なんでも質問スペシャル

すくすく子育て
2021年10月2日 放送

今回は「なんでも質問スペシャル」。みなさんから寄せられた、いろいろな疑問・悩みに専門家が答えます。

専門家:
若盛清美(認定こども園 副園長)
大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学)

子どもに好かれるには、どうすればいいの?

ママ/息子ははじめての子どもです。子どもを思って、全力で遊んで、本人のためにきちんと叱って、一生懸命頑張ってきました。でも、パパが仕事から帰ってくると、息子はパパにべったりです。遊びや買い物に誘っても「パパが大好きだから行かない」と言います。パパがいると、私には見向きもしないので悲しくなってしまいます。子どもに好かれるには、どうすればいいでしょうか?
パパ/ママが頑張っている姿をいつも見ているので、こちらばかりにくると、息子に「もう少し空気を読めよ」とこっそり言うこともあります。家事は、基本的には妻がしてくれていますが、手があいているときや、妻が大変なときは、私もやっています。
(お子さん2歳11か月のママ・パパ)

「今はパパに遊んでもらえる」と気持ちを切り替える

回答:若盛清美さん

お子さんは、ふだんはママと一緒に過ごす時間が多いですよね。そこに、いつもは仕事でいないパパが帰ってきたら、「一緒に遊びたい」と思うのは当然かもしれません。そのとき、「私のほうを見てくれない」と考えるより、「今はパパに遊んでもらおう。パパに任せておこう」と気持ちを切り替えてみましょう。そうすれば、少し楽になってくると思います。

ママは心の安全基地

回答:大豆生田啓友さん

VTRを見ていると、お子さんがママといるとき、とても安心していると思えます。ママは、いつも当たり前のようにいてくれる人で、心の安全基地になっているのでしょう。でも、パパとの時間は比較的少ないので、家に帰ってきたときは「サンタクロース」みたいに思えるのかもしれませんね。「好き」というのも、子どもたちが言う「サンタが好き」のようなものではないでしょうか。
でも、それはママへの安心感があってのことです。「叱り過ぎているのではないか」と気にすることもありません。いいご家族だと思いますよ。

「ママも大好きなんだ」とパパが子どもに言うと効果的

回答:大豆生田啓友さん

多くのママたちが、「パパがいいとこ取りをしているのではないか」と気にしているようです。「自分は毎日、こんなに頑張っているのに、どうしてパパだけ?」と思うわけです。そのことに関しては、例えばパパが、「〇〇ちゃんのことも好きだけど、ママも大好きなんだ」のように子どもに言うと効果的です。子どもは、大好きな人の言うことを、わりと聞くんです。少し恥ずかしいかもしれませんが、「ママもパパが大好き」と言ってみるといいかもしれませんね。


ママっ子すぎるけど、母子分離不安なの?

娘(6歳)は、2歳ぐらいからママっ子すぎて困っています。お風呂もママ、寝るのもママ。小学校に入った今では、ママと離れたくないので学校に行きたがらず大変です。最近ネットで、「母子分離不安」というワードを見つけました。娘は母子分離不安なのでしょうか。もしその場合、解決策なども知りたいです。
(お子さん6歳のママ)

母子分離不安には、大きく2通りある

回答:大豆生田啓友さん

昔から、心理学で「母子分離不安」の研究がされています。母親から離れることに、とても不安を持つことです。大きく分けて、2~3歳ぐらいまでの小さい時期と、それ以上の時期の2通りがあります。
赤ちゃんのころは、母親と一緒にいて、だっこされて、受け止められているから安心できますが、母親が離れてしまうと不安になります。これは当然ですよね。そこから、だんだんと愛着関係がつくられて、心の安全基地ができてくると、少しずつ自分から離れていけるようになります。それでも、嫌なことや不安なことがあれば戻ることもあるので、行きつ戻りつになります。
もう少し大きい年齢になると、周囲の環境へ不安を持つようになることがあります。例えば、小学校への入学は大きく環境が変わります。ひとりでいろんなことをしないといけない、新しい学習もはじまる。そのような新しい環境の中で不安になると、「母親から離れたくない、分離することが不安になる」という気持ちが出てくることがあります。これが、一般的に「母子分離不安」といわれているものです。

