防災インタビュー3回目は、いざ揺れた時どう身を守ればいいのか、
香川県防災センターの生島茂樹センター長に伺いました。
「南海トラフの巨大地震では津波被害が注目されていますが、津波が到達する前に激しい揺れによる被害に見舞われることになります。
香川県内ではほとんどの地域で震度6弱から6強、一部の地域では震度7の揺れが想定されているので、揺れに対する対策を今一度考えましょう。」
南海トラフの巨大地震ではどれくらいの揺れが来るのか。
高松市生島町にある、香川県防災センターでは、震度2〜7までの揺れを体験することができます。
まず震度4。
今年4月には高松で観測されました。
中野「少し揺れますが、なんとか立っていられます。家具がぐらぐら揺れています。」
次に震度5強。
南海トラフの巨大地震では5強以上の揺れが予想されています。
中野「部屋が激しく揺れています。物につかまらないと立っていられない状況です。」
さらに震度7。
観音寺市と三豊市、東かがわ市の一部で想定されています。
中野「かなり激しい揺れです!」
地震体験コーナーのテーブルや家具は動かないように固定されていたので、
それにしがみつかないと倒れてしまうほどの揺れでした。
震度6や7になると立ってはいられない、怖くてその場で動けなくなります。
地震体験コーナーでは、揺れが来ると予想しての体験なのである程度対応できますが、実際にはもっとパニックになって何もできない状態になります。
では、実際に家のなかでこのような揺れに襲われたらどうすればいいのでしょうか?
第一に「頭を守る」ことが大事です。
大きな揺れではテーブルの下に隠れることもできないかもしれません。
揺れがきたら、その場にしゃがんで、近くにある座布団や本など何でもいいので頭を守る。
寝ている時であれば、布団を被って身を守ってください。
特に危険なのが「キッチン」です。
ガスを使用していれば火災の起因もありますが、ガスは大きな揺れでガスが自動的に切れるものもあります。火から離れていても慌てる必要はありません。
身の安全を優先し、揺れが収まってから落ち着いて火の始末をしてください。
バストイレはスペースが狭い分、柱や壁がしっかりしていて、家のなかでも比較的安全な場所です。
お風呂に入っている時に地震がきたらその場にしゃがんでタオルなどで頭を守って揺れが収まるのを待ってください。
そしてトイレに入っている時に地震がきたら、扉を開けて、水洗タンクや棚の上のものなどが落ちてきて怪我をしないようにタオルやトイレットペーパーなどで頭を守ってください。
続いて、揺れが収まった直後にどう対応すればいいのかまとめてみました。
「出口の確保」(余震に備えて)
特にマンションでは少しのひずみでドアが開かなくなります。
余震に備えて逃げられるよう玄関を開け避難口を確保しましょう。床には割れたガラスなどが散乱している場合もあるので、靴を履いたり、布団を敷いたりして足元に注意して移動しましょう。
「情報の収集」(テレビ・ラジオ)
「避難準備」(安否確認の張り紙・ブレーカーを切る)
家を離れるときは、家族や知人が安否確認に訪れた時のために、行き先などを書いた貼り紙をしておきましょう。
家を出るときは、電力が復旧したときの通電火災を防ぐため、ブレーカーを落しておきましょう。
そして、非常持ち出し品を持って地域で指定された安全な避難所に移動しましょう。
「揺れたら頭を守り、収まったら出口を確保。 避難の準備をする。」
この流れをシミュレーションしておくことが大事です。
まずは一人ひとりが防災意識を高め、そして家族と話し合うことで家庭の防災力を高め、さらには地域の防災力が高まり被害を最小限に抑えられることができます。
命を守るための備えを今日から始めましょう!備えることが減災につながります。
こうした備えのきっかけに防災センターを活用してみてはいかがでしょうか。
香川県防災センターは午前9時〜午後5時まで開館。
月曜が休館日。無料。
10人以上は事前に予約が必要です。
お問い合わせは、087-881-0567