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世界に誇る高松BONSAIを海外の富裕層へ

  • 2023年12月18日
世界に誇る高松BONSAIを海外の富裕層へ

全国一の松の盆栽の産地、高松市。主力の黒松盆栽のEUへの輸出は令和2年に解禁され、令和5年から本格化しています。香川県と高松市の生産者は、南フランスでプロモーションを実施。世界に誇る香川の「TAKAMATSU BONSAI」が、いま、海外の富裕層の心をつかもうとしています。

南フランスで「高松盆栽」PR

フランス・カンヌの超高級ホテルで行われた高松特産の黒松盆栽を使ったデモンストレーション。世界的にも高い評価を受けている高松市の盆栽職人、平松浩二さんが、1時間近くにわたって見事なせん定技術を披露し、高級な盆栽の魅力を、富裕層にアピールしました。

さらに、今回のプロモーションでは、富裕層が数多く住むモナコも訪問。宮殿の庭師ら9人に、技術指導を行い、不要な芽を取る作業を体験してもらったり、枝を曲げる技術を披露したりました。「盆栽の手入れを詳しく学びたい」という要望を受けてのものでした。
 

盆栽職人 平松浩二さん
新たな試みだったので、現場に来てくれた人には非常に好評でした。盆栽を見るのは初めての人も多かったので、何か感じ入ってもらって、そこから盆栽の趣味に入ってもらえたら。

海外で人気のBONSAI

平松さんの盆栽園では、技術を学ぼうという海外の愛好家らを受け入れています。

スペインから2か月間の研修にやってきた男性は、盆栽関係の仕事につくことを目指していて、「家族みんなが盆栽好き」と言います。さらに近年は、在宅時間の増加に伴い、盆栽を楽しむ人が増えたということです。

スペインの男性
コロナの感染拡大以降、人気が高まっていると思う。

黒松解禁 新たなチャンス

海外で人気が高まる盆栽。高松市の生産者の多くは海外向けに移行していて、平松さんの盆栽園ではおよそ7割が輸出用だということです。

ことし1月には、オランダとスペインのバイヤーが買い付けた盆栽およそ500本がヨーロッパに向けて送り出されました。高松市の主力の黒松盆栽は、EUへの輸出が令和2年に解禁され、令和5年から本格化しています。

盆栽生産は減少

江戸時代から続く高松盆栽ですが、長く国内需要が低迷し、盆栽の生産は減少が続いています。県内の出荷量は、昭和54年にはおよそ47万4000本でしたが、令和4年はおよそ5万9000本まで減少。生産者の数も昭和60年は495軒だったのが令和4年は184軒にまで減っています。

海外に活路も高級盆栽は…

海外に活路を見いだそうとする高松盆栽。しかし、輸出には、さまざまな植物検疫の条件があるほか、今のところの売れ筋は、1本が数千円から3万円以下の比較的価格が安い盆栽です。10万円を超えるような高額な高級盆栽の売り込みはこれからです。

富裕層にアピール

こうしたなか、今回、芸術や日本の文化などに関心が高いフランスの富裕層をターゲットに、初めて現地でプロモーションを行いました。品質が高い高松盆栽の魅力を知ってもらうのが狙いです。

訪問団団長 香川県 小川剛理事
高松盆栽、あるいは香川県の盆栽、そして香川県というところに関しては、認知度はまだまだ。ブランド力の強化と認知度の向上が大事だと改めてそう感じました。この盆栽人気に、香川黒松盆栽をぜひ追いつかせていきたい。

帰国後、平松さんと香川県盆栽生産振興協議会の尾路悟会長が県庁に報告に訪れ、尾路会長が、富裕層に盆栽に興味を持ってもらえたものの、現地の受け入れ体制が十分でなく、引き続き地道なプロモーション活動が必要だと感じたことを話し、香川県の池田豊人知事も、ぜひいっしょに取り組みたいと答えていました。

香川県盆栽生産振興協議会 尾路悟会長
アドバイスをして、海外に受け入れられる盆栽園をまずつくって、そこを中心に愛好家を増やしていき、いいものも買ってもらって、管理もきちんとできるという方向性をつくっていくということが大切になってくると考えています。

世界にはばたけ

カンヌの高級ホテルでデモンストレーションで使われた高松盆栽は、年明けまで、ホテルの中庭に飾られるということです。

尾路会長は、現在、黒松盆栽が輸出できないアメリカからの引き合いも強いと話し、輸出の解禁に向けて、県や市などとともに関係機関に働きかけていくことにしています。

南フランスの富裕層にも好評だった高松盆栽。世界中の人たちが、質の高い高松盆栽を楽しめる機会を増やしていきたいと、模索が続いています。
 

  • 佐藤和枝

    高松放送局記者

    佐藤和枝

    丸亀支局担当

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