ウンチの悩み

すくすく子育て
2021年2月27日 放送

苦しそうにウンチをするけど、どうしたらいい? 下痢が続くのは病気なの? 便秘を治すにはどうしたらいい? そんなウンチの悩みや疑問に、専門家がすっきり答えます。

専門家:
永田智(東京女子医科大学 教授/小児科医)
上田玲子(東洋英和女学院大学 非常勤講師/管理栄養士)

赤ちゃんが苦しそうにウンチをする。どうしたらいいの?

生後1か月の息子は、毎日3〜10回ほどウンチをします。でも、ときどき苦しそうに顔を真っ赤にして、泣きながらウンチを出そうとするので心配です。それなのに、おならしか出なかったり、ウンチが出ても少しだったりします。おなかを温めたり、「の」の字マッサージをしたりしていますが、あまり効果が出てないのかもしれません。どうしたらいいのでしょうか。
(1か月 男の子のママ)

ウンチを出す筋肉が未発達

回答:永田智さん

お子さんが便を出すのが大変なのは、便秘が原因ではなく、骨盤の周りにある便を出すための筋肉がまだ発達していないためです。そんなときは、綿棒で肛門を刺激して、ウンチを出すお手伝いをしてあげるとよいでしょう。

綿棒刺激のやり方

解説:永田智さん

綿棒は、軸がしっかりした大人用を使います。

綿棒の先に、ワセリン、オリーブ油、ベビーオイルなどを塗り、滑りをよくします。

綿棒の先端が隠れるぐらいの長さで、ゆっくりと肛門へ差し込みます。綿棒を指先で3回ほど回して刺激してください。
綿棒で肛門を刺激するのは、肛門の近くの便を出すのが目的です。綿棒を抜くとすぐに便が出てきます。
綿棒が入れにくい場合は、無理に入れず、病院に相談したほうがよいでしょう。


綿棒刺激をやると癖になってしまわないでしょうか。

赤ちゃんのころから便をためない習慣をつける

回答:永田智さん

腸の中に便がたまっていると、それが癖になってしまいます。赤ちゃんのころからすっきりと排便できる、便をためない習慣をつけることが大切です。排便があっても、出すときに苦しそうにしている、おなかが張っているような感じがある場合は綿棒刺激をしてあげたほうがよいでしょう。


黄色いウンチが緑色に。どうして?

いつもは黄色いウンチが出るのですが、緑色のウンチが出ることがあります。どうして色が変わるのか不思議です。病気などは大丈夫でしょうか。
(1か月 男の子のママ)

緑色やうぐいす色は正常な便の色

回答:永田智さん

緑色やうぐいす色は、正常な便の色です。母乳栄養児は黄色い便が出る、人工栄養児(ミルク)は緑の便が出るといわれています。母乳栄養児はビフィズス菌が主な腸内細菌で、ミルクではビフィズス菌が比較的少なく他の腸内細菌が増えてきて緑色になります。突然色が変わると驚くかもしれませんが、心配はいりません。

心配な便の色は、白・黒・赤

回答:永田智さん

一方で、心配な便の色もあります。白・黒・赤の便は、病気の場合があるので、病院で診てもらってください。母子手帳には便の色の目安表もあるので確認しておきましょう。


小さな子どもの便秘を治すには?

娘は1歳を過ぎたころから便秘になってしまいました。定期的に病院で診てもらい、便を出しやすくする薬をもらっています。でも、薬を飲んでも3日に1度しか出ないときがあり、効き目の強い薬を使うこともあります。薬に頼らなくてもいいように、水分を多めにとったり、食事を工夫したりしています。朝食は便秘によいといわれているオートミールに牛乳をかけたおかゆ、日々のおかずは食物繊維が豊富な根菜類を多く取り入れるようにしています。
最近は便秘が少し改善してきましたが、まだまだ薬が必要です。薬に頼らず便秘を治すにはどうしたらいいのでしょうか。
(1歳7か月 女の子のママ)

便秘が疑われるポイント

回答:永田智さん

便の回数が少なく週に2回以下のときは便秘といいますが、毎日排便していても、便が硬くて出しにくい・出すときに痛いといった場合も便秘だと考えてください。小さくてコロコロした便でも、出すときに痛がる場合は便秘だと思います。
その他にも、便秘には次のような症状があります。

  • 苦しそうに排便している
  • いつもよりおならや便のにおいが強い
  • おなかが張って硬い
  • 機嫌が悪い(排便をすると機嫌がよくなる)
  • 食欲がない

こういった症状があるときは、病院に相談してみましょう。

いつも薬を使っていると、自然なお通じができなくなるのではないかと心配です。

癖になるのは薬ではなく便秘

回答:永田智さん

薬に頼ると、薬を手放せなくなるのではないかと不安に思う親が多いようです。でも、癖になるのは薬ではなく便秘です。便が腸の中にたまった状態が習慣化して、腸内環境が悪くなり、便秘も悪くなるという悪循環になってしまいます。

小さいころは便秘になりやすい

回答:永田智さん

小さいころは、腸が発達している段階にあります。動きもよくないため、便秘になりやすいのです。多くの場合は、成長するにしたがって腸の働きがよくなり、便秘も解消されていきます。
この時期は、薬を嫌がらずに、しっかり排便させ、腸の中をいつも空っぽにする習慣をつけてあげることが大事です。年齢を重ねると、だんだんと薬の量も少なくなることが多いので、最初に薬を使うことを心配し過ぎなくてもよいと思います。

薬以外で、便秘を改善する方法はありますか?

食物繊維はいい腸内細菌を育てる

回答:永田智さん

水をたくさん飲む方法を聞くことがありますが、ほとんどが小腸で吸収されるため、便秘が改善されることはありません。水はふだん通りでよいと思います。
食事で考えられるのは、多種多様なものを食べることです。いろんな種類の腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう・「腸内フローラ」とも言われる)が育つため、便秘の改善にもよいと思います。ただ、小さな子どもは多種多様な食品をとることが難しいので、食物繊維の多いものをとるのがよいでしょう。

主食・主菜・副菜から食物繊維をとる

回答:上田玲子さん

食事は、主食と主菜と副菜をきちんと食べた上で、食物繊維もとれると非常に効果があります。食物繊維には、「不溶性」と「水溶性」の2種類があるので、バランスよくとることが大切です。
不溶性の食物繊維は、便のかさを増やし、腸を刺激することでぜん動運動を活発にする働きがあります。でも、不溶性の食物繊維だけに偏ってしまうと、便が硬くなってしまうことがあります。それを防ぐためには、水溶性の食物繊維が重要です。便に水分を与えて、軟らかくする働きがあります。

不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとるためには、次のような食材が便利です。

  • プルーン
  • りんご
  • さつまいも
  • にんじん
  • ごぼう
  • じゃがいも
  • 納豆、きなこなどの大豆製品
  • なめこ
  • オートミール など

牛乳の効果には個人差がある

回答:上田玲子さん

オートミールを食べるとき、牛乳をかけることもあると思います。このとき、牛乳の効果には個人差があるので注意しておきましょう。牛乳は、子どもによって、便を軟らかくする場合も、硬くする場合もあります。量を加減しながら様子をみてください。例えば、ヨーグルトを混ぜてあげるような工夫もよいでしょう。


環境の変化やストレスが原因で便秘になるの?

最近、長女が便秘になりました。以前は毎日出ていたのに、今は3日に1度ぐらいです。便秘になったのは、環境が変わったことが原因ではないかと思っています。ひとつは弟が生まれたこと、もうひとつはトイレトレーニングを始めたことです。おしっこのトレーニングは順調だったのですが、ウンチのトレーニングで無理をさせたのかもしれません。下の子の世話があるので、ひとりでできるようになってほしいと思って、焦ってしまったのかもしれません。環境の変化やストレスで便秘になってしまうのでしょうか。
(2歳2か月 女の子・2か月 男の子のママ)

腸はストレスの影響を受ける

回答:永田智さん

われわれの腸と脳は、自律神経を介してつながっています。脳がストレスを受けると、その信号が腸に伝わって影響を受けることがあるといわれているのです。子どもでも、環境の変化などのストレスが便秘の要因になることがあります。例えば、保育園や小学校に入るときに便秘になることがよくあるのです。
お子さんの場合も、弟が生まれ家族の中で大激変がありましたね。お姉ちゃんにも大きな影響があったことでしょう。その点を考えれば、リラックスさせてあげることが大事だと思います。

トイレトレーニングは便秘が改善してから

回答:永田智さん

便秘のときは、排便のときに痛みがあるなど、子どもにとってもダメージが大きいと思います。ウンチのトイレトレーニングは、便秘が改善してから再開したほうがいいでしょう。


下痢のとき、病院に行く目安は?

息子は基本的にウンチがゆるめなので、下痢をしていても気付かないのではないかと心配です。下痢なのかどうか、病院へ行くべきかどうかは、どう判断したらよいのでしょうか。
(9か月 男の子のママ)

“いつもと違う”と感じたら病院へ

回答:永田智さん

下痢の原因は、食物アレルギーの場合もありますが、ほとんどは消化不良や感染症です。圧倒的に多いのは感染症です。感染症のときは、おう吐や吐き気をともなったり、発熱することもあります。“いつもと違う”と気付いてあげることが重要です。感染症かもしれないと思ったら、病院で受診してください。

感染症で下痢をしているときは、どのように栄養をとればいいですか?

吐いた後、表情が落ち着いたら経口補水液などを与える

回答:上田玲子さん

下痢やおう吐のとき、水分だけでなく、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも体から出てしまいます。そのため、水分とミネラルの補給が大事です。経口補水液や乳児用イオン飲料などが利用しやすいと思います。吐き気がある場合は、また吐いてしまうと疲れてしまうので、少しずつ様子を見ながら与えてください。

下痢が2週間以上続く場合は、乳糖を含まないミルクを試す

回答:上田玲子さん

授乳中の場合、母乳や育児用ミルクを欲しがるだけ与えても大丈夫ですが、下痢が2週間以上続く場合は、乳糖を含まない育児用ミルクにすることを検討してください。乳糖とは母乳やミルクなどに含まれる糖類で、感染症などにより一時的に消化することができなくなることがあるのです。

乳糖が消化できずに下痢が続くことも

回答:永田智さん

乳糖は乳糖分解酵素というもので吸収されます。この酵素が下痢やおう吐で流れ出して、乳糖が分解されないため、下痢が続いてしまいます。このような状態を乳糖不耐症といいます。キーワードは2週間以上続く下痢です。乳糖分解乳といった特殊なミルクを飲ませたり、乳糖分解酵素の薬もあるので、病院で相談してみましょう。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです