防災インタビュー、2回目は、家具の固定や耐震化についてお伝えします。
香川県防災士会・会長の久保雅和さんにうかがいました。
「阪神淡路大震災のとき、家具の下敷きになって多くの人が亡くなったり、逃げられなくなって火災の犠牲になったりしました。家具を便利な道具とするか、凶器にするかは、固定しているかどうかが大きな分かれ目です。」
怪我を避けるため、できるだけタンスなどの家具が倒れてくるところに
ベッドを置かない。
置くのであれば、家具をしっかりと壁や天井と固定すること、重ねて置かないこと、60p以下ぐらいにすること、そして家具の前で寝ないことがポイントです。
固定するときは、金具を使うと、一番強固に固定することが出来ます。
ポイントは、家具を柱に固定すること。
断熱材などが入っていると、きちんと固定できないので注意です。
壁紙で柱が隠れている時は、壁を叩いてみたり、市販されている検知器を使ったりして、固定できるポイントを探しましょう。
賃貸など壁に穴を開けられない住宅では、プレートや突っ張り棒などの固定グッズを組み合わせ使うのが有効です。
タンスの手前に敷きこむプレートで、タンスを壁側に傾けたり、
突っ張り棒で、天井との間にすき間がないように固定しましょう。
テレビやパソコンなど、小型の物は、ベルトで固定する方法などもありますが、滑り止めのマットを敷くのが簡単で、有効です。
四隅に敷くようにしましょう。
リビングでも、家具の配置には、注意が必要です。
避難路の確保のため、入口や通路には置かないようにしましょう。
冷蔵庫は、ベルトなどで壁と固定する方法もありますが、キャスターの下に受け皿を置いたり、耐震マットを敷いたりして固定するのが簡単な方法です。
食器棚は、扉のガラスが飛び散ると危険です。
ガラスが割れないように、飛散防止のフィルムを貼りましょう。
市販もされていますが、ラップを貼るだけでも効果があります。
また、食器が飛び出さないように、扉が簡単に開かないようにすることも大切です。
さらに、家具の固定と並んで必要なのが「家の耐震化」です。
簡単にご案内しましょう。
耐震化が必要と考えられるのが、耐震基準が改正される前の、昭和56年5月以前に建てられた住宅。
まず受けたいのが、住宅が大地震に対して倒壊しないかどうか調べる耐震診断。
補強が必要だと分かれば、筋交いを設置するなど耐震改修工事を考えましょう。
今年度、診断や改修に対する補助の金額が上がっています。
診断は、9万円を限度に、費用の9/10を補助。
耐震改修では、90万円を限度にして費用の1/2の補助が受けられます。
各市町の耐震対策窓口で、補助の申請などに応じています。
詳しくは、香川県土木部住宅課へお問い合わせください。
電話番号:087-832-3584です。
いざというとき、身の回りの家具に、思わぬ危険が潜んでいるかもしれません。
もう一度、家の中を見回してみて、家具を固定しましょう。