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交通のプロに聞く!アルコール検知器義務化で何が変わった?

  • 2023年12月12日
交通のプロに聞く!アルコール検知器義務化

息を吹きかけると、呼気中のアルコールの量をはかることができる「アルコール検知器」。この検知器をめぐる制度が2023年12月1日から大きく変わり、車を使う事業者に広く義務づけられることになりました。変更点や注意すべきことを、“交通のプロ”に聞きました。

アルコール検知器の義務化とは?

 

今回義務化されたのは「運転の前後に、アルコール検知器を使ってチェックすること」。その記録を1年間保存するほか、検知器は常に使える状態で持っておかなくてはいけません。

 

対象は、「仕事で車を使う事業者」。個人は対象ではないというのもポイントです。
さらに、条件が2つ。「①定員11人以上の車を保有」または「②5台以上の車を保有」。このどちらかにあてはまる事業者が義務化の対象です。また、二輪車は0.5台扱いで計算します。
検査の結果をチェックするのは、主に「安全運転管理者」。事業者内で選定し、警察に届け出ます。

香川県内で対象となる事業者の数は、およそ3680(11月13日時点)。
営業職のあるメーカーや、現場に足を運ぶ建設業。それに客を送迎する宿泊業など、業種はさまざまです。

きっかけは2年前の事故

 

実は「運転前後の検知器チェック」は、タクシーやバスといった運送事業者などでは、以前から義務化されていました。今回、その対象が広がったのです。
きっかけとなったのは、おととし千葉県八街市で起こった事故。飲酒運転のトラックが小学生の列に突っ込み、児童5人が死傷しました。運転手は多量の焼酎を飲んだにもかかわらず運転していましたが、自家用のトラックだったため運転前後のチェックは行っていませんでした。2度とこのような事故を起こさないために、検査の対象を広げようということになったのです。

事業者の声は

 

対象となる事業者のみなさんはどう受け止めているのでしょうか。

去年から先行して教職員全員に検知器を配布している学校は、「導入当初は忘れることもあったが、習慣づいてきた。飲酒運転はぜったいに許されないしそれを証明しなくてはいけない」と話していました。
また、宿泊施設からは「コロナが落ち着いて、これからまた宴会の送迎が増えるかもしれない。めんどうではあるが、お客様の安全のためには必要」といった声も聞かれました。

交通のプロに聞く!Q&A

今回、交通安全対策に携わっておよそ20年のベテラン、県警本部交通企画課の髙島史典管理官に事業者から多い質問に答えてもらいました。対象事業者のみなさんには、改めて確認してほしい内容です。

 

最初の質問は、「検知器の選び方」について。髙島さんは、「これを使わなくてはいけないというものはない。決められた機能を有するものであれば、事業者が自由に選ぶことが可能」と話します。

 

2つ目の質問は、「車に乗るたびに検査が必要?」というもの。営業で何か所も回ったり、休憩に立ち寄ったり、1日に乗り降りを繰り返すことは珍しくありません。これについては「1日に何度も車に乗る場合であっても、出勤時と退勤時で大丈夫」とのこと。つまり最初と最後に確認すれば足りるということです。

 

最後に、事業者から多く寄せられるという質問です。「直行直帰や夜間の呼び出し時はどう対応すれば?」。これに対しては、①事前に検知器を貸し出しておく②ビデオ通話を利用する、などの対策が考えられると教えてくれました。

また、検査を怠った場合の罰則についても気になるところです。現時点で、検査そのものに対する罰則はありませんが、飲酒運転には重い罰則が課せられます。さらに、違反や事故を起こした場合は厳しく責任が問われることになります。

こちらで紹介した質問は一例です。香川県警のホームページでは、より詳しい規定やQ&Aなどが公開されていますので、そちらも参考にしてください。

 

大切なのは、「職種やコストを踏まえつつ、確実に検知できる体制を整えること」。事業者それぞれの適切な方法で、検査を徹底する方法を考えることが求められます。

これから、お酒を飲む機会が増える時期。改めて、運転する人の意識が高まるきっかけにもしたいところです。今回の義務化は事業者のみが対象ですが、個人で運転する際にも「飲んだら乗るな」は徹底していかなくてはいけません。ひとりひとりが自分事として意識をもつことが大切です。

  • 内 水吟

    高松放送局 記者

    内 水吟

    2023年入局。
    警察や司法取材を担当。

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