下敷きの人を助け出す方法は? ケガの応急処置は?
今回は、丸亀市川西地区自主防災会の岩崎正朔さんに伺いました。
救助と聞くと消防の役割というイメージがありますが、南海トラフのような大きな災害では消防や救急が駆け付けるのに時間がかかることが予想されます。
医療機関につなぐまでの間、自分たちで手当てや救助をして、命を守らなければなりません。
まずは、災害時にケガをしたときの応急処置。
打撲や骨折は、段ボールや新聞紙、雑誌を添え木にして固定できます。
骨折部位を固定して、段ボールで腕を包み込みましょう。
骨折した場所から上下2関節を三角巾などでしっかり結んで固定します。
三角巾は、Yシャツなど身の回りの物を使いましょう。
シャツの袖を首にまわして縛り、固定します。
身近にあるものを何でも使うことが大事です。
次は、地震などで家屋の下敷きになった人を救助する方法です。
南海トラフの地震では、家屋の倒壊も心配されています。
こちらは岩崎さんが各地で行っている訓練の様子です。
ポイントは野球のバッドやほうきの柄、物干しざおなどをテコにして倒れた家具や家屋を持ちあげます。
救助するときに注意してほしいのが、下敷きになってからの時間です。
2時間以上、下敷きになっている場合は注意が必要です。
圧迫部位にたまった毒素が血中に回らないよう、水を飲ませてから救出しなければなりません。
次に、ケガ人を運ぶ担架の作り方です。
毛布など身近なものを担架にできます。
毛布の端をしっかり巻いて、等間隔で持ち上げ、水平に運ぶようにしましょう。
こうした対策はもちろん、災害時に慌てないよう、
普段から救助道具を用意しておくと便利です。
まず、バール。
最近ものは軽いです。
バールは窓や扉を開けて脱出・救出するのに役立ちます。
南海トラフでは揺れが長引くため、玄関のドアなどが開かなくなる可能性があります。
重宝されるのが、ロープ。
がれきを引っ張るとき、津波や大雨で流される人を助けるとき、救出するとき自分の体を固定するのにも役立ちます。
のこぎりは、救出現場で家屋や倒木をのけるのに役立ちます。
こうした道具を地域で備えるのが大切です。
個人では難しいし、特に市街地ではこうした道具を持っている人が少なく、人がいても道具がなければ助かりません。
ぜひコミュニティーセンターや公民館で最小限の救助道具をそろえてください。