まずは「離れたくない」という気持ちを受け止める

回答:大豆生田啓友さん

親として、子どもにもっと自立してほしいと思うことは、よく分かります。でも、子ども本人が「つらい」と言っているなら、突き放すのではなく、まずは「離れたくない」という気持ちを受け止めてあげましょう。親子で密接な時間を大事にすることも、ひとつの方法です。

例えば、学校を早退して子どもの勉強が遅れないか、といったことも気になります。

ペースを大切にすることで自己肯定感として残る

回答:大豆生田啓友さん

今、学校では、その子なりの参加のしかたを考えて工夫してくれるように、変わりつつあります。その子のペースで学習できる環境が整ってくるわけです。長期的に見れば、「自分のペースを大事にされた」ことで、自己肯定感として残ることが、とても大事になると思います。学校の先生や専門家などに相談しながら、その子にとっていちばんいい形を考えていくことが、これから大事になる時代だと思います。


指しゃぶりはやめさせるべき?

息子(1歳1か月)は、どこにいても指をしゃぶっています。特に、眠くなると必ずしゃぶりだします。気持ちを落ち着かせるためかと思い、そのままにしていましたが、手にマメができたり、歯で指が切れたり、うんできたりすることもありました。お風呂であわがついた指でも、汚い手でも口に入れてしまうので困っています。
それからは手袋やタオル、ばんそうこうなど、いろいろな方法で防ごうとしましたが、どれもだめ。無理に指を外そうとすると泣いて嫌がり、しゃぶりだすと落ち着きます。やめさせたほうがいいのか、このまま見守っていてもいいのか。歯並びに影響するのかも気になります。
(お子さん3歳・1歳1か月のママ)

指しゃぶりは自分の気持ちをコントロールする手段

回答:大豆生田啓友さん

指しゃぶりは、親としては気になりますが、子どもにとっては自分の気持ちをコントロールする手段です。気持ちを落ち着けよう、すっと眠れるようにしようと、自分から一生懸命にしている大事なことなんですね。お子さんぐらいの年齢であれば、とても自然なことですよ。
基本的には、指しゃぶりを大人に取られてしまうのは、気持ちのコントロールを遮られてしまうことになります。子どもは、「嫌なこと」だと受け止めているはずです。だとすると、この状態を大事にしたいですね。

遊びに夢中になると指しゃぶりを忘れる

回答:若盛清美さん

園では、遊びに夢中になって、しゃぶることを忘れているような姿がよく見られます。先生たちは「あれ、今はしてないよね」と見ていたりします。
でも、寝るときは、何か寂しいといいますか、お母さんのことを触っていたいようなところがあるので、大変ですよね。指をしゃぶる前に、「一緒に、お母さんと手をつないで寝ようか」など、そんな声をかけてあげたり、絵本を読んであげたりすると、安心して、指しゃぶりを忘れることもあるのではないかと思います。

指しゃぶりと歯並びについて

指しゃぶりは歯並びに影響するのか、茂木瑞穂さん(小児歯科専門医/指導医)に伺いました。

解説:茂木瑞穂さん

指しゃぶりをずっと続けていると、歯並びやあごの形に影響してきます。
乳歯が生えそろうのは、3歳くらいといわれています。上あごは、正常であれば「U字(丸い円弧)」の形をしていますが、生えそろった後も指しゃぶりを続けてしまうと、指を入れることによって「V字」の形になってしまいます。

右が正常な上あご、左が指しゃぶりを続けていた子の上あごです。右と比べて、左がV字型になっていることがわかります。
でも、生えそろい終わった4歳くらいに指しゃぶりをやめて、その後の永久歯が生えてくる6〜7歳まで吸い続けなければ、あごの形が戻り、永久歯の歯並びに影響する可能性が低くなります。4歳くらいまでにやめることを心がけてください。

※指しゃぶりやおしゃぶりについて心配な場合、小児歯科医など専門家に相談しましょう


髪の毛を吸う子ども、どうすればいい?

息子は8か月ごろから、眠いときやぐずついているときに、私の髪の毛をつかんで吸います。かみちぎって食べてしまうこともあります。無理にやめさせようとすると寝てくれないので、そのまま吸わせてしまいます。このくせはそのうち自然になくなるのか心配です。どうすればよいでしょうか?

安心して眠れる環境をつくる

回答:若盛清美さん

園では、特に1歳ごろの子どもたちのお昼寝で、ときどき先生たちが「私の耳たぶを触って、そうすると寝るのよね」といった話をしています。その子の場合は、耳を触ることなんですね。例えば、毎日寝るときに、耳を触る子であれば耳に手が伸びる前に、手をつないであげたり、「トントンしてあげるね」と声をかけてあげたりしてみましょう。
あるいは、子どもはもう少し大きくなってくると、歩き始めて、足が疲れてくるんですね。そこで、よく足をさすってマッサージのようにしていると寝始めることもあるんです。
そのように、「毎日寝る前には、足をさすってもらえる。いい気持ちなんだ」という思いを持たせてあげるなど、安心して眠りに入れるような環境をつくることが大事だと思います。


6か月の娘。昼寝させたほうがいいの?

6か月になる娘は、お昼寝のときに、すぐに寝てくれます。でも、パパやばあばがいるときは、なかなか寝てくれません。遊びたいのかなと思うのですが、眠そうな顔をしているので、こんなに寝なくていいのか心配しています。パパがいる土日に昼寝をしないときは、疲れがあるのか、週明けの月曜日に結構昼寝をしています。遊びたがっているときでも、昼寝をさせたほうがいいのでしょうか?
(お子さん6か月のママ)

リズムが大きく崩れているかをみる

回答:大豆生田啓友さん

例えば、パパと遊んでお昼寝をしなかった後、翌日以降に生活のリズムが崩れることはあるでしょうか。あるいは、そのことでママが困ることはあるでしょうか。
基本的に、ある程度リズムができていると、子どもにとっても親にとっても無理がありません。でも、実際には、親の睡眠時間を十分に取れず、ストレスになっていることも多いわけです。パパが関わることで、大きくリズムが崩れることがなければ、何とかこの時期をやりくりできるのではないかと思います。

ママに困ることがあれば、協力してもらう

回答:若盛清美さん

例えば、「ママが寝ることができなくて困る」ということがあれば、パパやおばあちゃんに協力してもらいましょう。例えば、パパと遊ぶときに、元気に体を動かす遊びから、だんだんゆっくりしながら、パパのひざに乗せてゆったりしながら本を読んであげるなど、少しずつ寝る雰囲気をつくっていく。すると、いつもと同じようにお昼寝に入ってくれるかもしれません。やはり、楽しく遊んでいたら、昼寝はなかなか難しいのではないかと思います。園でも、月曜日には子どもたちがよく寝てくれるんですよ。

ベビーカーで散歩をしていると寝てくれることも

回答:大豆生田啓友さん

例えば、ベビーカーに乗せ、外に連れ出して散歩をしていると、すとんと寝る子どももいます。遊びの流れで寝てくれるのであれば、それもひとつの方法ですね。


専門家からのメッセージ

悩みを打ち明けると気持ちが楽になる

若盛清美さん

親たちは育児に一生懸命なんです。一生懸命だからこそ、いろいろな悩みがあるのではないでしょうか。遠慮しないで、「私、こんなことで困っているんだ」という話ができる人を見つけられるといいですね。気分が楽になって、育児も楽しくなるのではないかなと思います。

話せる場を上手につくる

大豆生田啓友さん

今、家にいる時間が多いので、悩みをネットで調べることがよくあると思います。でも、むしろ不安になるケースが多いんです。でも、気楽に話ができる人に聞いてもらえると、「ああ、そんな感じでいいのか」と思えることもあります。意外とそういうものなのです。特に今だからこそ、なかなか人と会えない中でも、そのように話せる場を、いろんなところに上手につくることが大事ではないかと思います。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです