赤ちゃんとのコミュニケーション

すくすく子育て
2021年7月3日 放送

赤ちゃんが笑ってくれると、幸せな気分になりますよね。でも、声をかけても反応が少なかったり、急に大きな声を出したり、赤ちゃんが何を求めているのか、わからないことも。そんな、赤ちゃんとのコミュニケーションについて考えます。

専門家:
大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学)
渡邊暢子(元保育士)

声をかけても一人で遊び続ける。このままで大丈夫?

1歳1か月の息子は、おもちゃで遊ぶのが大好きです。気になるものを見つけては、一人で黙々と遊んでいます。ただ、そんなときに声をかけてもあまり反応がありません。例えば、息子が絵本を読んでいるとき。「本読もうか? 自分で読む? ここが好き?」といった声かけをしますが、ほとんど反応がないんです。私が用事で少し部屋から離れても、遊びに集中しているときは、後追いしたり、泣いたりしません。絵を指さしたら、同じところに指をさすようなことはありますが、声をかけて背を向けられることもあります。声のかけ方が悪いのでしょうか。このままで大丈夫なのか心配です。
(お子さん1歳1か月のママ)

親子の信頼関係があるから安心して遊べる

回答:渡邊暢子さん

おそらく、お母さんとの信頼関係があるから、安心して遊んでいるのでしょう。子どもが夢中になっているときは、無理に声をかけなくても大丈夫ですよ。夢中になれることを大事にしてあげてください。

声をかける場合は、子どもの行為に対して

回答:渡邊暢子さん

何か関わってあげたいと考えているなら、子どもの行為に対して声をかけるとよいでしょう。例えば、「絵本を読もうか?」と聞くより、「おもしろそうだね。ママもやってみようかな」と言って一緒に絵本を読む。そのような声かけで、関係が変わってくるかと思います。

ママに反応してコミュニケーションしている

回答:大豆生田啓友さん

大人から見れば、コミュニケーションができていないように思えるかもしれません。ですが、よく見ると、ママが絵本の絵を指さしたときに、子どもも反応して指をさしています。子どもなりのコミュニケーションをしているわけです。
ただ、絵本を読んでもらうのは「ノー」なんですよね。親は、読んであげることがコミュニケーションのように感じるかもしれませんが、安心感を持って「ノー」と反応できることも、安心して夢中に遊んでいられることも、とてもよいことだと思います。


赤ちゃんへの声かけとあやし方

今回、番組には赤ちゃんのあやし方について、たくさんの悩みが寄せられました。「赤ちゃんを長くあやすことができない」「手遊びがワンパターンになり、すぐに飽きられてしまう」「あやしても全然笑ってくれない」などです。
赤ちゃんへの声かけや、あやし方について、渡邊暢子さんに聞きました。

赤ちゃんへの声かけのポイント

解説:渡邊暢子さん

まず、赤ちゃんの世話をするときは、ただ黙ってやるのではなく、ことばをかけてあげましょう。声かけのポイントは、行動をことばにすること。例えば、「おなかがすいたね、ミルクを飲もうね」「おむつを替えようね」「きれいにしてあげるから、待ってね」「眠いね、寝ようか」のように、日常の何気ない声かけで大丈夫です。親のことばが行為につながると、「こういうふうにしてもらえるんだ」とわかってきて、協力してくれるようなこともあります。

赤ちゃんが喜ぶあやし方のポイント

解説:渡邊暢子さん

赤ちゃんは、口で変な音を出してあげると喜びます。例えば、唇をふるわせて「ブルブルブル」と鳴らすと、よく笑ってくれると思います。

赤ちゃんは、顔の目・口の動きや、表情の変化などに、いちばん興味を持ちます。例えば、赤ちゃんとおでこを合わせたり、離したりすると、パパ・ママの顔が大きくなったり小さくなったりして、赤ちゃんは顔にくぎづけになります。

生後5か月くらいになり、背筋を伸ばせるようになってきたら、膝の上にのせて、少し高くしてあげるといいですね。

すっと下げてあげるなど、高低の経験をさせるのもいいでしょう。

また、手を持って寄せてあげるのもいいですね。赤ちゃんのほうから寄ってくるように、引っ張って肩が外れないように、ゆっくりと丁寧に動かしてください。

赤ちゃんが笑う わが家の鉄板ネタ

ここで、番組に寄せられた、みなさんの「赤ちゃんが必ず笑うあやし方」を紹介します。

スタイをヒラヒラさせると、なぜか毎回大爆笑!

布団の影に隠れて、顔を出すと、大喜び!

くしゃみのまねをするだけなのに、ツボにはまるようです。

こちょこちょこちょこちょすると喜びます!

パパのモジャモジャが大好き。頭を振ると喜びます。

ママが口で空気砲を発射すると、笑ってくれます!

チラシを丸めて投げるとなぜか大爆笑!

あやし方は、みなさんいろいろですね。
ぜひ、ためしてみてください!


赤ちゃんの大きな声。何を求めているの?

最近、7か月になる娘がいろいろなものに興味を持ちはじめました。今、気になっているのは、子どもが突然大きな声を出すこと。ひとりで遊んでいるときに、ピーンと耳に響くような、叫ぶような声を出すことがあります。ふだんの泣き声や、ぐずるときとも違います。病気やけがではないかと心配しますが、本人はケロッとしています。この大きな声は、何を求めているのでしょうか?
(お子さん7か月のママ)

喃語がたくさん出る時期

回答:渡邊暢子さん

7か月前後は、喃語(なんご)(※)がたくさん出る時期です。喃語と一緒に、叫ぶような声をあげることもあります。発達の過程でよくあることなので、問題はありませんよ。
※喃語:赤ちゃんがことばを覚える前に発する「あー」「うー」などの声

体を動かしやすい環境を作る

回答:渡邊暢子さん

お子さんの様子を見ていると、まわりにあるおもちゃを引っ張るなど、よく遊んでいますね。ただ、うつ伏せで同じ姿勢ばかりだと、どうしても動きたくなって、そのときに声が出ている可能性も考えられます。やりたい動きができないもどかしさがあるかもしれないので、体を動かしやすい環境を作ることも考えてみましょう。
例えば、遊ぶときは、エプロンのような動きを邪魔することがある衣類をやめて、できるだけすっきりしたものを着せる、足が滑らないように靴下を脱がせるなど、ちょっとした工夫をしてあげましょう。こちらから何かをやらせるのではなく、子どもが自分で次のステップに進めるように環境を整えてあげることが大事です。

体に力を入れたときに、声が一緒に出てしまうことがある

回答:大豆生田啓友さん

この時期によくあることなんです。おそらく、自分から動きたい気持ちが強いのでしょう。動きたいと思って、体に力を入れたときに、声が一緒に出てしまうことがあります。
今は、体が思うように動かず、もどかしいところがありつつも、自分の体がどう動くのか、どう声が出るのかを学んでいると思います。うまくいかなくても、まわりのおもちゃに興味を持って、遊びながら、これもおもしろいと感じる。いつも親が何かをしてあげなくても、子ども自身が試行錯誤しながら、いろいろなことを学習しているので、心配する必要はありません。お子さんはよく探索していると思います。

助けを求めているとき以外は見守ることも大事

回答:大豆生田啓友さん

親は、いつも赤ちゃんのそばにいて働きかけなければならない、たくさんだっこをしないと愛着ができない、と思いがちです。ですが、赤ちゃん自身が探索しながら学んでいるときは、見守ることも大事です。子どもが助けを求めているときは、泣きながら声を出すなど、親にわかるような呼びかけをしてきます。
現在の研究では、赤ちゃんはとても有能であることがわかっています。自分で育とうとしている赤ちゃんのそばで、「おもしろいことをしているな、頑張っているな」と思って見ているだけでも、とても大事なことなのです。


専門家からのメッセージ

完璧な子育てを目指さず、子どものありのままの姿を愛して

渡邊暢子さん

子育てには、楽しいことがたくさんありますが、不安になることもあります。子どもが大きくなれば、また違った不安が出てくる。でも、子育ては完璧でなくてもいいのです。子どもの姿を通して、親もいろんなことを学びながら、親になっていく。それを楽しむ親の姿は、子どもにとっても大事だと思います。ぜひ、子どものありのままの姿を、たくさん愛してあげてほしい、と思います。

子育ては、それぞれの個性に合った方法でOK

大豆生田啓友さん

親として心配になることがたくさん出てくると思いますが、親の自分流の方法、子どもの自分流の方法を大事にしてください。それぞれの個性に合った方法でOKだと思います。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです