安心! 楽しい! 外あそび

すくすく子育て
2022年1月15日 放送

外遊びを思う存分たのしみたい! でも、新型コロナの影響が続き、子どものマスクや人出など、何かと不安がありますよね。安心して外遊びをするために何ができるのか、専門家と一緒に考えます。

専門家:
福井聖子(子育て支援のNPO代表/小児科医)
大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学)

子ども同士の交流が減ったけど大丈夫?

保育園に通う息子(2歳4か月)は、家族で外遊びをするのが大好きです。でも、新型コロナの感染対策を考えて、人の少ない時間を選んで公園に行くので、子ども同士で遊んだり、近い年齢の子どもたちの遊びを見るような機会を与えられていません。子ども同士の交流が減っていますが、大丈夫でしょうか。
(お子さん2歳4か月のパパ・ママ)

ほかの子どもたちから刺激を受けることは大事

回答:大豆生田啓友さん

コロナ禍が長く続いて、子どもたちの「群れ」の経験が少なくなっているので、心配するのは当然だと思います。小さな子どもは、人を模倣しながら「自分もこうしてみよう」とするので、ほかの子どもたちから刺激を受けることは大事なことなのです。ただ、VTRでお子さんの様子を見たところ、本当に楽しそうに遊んでいて、あまり心配はないように思いました。

保育園や地域子育て支援拠点などでも交流はある

回答:大豆生田啓友さん

保育園はある程度の子どもたちの密を前提に感染対策をしています。保育園で集団生活をしているのであれば、子どもたちとの交流もあるので、大きな心配はないでしょう。また、地域子育て支援拠点も、密になり過ぎることを避けるなど、感染対策をしながら子どもたちが遊ぶ場を提供しています。このような場を利用することで、他の子の遊びを見るといった経験を、ある程度は保証できるのではないかと思います。

いつも同じ公園で遊んで、同じ遊びばかりでマンネリ化して、子どもの発達に影響しないか少し心配です。

子どもは同じ遊びを繰り返し楽しめる

回答:福井聖子さん

大人がマンネリ化していると思っている遊びも、お子さんの年齢であれば同じ遊びを繰り返して楽しんでいるものです。子育ては長い年月に渡るので、今はずっと同じ遊びでも全く問題ありません。次のシーズンになると、遊びの内容が変わって、子どもが成長したことがわかると思います。

親子で遊びを楽しむための工夫はありますか?

外出するときに袋を持っていく

回答:大豆生田啓友さん

親子で楽しむための工夫は、いくらでもあると思いますよ。例えば、子どもと散歩したり、自然と触れ合えるような公園に行くと、葉っぱやどんぐりを拾ってくることがありますね。

そのとき、ビニール袋を持っていると、いろいろな葉っぱやどんぐりを入れることができて、これだけでおもしろいわけです。

保育園でもよく使う「お散歩バッグ」があると、より盛り上がります。ペットボトルや牛乳パックなどで簡単に作れます。外出するときに「お散歩バッグ」を持つだけで、「よし、何か拾うぞ!」という気持ちになりますよ。


コロナ禍での外遊びはどうしている?

コロナ禍での外遊びはどうしているのでしょうか。ママ・パパの話を聞きました。

人がいない公園を選んでいます。人に近づくのはダメなことではないのに、子どもが人に近づいていくと「ダメだよ」と言ってしまうので、そもそも人を避けるようにしています。
(お子さん1歳5か月のママ)

本当はママ友と外遊びのしかたやおすすめの公園など、情報交換したいのですが、なかなかできません。公園などに「ソーシャル・ディスタンスを守りましょう」といった看板があると、やっぱりほかの人を誘わないほうがいいのかなと思ってしまいます。
(お子さん1歳2か月のママ)

人のいない時間帯に公園に行くようにしています。娘は朝が早いので、早朝に行くことが多いです。
(お子さん4歳のパパ)

子どもは遊び感覚で手洗いをしてくれますが、マスクはどうしたらいいのか悩んでいます。
(お子さん4歳のママ)

子どもの外遊びでは、マスクなどの感染対策をどうしたらいいですか?

まずは家族で感染していないことを確認する

回答:福井聖子さん

子どもへの感染は、圧倒的に大人からが多いようです。外遊びや他の子どもたちがいる場所に行くとき、まずは、家族内で感染の可能性を確認することが大前提となります。

子どものマスクは状況に応じて柔軟に

回答:福井聖子さん

マスクをつけたまま遊ぶと、走り回って呼吸が早くなり息苦しくならないか心配ですよね。マスクが苦手な子どもに無理にさせると、マスクを取ろうとして何度も顔を触るなど、感染リスクが高まってしまうことがあります。そのような場合にはマスクを外していいと思います。もちろん、マスクをしたままでも平気な子どもの場合は、そのままでいいと思います。外遊びでの子どものマスクは、状況に応じて柔軟に対応してください。

安心して遊べる場の取り組み

コロナ禍の影響が続く中、さまざまな感染対策をして積極的に「外遊び」を提案しているグループがあります。公園などで子どもの遊びをサポートするNPO法人「そとぼーよ」です。

例えば、以前はみんなで1枚のレジャーシートに座っていましたが、今は距離をとってシートを敷いています。

また、あそび道具を分散して配置するのも作戦のひとつです。子どもたちの遊びを制限することなく、距離を保つことができます。

ママ・パパたちに人気なのが「散歩」です。密集を避けながら公園内をめぐります。

外にはいろんな話すきっかけがあるので、室内よりも自然に会話が弾みます。なごやかな雰囲気は、自然の力のように感じています。外ならではの魅力です。子どもはどんなおもちゃよりも、枝、水、草といったものが好きなので、宝物がたくさんある壮大な遊び場になると思います。親もそれが宝だと気づけたら、どんどん外遊びが楽しくなるでしょう。
(NPO法人「そとぼーよ」代表理事 本道良子さん)

親同士がつながる機会も減ってしまった状況で、こうした活動が心の距離感を縮めるきっかけにもなるようです。コロナの影響で損なわれた「日常」をいかに取り戻すか。外遊びの大切さが見直されています。


コメント:鈴木あきえさん(MC)

親が「子どもは遊びの天才」だと気づくこと。外遊びのときには「そこは汚い!」といったことは言わず、一緒に外遊びを楽しむことが重要だと思いました。


外に出てもすぐにだっこ! これで運動になる?

最近、長女(1歳3か月)は、靴を履いて外出できるようになりました。でも、外に出ることは好きなのですが、気分が乗らないと、すぐにだっこをせがみます。外出してもだっこが多いので、運動量不足にならないか心配です。子どもが体を動かすように、積極的に働きかけたほうがいいのでしょうか?
(お子さん1歳3か月のママ)

子どもの成長に応じて「あそび」も変わる

回答:福井聖子さん

子どもは少し大きくなるだけで、やりたがることが数か月でも変わっていきます。成長に応じて「あそび」も変わっていくのです。

赤ちゃんは、光や風などを五感で感じる「感覚あそび」の時期です。「あったかいね」「冷たいね」など、子どもが感じていそうなことを言葉にすることで感覚と言葉がつながっていくといいます。よく歩くようになったら、追いかけっこなどをして楽しめます。そして、走るようになったら、「よーいドン」や吹き流しなどを楽しめます。「よーいドン」を教えると、「よーいドン」と言うだけで走り出したりします。

3歳までの子どもは、何かを持って走るのも好きです。折り紙に短いひもを貼り付けるような簡単なたこでも楽しめますよ。

日光を浴びることで体に備わったリズムが整う

回答:福井聖子さん

日常的に日光を浴びることが、体にとっていい影響にもなります。まず「体内時計」の調節です。体内時計とは、体に備わったリズムのこと。朝起きて、日光を浴びてから、およそ14時間後に眠くなるようにセットされています。子どもの生活リズムを整えていくために、朝、太陽の光を浴びることも大切です。

外に出るだけで効果がある

回答:福井聖子さん

日光に含まれる紫外線は、ビタミンDを活性化します。ビタミンDは、骨や筋肉を丈夫にするだけでなく、免疫機能を上げるともいわれています。散歩だけで何もしなかったように思えても、外に出るだけで意外と効果があるのです。

五感で自然に親しむことが科学的好奇心の芽に

回答:大豆生田啓友さん

子どもは、草原のような場所に行くだけで、いろいろな葉っぱを手でつかんだり、匂いを嗅いだりします。科学的な好奇心の芽にもなるため、小さい時期に五感で自然に親しむことはとても大事なのです。自然の中には「これって、どうなっているんだろう?」「すごい」と、体全体で感じたり、不思議に思ったりすることがたくさんあります。
例えば、泥や砂の感触を楽しむことから始まって、次第に、その性質を生かすようになります。どうしたら泥だんごが作れるのか試行錯誤したり、夢中になって遊んだりする中で、たくさんのことを学んでいくのです。

自然の中での遊びは、子どもの心をどのように育みますか?

やりぬく力、探求心、チャレンジする力、意欲・社会性などを育む

回答:大豆生田啓友さん

何かに夢中になることや集中することが、「やりぬく力」の基本になります。それが、いろいろな興味・関心に広がり、もっと調べてみたい・知りたいといった「探究心」にもなります。泥を触ることにためらいがあるかもしれませんが、自分から泥に働きかけようとすることは、いろいろなことに「チャレンジする力」にもなっていきます。自然の中での遊びは、子どもの「意欲や社会性」を育てる上で、とても重要な側面を持っているのです。


親が苦手なことが、子どもの好奇心に影響しない?

長女は野山で遊ぶのが好きで、草花や虫も大好きです。でも、パパは虫嫌いなんです。バッタやカエルをつかまえたり、セミのぬけ殻を見つけたりすることがあっても、パパに気を遣っているのか、あまり持ち帰りません。子どもの好奇心を大事にしてあげたいけど、親にも苦手なことがあるので、子どもをセーブさせてしまうことになるのか気になります。
(お子さん4歳のママ・パパ)

親が虫嫌いでもいい

回答:大豆生田啓友さん

大学生にも虫が嫌いな人は多く、教育実習に行って「虫が嫌い」と言うと、子どもたちは大喜びで虫を見せたがります。反面教師になる場合もあるので、親が虫嫌いでもいいと思います。親だって、完璧でなくても、自分らしくあればいいのです。

遠巻きにでも一緒に楽しむことが大事

回答:大豆生田啓友さん

「パパは無理だけど、〇〇ちゃん、すごい。虫を触れるんだ」と言うと、子どもの自尊心にもつながると思います。最初は嫌かもしれませんが、子どもと一緒に遊ぶうちに、親も好きになってくることもあります。遠巻きでもいいので、親子で一緒に楽しむスタンスを大事にしてください。


外遊びでの「危険・汚い」をどう教える?

息子は気になるものを何でも触って確かめます。蜂の死骸やタバコの吸い殻を触ろうとすることもありました。子どもにのびのびしてほしいけど、外にいるときのほうが「ダメだよ」と言っている気がします。息子が嫌になってしまわないかと不安です。危険なことや汚いことは、どうやって教えたらいいでしょう?
(お子さん1歳5か月のママ)

「危ないもの」「汚いもの」を教える機会

回答:福井聖子さん

まず、子どもが危険なものを拾った場合は、すぐにストップをかけてください。そして、もし手にとってしまったら、「危ないよ」「汚いよね」と教える機会だと考えてください。それも体験なのです。1歳半のころは、すぐに言葉で伝わらないと思いますが、「これは汚いから、触らないもの」と、わかりやすい言葉で説明すれば、子どもも少しずつ学べます。
そうやって繰り返すうちに、「触ってはいけない物」の中には「汚い物」「危険な物」「おもしろくない物」など、いろいろな物があることを学習して、自分で少し考えるようにもなっていきます。2歳を超えると、「ちょっと怖い」「気をつけよう」という気持ちが芽生えてくるので、うまくつなげられるといいでしょう。


専門家からのメッセージ

今できることに目を向け、できないことは今後の楽しみに

福井聖子さん

やはりコロナ禍では、できないことがあると思います。できないことに目を向けてしまうと苦しくなるので、今できることに目を向けてみてください。いずれ、できるようになるときに、ステップアップできる楽しみにしてください。

コロナ禍は自然の中に出かけるチャンス

大豆生田啓友さん

コロナ禍はピンチであり、チャンスでもあります。以前は人混みに出かけることが多かった方も、自然のある場所に出かけてみようと思えます。子どもが楽しむだけでなく、親も一緒に楽しんでいこうと、前向きに考えていけるといいですね。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです